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緊迫の中東情勢 サウジ vs イラン “国交断絶” 歴史で読み解く

2016/01/18(月)<緊迫の中東情勢 サウジ vs イラン “国交断絶” 歴史で読み解く>
ワイド!スクランブル】 http://www.tv-asahi.co.jp/scramble/

 ワイド!スクランブル|テレビ朝日


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓池上彰×増田ユリヤ<緊迫の中東情勢 サウジ vs イラン“国交断絶”歴史で読み解く>
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  週末2016年1月16日
 『核開発』を巡って【イラン】に対して行ってきた経済制裁
  アメリカなど6ヵ国(米英仏独露中)が解除すると発表した。

www.yomiuri.co.jp

 

 ◇池上彰 ジャーナリスト
  イランはこれまで経済制裁を受けていて、石油の輸出がなかなか出来なかったん
  ですが、これが認められるようになる。そうしますと日本を含めて世界が石油を
  さらに買いやすくなる、という意味でインパクトは大きいですよねー。

            ◇大下容子 キャスター
  ハイ。        ただ年明けからそのイランとサウジアラビアの対立が・・・

            ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
             そう、どうなることかと思いましたよねぇ。
  非常にこれもまた
  不安ですよね。    ウン。

  で、これそもそもサウジアラビアとイランというのは「イスラム教徒の二大大国」
  なんですけど、サウジアラビアはスンニ派の大国。イランはシーア派の大国って
  よく聞きますよね。「スンニとシーアってどういうことだっけ?」というのはですね
  これは世界史を紐解くことによって見えてくるのではないかってことですね増田さん


 ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
  ハイ。そうです。「シーア派とスンニ派の対立」ってこともありますが、
  『民族』『歴史』、それから『核の問題』まで色々な問題がこの国の間にはあります
  そういった裏事情、それから“因縁のライバル”としての関係を紐解いていこうかな
  と思っております。*ニコニコ*

 

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┣■緊迫の中東情勢


  2016年1月4日
 【イラン・テヘラン
  年明けから中東情勢は“さらなる混乱”へと歩を進めている。


  2016年1月3日
 【サウジアラビア・リヤド】
 ◇アデル・ジュベイル 外相 サウジアラビア
  我が国は「イランとの外交関係の断絶」を発表し、
  48時間以内に大使館と領事館の代表者に国外退去を要求します。

www.bbc.com

 

 ・サウジアラビアはイランとの国交断絶を発表。
  一方、イランもサウジアラビアに対する非難の声を緩めようとはしない。


  2016年1月3日
 【イラン・テヘラン
 ◇アリー・ハーメネイー師 イラン最高指導者
  サウジアラビアの政治家達に神の復讐があることは間違いない。


 ・ペルシャ湾を挟み、向かい合いながら深い亀裂が入っているサウジアラビアとイラン

  なぜ両国の間にこれほどの“深い溝”ができてしまったのか?


 ・事の発端は、
  今月2016年1月2日
 【サウジアラビア・リヤド】
  サウジアラビアで死刑判決を受けていた47人を処刑したこと。

  ◇サウジアラビア 内務省報道官 ※軍服姿
   今朝、我々はテロ行為で有罪判決を受けた47人を処刑しました。


  2016年1月3日
 【イラン・テヘラン
  47人の中にイスラム教シーア派宗教指導者ニムル師が含まれていたため
  同じシーア派国家であるイランが猛反発。

  ◇イラン国民
   神の名のもとに! サウジアラビアに死を! ※大観衆が街頭に集結

  イラン国民の不満が爆発、暴徒となったデモ隊がイランにあるサウジアラビア大使館
  を襲撃した。


  2016年1月3日
 【サウジアラビア・リヤド】
  すぐさま反発し「イランとの国交断絶」を発表することとなった。

  ◇アデル・ジュベイル 外相 サウジアラビア
   イランが我々の安全を脅かすことを許さない。
   我が国や同盟国で“テロ因子”を野放しにはできない。


 ・そして、
  2016年1月4日
 【イラク
  サウジアラビアとイランとの火花は周辺国へと“飛び火”した。

  2016年1月4日
 【バーレーン国営放送】
  新しいニュースです。閣僚理事会はイランとの国交断絶を決定しました。


 ・サウジアラビアに続きバーレーンがイランとの国交断絶を決定。
  さらにスーダンジブチソマリアも追随し、イランと国交断絶することとなった。

  ※大使召還:クウェートカタールアラブ首長国連邦


 ・サウジアラビアとイランの“亀裂”が中東全体に広がり、“一触即発”の状態。
  この緊張は国際社会に何を生むのか ??

  そして背景で複雑に絡み合う『宗教』『民族』『核』の影とは?

 

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┣■サウジ vs イラン“国交断絶”


 ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
  池上さんの話にありましたけれども、この「イランへの経済制裁」が解かれて、
  イランからの原油の輸出が再開されると、今ただでさえ安い原油の価格がどうなるの
  とか、影響大きいですよねー。

 ◇大下容子 キャスター
  そうですねー。イランとサウジアラビアの緊張状態。
  このまま戦争になってしまわないかと不安に感じている方も多いかと思います。


 ◇池上彰 ジャーナリスト
  そういう声も出ていますよね。そこでそもそもですね、このイスラム教の大国2国が
  「同じイスラム教なのになんで対立するの?」ということですよね。
  まっそこには色んな歴史があるのですが、まず、


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  スンニ派の大国               シーア派の大国
 【サウジアラビア】             【イラン】
 ◇サルマン 国王               ◇ハーメネイー師 イラン最高指導者
 ※サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ  ※アリー・ハーメネイー


  今月2016年1月2日
 【サウジアラビア
  47人の死刑執行を発表。(シーア派の聖職者ニムル師を含む。)

  ◇池上彰 ジャーナリスト
   これ公表したのが今月2日ですね。その前日1日が金曜日なんですね。
   サウジアラビアでは毎週金曜日、イスラム教のお祈りの集団礼拝の後、
   広場で公開処刑をする。死刑囚がいた場合ですけど。
   恐らくその公開処刑をした翌日公表したのだろうと見られてますね。

  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   47人の内の43人、これはアルカイダ系のテロリストが死刑になったわけ
   なんですが、残りの4人はシーア派の人だったんです。その内の1人がシーア派
   聖職者で・とても高い位にいらっしゃったニムル師、師という字が付いています
   けれども身分が高い人なんですね。この人が含まれていた。コレが原因になったん
   です。

   で、あのニムル師はサウジの現政権に不満を持つ若者に非常に人気がありまして、
   デモを先導したとして殺されて死刑、ということになった人なんですね。

               ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
                ニムルさんは別にイランの方ではでなくて、
   そうです。ハイ。     サウジアラビアにいるシーア派の偉い方?

   サウジアラビアも一部、シーア派の人達が居る。まっその1人だったということ
   だったんですね。


  今月2016年1月3日
 【イラン】            テヘランに在る
  イランの民衆がデモ → 暴徒化。在イラン・サウジアラビア大使館を襲撃。
                                ※破壊、放火
  同日夜
 【サウジアラビア
  即座にイランとの国交断絶を発表。


  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   この出来事がどういうことを意味するかというと・・・
   VTRにもあったのですが、もう1回ここで説明したいと思います。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  <イランを巡る主な対応>

   国交断絶:サウジアラビアバーレーンスーダンジブチソマリア

   大使召還:クウェートカタールアラブ首長国連邦


  ◇池上彰 ジャーナリスト
   サウジアラビアというのはイスラム教徒にとっての聖地メッカとメディナ
   抱えてますよね。ですからサウジの国王というのは「メッカとメディナを守る人」
   という位置付けで、周辺の国々はサウジアラビアに対する敬意を持っているもの
   ですから、サウジアラビアに追随するっていうことが多いんですね。

                ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
                 「経済力」ということもあるのでしょうけれども、
   そちらの方が大きいという  その「宗教」として重きを置いて・・・
   ことですね。        なるほどぉ。


              ◇大下容子 キャスター
               でも日本から見ますと“同じイスラム国家”なのに
   ハイ。そうですよね。  なぜここまで対立するのかと思ってしまうんですが・・・


  ◇池上彰 ジャーナリスト
   そこでですね、「スンニ派、シーア派の対立」とも言われてますけれども、
   実はここに歴史を振り返ると様々なポイントがあると思うんですね。
   そのポイントを3つにまとめました。

   『宗派』『民族』『核』この3つなんですが、まずは、

 

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┣■サウジ vs イラン “歴史で読み解く”


 ◆宗派
                              シーア・アリー
 『スンニ派』                『シーア派』※アリーの党派
  信者が選んだ人が指導者。          4代目アリーこそが正統な後継者。
  慣習・伝統(スンナ)を重視。         血統を重視。
  イスラム教全体の約85%。         イスラム教全体の約15%。


  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   まず宗派と言いますとキリスト教でも仏教でも色々な宗派がありますよね。
   で、同じようにイスラム教にも宗派があるわけです。大きく分けると
   『スンニ派』『シーア派』ということになります。

   で、この宗派が出来るキッカケとなったのが1300年も前の話で、
   あの一番最初にイスラム教を始めたムハンマドという人の後継者がズッと続いて
   いくんですが、4代目のアリーという人。この人はムハンマドの従兄弟であって
   娘婿でもあったそうなんですが、この人が亡くなった後にどうするかってことで
   こう分かれていくわけですね。で、まず「4代目のアリーこそが正統な後継者だ」
   その血筋を継ぐ人を重視する、ということで「アリーの党派」シーア・アリーと
   言われるんですが、「党派」というのが「シーア」という意味なんです。
   で、ここから『シーア派』というものが生まれます。血統を重視するわけです。
   これがイスラム教全体の15%を占めます。

   一方この後『スンニ派』の方は、「信者達が選んだ人こそが自分達の指導者だ」
   ムハンマドの慣習や伝統、この「伝統」のことを「スンナ」と言います。世界史の
   教科書でも「スンナ」と書かれているのですが、これが報道などでは「スンニ」
   という言葉で使われていて、こちらが『スンニ派』となりました。
   これはイスラム教全体の約85%の人、つまりスンニ派の方が圧倒的に数が多いと
   いうことなんですね。

   『シーア派』の方の大国がまあイランが代表だという話になるわけなんです。


  ◇大下容子 キャスター
   「宗派の違い」が対立を生んだりしていますが、そんなに大きな違いがあるんで
   しょうか? 例えば「教義」などは ??


  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   それはムハンマドの教えを引き継いでいるわけですから、そんなに大きな違いは
   ないんですね。で、例えばどんなところが違うかということで、こちらの写真を
   ご覧頂きたいと思います。


   <オマーンで撮影された写真:巡礼者が立って黙祷している>

   1.跪く前の姿勢。

     『スンニ派』:腕を組んで肘の辺りに手を当てる。
     『シーア派』:手を下げる形。

     と取ってから跪くお祈りへと入っていく。


   2.1日のお祈りの回数が異なる

     『スンニ派』:1日5回。
     『シーア派』:1日3回。


   3.見た目で違う

     基本的にイスラム教というのは「偶像崇拝はいけない」。
     → 【ISISイスラム国が神殿を破壊したりするのもこの理由から。

     『スンニ派』の国では「肖像画」とか「写真」がほとんど無い。
     『シーア派』イランなどではホメイニー師やハメネイ師の大きな肖像画が
           街の至る所に飾られている。様々な肖像画がある。
           ※ルーホッラー・ホメイニー師、アリー・ハーメネイー師

           スンニ派からすると「これは偶像崇拝で許せない」という
           対立になっているという部分がある。

 

  ◇萩谷麻衣子 弁護士
   あのぉ先程ね、スンニ派とシーア派が共同礼拝している写真が写っていました
   けれども、先日新聞でも「中東のスイス」と言われている【オマーン】では
   スンニ派やシーア派が一緒に共同礼拝することが多いと取り上げられていて、
   その理由は【オマーン】というものが宗教に寛容で融和策を採っていることが
   大きく影響していると書いてありました。

   ということを考えると『スンニ派』『シーア派』というのは必ずしも宗教的
   対立を生むことが必然だということではなくて、その国がどういう政策を採って
   いるか、政治方針を採っているかによって、やっぱり宗教的に対立を大きくしたり
   あるいは融和することも出来たりということは“あり得るんじゃないかな”という
   ことは強く感じます。


  ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
   池上さん、そこですよね。あの宗派の対立でさほどのことがないのだとすれば、
   国交断絶するほどの対立を生む背景にはまた別のことが何か?


  ◇池上彰 ジャーナリスト
   ハイ、そういうことですよね。それが2つめに考えるのが『民族』ということ
   なんです。「民族の対立」ということになります。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆民族

 【サウジアラビア】=アラブ人        【イラン】=ペルシャ
  ・アラビア語。               ・ペルシャ語
  ・石油で台頭。               ・ペルシャ帝国の領土
  ・コーランアラビア語。           


  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   民族がそもそも全然違うんですね。
   例えば【サウジアラビア】は、アラビア語を話すアラブ人なんです。
   一方【イラン】の方は、   ペルシャ語を話すペルシャ人なんです。

   サウジアラビアもイランも同じイスラム教を信じるということで同じ中東の国だと
   考える人も多いかと思うのですが、まずそもそもその“ルーツも違う”ということ
   なんですね。ハイ。

   で、じゃあどういう違いがあるかということを、少し詳しく説明していこうかなと
   思います。


   まず『ペルシャ人』の方をご説明しますね。
   こちらはですね、紀元前の500年頃から1000年ぐらいの間、この地域を
   ズッとこう【ペルシャ帝国】って聞いたことおありかと思うのですけど、ズッと
   支配していたその子孫になるわけですね。

https://kotobank.jp/image/dictionary/nipponica/media/81306024010559.jpg

 

   さらにそれを遡りますと、

    「ペルシャ帝国の子孫」

    「アーリア人が祖先」 ※4千年前。

    「イラン=アーリア人の国」という意味を示している。


  ◇池上彰 ジャーナリスト
   イランもそもそもアーリア人の「アーリア」とは「高貴なる者」という意味が
   あってですね、そのアーリア人の国なんだと言ってわざわざ「イラン」という
   名前にした。つまりイランの人達にはですね、アラブ人と一緒にして欲しくない
   というプライドも実は持っているんです。

                  ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
   そういうのもありますね。(笑)  ちょっと“上から目線”なんだ。 なるほど。


  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   ハイ、その通りですね。(笑)

   じゃあ一方このアラブ人【サウジアラビア】を中心とするこちらアラブ人の方は
   どうかと言いますと、アラビア語を話します。またサウジアラビアという国は
   1938年に油田が発見されるんですね。それ以降、石油で台頭してくる。そういう国
   なんです。で、また『コーラン』はアラビア語で書かれています。
   この『コーラン』はアラビア語で書かれていることが絶対とされています。
   ですから言葉としても“優越感”を持っていますし、民族的にも優越感を持って
   いるというのがこのアラブ人の人達なんですね。


  ◇池上彰 ジャーナリスト
   つまりアラブ人にしてみると『コーラン』神から与えられた言葉はアラビア語だぞ
   という、今後はアラブ人はアラブ人で“上から目線”になる。(笑)

              ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
   アラビア語で読まないと イランの方は『コーラン』は何語で読むんでしょうか?
   いけないんですね。   あっそう。ウーン。。。


  ◇大下容子 キャスター
   ということでその、民族の違いと宗派の違いがどう関係しているのでしょうか?


  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   そうですね。じゃあこの宗派がどうやって広がっていったかっていうことを
   地図で説明したいと思います。


   <【オスマン帝国】の領土(16世紀)>
    

http://blog-imgs-65.fc2.com/k/h/1/kh16549/007.jpg

 

   ・【オスマン帝国】という「イスラムの国」が16世紀当時、地中海の周辺から
    ズーッとアラビア半島まで支配していた。そういう時代があった。

    この【オスマン帝国】は『スンニ派』の国だった。

   ・しかし【サファビー朝】今のイランを中心とした地域は
    【オスマン帝国】に侵略されることはなく、独自の王朝を築いていた。

    この王朝の時に『シーア派』を国の宗派にした。
    それ以降、イランはこの『シーア派』が国の宗派ということで今日まで至る。


 Q.同じイスラム教である『スンニ派』と『シーア派』が対立するようになった?

 A.
  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   それはですね、1979年のことです。『イラン・イスラム革命』。
   ホメイニ師という人が革命を起こした。これは凄く有名な話だと思います。
   ※イランの初代最高指導者(1902~1989)

   このホメイニ師が立つことによって「イランの王制が崩壊」します。

   一方【サウジアラビア】を始めとした国々では王様が支配をしている国というのも
   あるわけです。で、ホメイニ師は『シーア派』の革命が成功したことによって
   他の国でも『シーア派』の人達に「革命を起こせ!」という指示をします。

   ということで王制を取っている国は、例え少数であっても『シーア派』の人達が
   革命を起こすのではないか? そんな不安から対立が明確になって激化していく
   という、まあそういう状況があったわけですね。


  ◇大下容子 キャスター
   川村さんは『中東問題』最前線で取材をされてこられましたが、
   今回の「イランとサウジの対立」をどのように見てらっしゃいますか?


  ◇川村晃司 テレビ朝日コメンテーター
   コレはまあ【イラン】からしますとですね、ちょっと専門的になりますけれども
   同じ『シーア派』でもニムル師は【イラン】で行われている『シーア派』ではなく
   てですね、分かれてるんですね。シスタニ派(?)とか、シーア-ジーア派(?)とか

   で、そういう中で今回全員が処刑されたのは「サウジアラビア人」ですね。
   その中でもサウジアラビアワッハーブ派というスンニの中で、きちんと法律で
   死刑執行は首斬り/姦通罪は石打ちって決まってるんですね。で、その中では
   一番最初にこの「首斬り」の死刑執行の場面を【イラン】のWEBサイトに載せた
   んです。そうすると「首斬り」っていうのは【ISISイスラム国の映像とダブル
   わけですよ。

   「【サウジアラビア】も【ISISイスラム国と同じことをやっているのか」と。

   いう中で、やはり緊迫した状況になってきたということなんですけど、ただし
   やっぱり同じイスラム教ですから、国交は断絶してもマホメット
   つまりメッカとかメディナの聖地には入国はできるし、そしてお祈り・巡礼も
   させますよって形で、そこはサウジアラビアもきちんとわきまえているわけなん
   です。それが今度「ダメだ!」ってことになると本当に国交以前の問題に戻って
   きて、対立状況は激しくなる。


  ◇萩谷麻衣子 弁護士
   宗教とね宗派が、民族が違うというのは分かるんですけど、じゃあなんでそれが
   そんなに対立になるのか、必然性が無いような気がするんですけど、1990年代には
   イランとサウジも行き来していたこともあったと思うのに、なんでここにきて
   そんなに対立が激化、前はイランとアメリカの対立構造だったのですけど、
   サウジとイランになったのかってところが・・・
                        ※平和ボケ主義者か?(苦笑)

  ◇川村晃司 テレビ朝日コメンテーター
   それはさっき増田さんがご説明したように、1979年以降の流れの中でですね、今や
   イランとイラクは【イラク】はスンニ派だったのにシーア派になってしまいました
   イラン、イラクレバノン、シリア、そして家(?)の上の方までサウジアラビア
   全部シーア派の地域が囲んでしまうってことでサウジは非常に危険性を持ってきた

   で、なおかつですね、一番問題なのは「コレ誰が仲介するのか?」ということです
   けれども明日2016年1月19日、中国の習近平主席がですね、
   サウジアラビアとイランを訪問するんですね。というのは両国とも
   アジアインフラ投資銀行【AIIB】に入っていますので、
   まあ経済的に仲良くやることがお互いの利益に繋がるのではないかってことで
   私は中国がかなりこれからの仲介のカギを握っているんじゃないかと・・・


  ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
   今、話に出たイラクで言えば、イラククウェートに侵攻した『湾岸戦争』の時は
   イランとサウジアラビアは手を結んでいたわけなんですよね?


  ◇池上彰 ジャーナリスト
   まあ“共通の敵”ということになったわけですが、今はそうじゃない。
   その背景にもう一つあるのがコレですね、『核』キーワードは『核』なわけですが
   ちょっとこちらの写真をご覧下さい。

 

  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆核

  今月2016年1月10日
 【パキスタン
  サウジアラビアムハンマド・ビン・サルマン副皇太子兼国防大臣(35)がわざわざ
  パキスタンを訪れてナワーズ・シャリフ首相(66)と面会した。

 ・これは非常に重大な意味があると言われている。

  【イラン】は『核開発』を「とりあえずは止めるよ」とは言っているが、
  【サウジアラビア】はそれを信じていない。イランが核開発をしていることに
  大変“恐怖心”を持っている。


 ・サウジアラビアパキスタンには“秘密協定”がある。

  【パキスタン】が核開発をした時に【サウジアラビア】は資金援助をした。
  この時に「もし万が一【イラン】が核兵器を持つようなことがあれば、
       【パキスタン】は【サウジアラビア】に核弾頭を引き渡す。」

  という秘密協定をしたと言われている。

  6ヵ国協議で【イラン】は「とりあえず核開発は止める」ことにはなったが
              「完全に止める」という話ではなかった。

    ※2002年『核開発』が発覚 → 欧米と対立

     去年2015年7月   イラン核問題に関する合意
     今年2016年1月16日 イラン制裁解除手続き開始
              「イランが核開発を“制限”したことが確認された」

     【ISISイスラム国への対策として【イラン】に協力を促すために合意した
     と言われている。


  「その気になればイランはまた再開することができるんだ」という風に
  【サウジアラビア】は解釈し、恐れていた。


  【パキスタン】が核弾頭を引き渡せるかの確認をするために今回面会をした
  のではないかと見られている。

 

 ・『中東の核問題』“サウジとイランの思惑”


  ◇池上彰 ジャーナリスト
   今回イランが『核開発』をとりあえず止めるということで『経済制裁』は解除
   されました。しかしこれまでイランは秘密裏に開発をしていた。またやるかも
   しれないってことをサウジアラビア、またはイスラエルも疑心暗鬼になっている
   ということなんですね。


  ◇増田ユリヤ ジャーナリスト
   この二つの大国がこういう状態で対立が続くということになると、今一番心配
   されている【ISISイスラム国のこの問題の解決、これがドンドン先送りになって
   不透明な状況になっていくのがもう免れないんじゃないかっていうのが、そこが
   一番心配だと思いますねぇ。(苦)


  ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
   それだけに川村さんがさっき言われたように、習近平主席が・中国の動きって
   いうのが非常に大きくなりますし、日本もやっぱ何かやって欲しいという気が
   しますよねぇ。


  ◇川村晃司 テレビ朝日コメンテーター
   エェ、まあ日本はイスラエルともサウジとも良い関係にありますんで、その辺は
   やっぱりアメリカが大統領選挙の前までにですね、対イスラエルとの関係もあって
   イスラエルはちょっとアメリカとの関係が冷却化する雰囲気になっていますから、
   そこのところでの話し合いが上手くいくかどうかだと思いますねぇ。


  ◇橋本大二郎 MC 前高知県知事/元NHK職員
   イスラエルとサウジもまたどういう関係になっていくか。色々と絡み合いますね。


  ◇池上彰 ジャーナリスト
   そういうことになりますね。これからね。(悲)

bylines.news.yahoo.co.jp

japanese.irib.ir

 

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・高校の『世界史』授業を受けているかのような内容でしたが(笑)、やはり一流の
  講師が語るとスラスラと頭に入ってきますね。もう授業は放送・動画で十分ですね。
  現場で必要とされるのは体育など身体のケアくらい? あと食事の世話ですか。
  先日「学校教諭を介護士へ」という意見が報道されてましたね。(笑)
  教師の在り方を早急に見直す必要がありそうです。

┣・今の中東問題は王制崩壊を恐れるスンニ派の主要国と、革命・王制崩壊が基礎にある
  シーア派の対立そのものですね。しかしシーア派は指導者としては血筋を重視したり
  しているんですよね。王制と指導者の違いは ?? ちょっと矛盾も感じてしまいます。

┗・このように捉えると『中東問題』と『北朝鮮問題』はよく似てると言えます。
  結局は権力者であろうと民衆であろうと、己の立場が危うくなるのは耐えられないと
  いう、私欲に負けちゃっているんですよね。皆無職になればいいのに。(爆)(^^ゞ