2016/01/19(火)<2016年 減速する中国のジレンマ>
【Newsモーニングサテライト】 http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓特集 <2016年 減速する中国のジレンマ>
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◇吉川健治 みずほ証券 ※中国政治経済の分析が専門
◆中国の『GDP』は恐らく政府が言っているように7%前後。
数字は当てにならない面があるが、今後はむしろ“ミクロ経済”の所の方を
シッカリと見ていかなければならない。
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◆『生産者物価』などはデフレに。
約4年に渡って『PPI』生産者物価指数はデフレ、マイナスになっている。
いよいよその影響が出てきたのが、昨年2015年。中国工業企業の売り上げが
約1%と大きく低下してしまった。(2011年には売上高前年比40%近くあった)
コストも上昇しているため減益に入ってしまい、かなり厳しい状況にある。
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◆今後【製造業】が業界再編となれば、
雇用と含め、今後【サービス業】にも影響が出てくる。
・【サービス業】が維持できているのは【製造業】の雇用と賃金が非常に大きい。
※給与未払いの暴動が起っている。
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<中国2016年経済工作 5大工作>
改革 :過剰設備の解消
改革 :不動産在庫の解消
減税 :企業コストの引き下げ
供給拡大:不足分の補完/金融リスクの防止・解消
・【中国政府】が打つ手としては
「企業コストの引き下げ」→『GDP』の1%くらいは打ってくるのでは?
財政赤字が約3%もしかすると超えるかもしれない
※雇用を維持して貰うため
「供給拡大の不足分の補完」→『インフラ投資』を一定程度やる必要がある。
※ただし過去に行った大規模な4兆円規模ではない
ストック調整、バランスシートの調整をやる段階
大規模にはもうできない。
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◆景気を浮揚させる力というのはもはやない。
景気減速していくそのスピードをブレーキを掛ける程度のものしかないと思われる
※基調は「減速」だと見るべき
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◆『追加緩和』といった金融政策は
『外貨持ち高』が介入などしてドンドン急減している=中銀のベースマネーも減る
流れでは浮揚させる力は弱いものでしかない。
・またバランスシート、レバレッジが掛かりすぎていたものを是正する必要がある
宣言をした。ということで、リーマン・ショック時のような大規模な金融緩和は
できないことになる。
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◆今後は『安定成長』と『構造改革』のバランスをしっかりとやらなければ、
【中国共産党】の一党独裁が出来なくなる。
・基本的には『構造改革』をある程度“緩める”必要がある。
※まだマーケットは中国が減速していくことを十分に織り込んでいない。
まだ「中国政府がなんとかしてくれるだろう」と思っている。
しかしもう政策に手詰まり感があるのは去年2015年の人民元、株価の失態から
見れば明らか。市場もある程度は見えてきているのではないか・・・
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・内容が良かったので別枠にしてみました。端的に今の中国が抱える問題点をよく
掲げられていたと思います。
┣・『法人税の減税』は雇用を維持してもらうための手段ですか。日本にも当てはまる
んでしょうね。一番コストが掛かる・切りやすいのが『雇用』ですからね。
┣・ここで言う“緩やかな”『構造改革』『インフラ投資』というのが
今月号の【ジェトロセンサー】に載ってた「生産型サービス業」の発展・開発
なんでしょうね。なるほど。
┗・そして今、習近平政権は経済に加え、軍事面に於いても難しい舵取りを迫られており
どちらにしろ緩やかに進めていくしかないのでしょうね。となると次期主導者が俄然
注目されますね。今の所『一帯一路』構想の中心地・重慶の幹部が最有力視されて
いるらしいけど。