2016/01/18(月)<中東に潜む原油価格反転の兆し>
【Newsモーニングサテライト】 http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓特集 <中東に潜む原油価格反転の兆し>
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経済制裁が解除される見通しとなったイラン。
原油の輸出が解禁となることで
国際市場に原油がどれだけ出るかに注目が集まっている。
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┣■イランの制裁解除 原油相場は?
◇佐々木明子 MC
先程「今の『原油相場』は『金融相場』なんだ」という話がありました。
「実需」ですとか「ファンダメンタルズ」を見なきゃいけないという中で
『原油価格』は30ドルを割り込む展開です。
『シェールオイル』ですとか「中国の減速懸念」ですとか色々な要因がある中で
一つやっぱり大きいのは、先週『イランの制裁が解除』される見通しになったと。
これはやはり大きいわけですね。需給の面では。
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
そうですね。あのイランはサウジアラビアに次ぐですね、大きな石油の生産国でも
ありますんで、今回やっぱり(イランの)『制裁解除』っていうのはマーケットに
大きなインパクトになるということで思っています。
◇佐々木明子 MC
それは『制裁解除』となりますと、まず最初に着手するのは資産の凍結が?
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
恐らく即日、海外資産がですね、長い間ズッと凍結されてましたんで、
これが解除になって、550億ドル相当。まあ6兆円を超えるような
資金がイランに返却をされるということになりますね。
◇佐々木明子 MC
それからもう一つ、市場が懸念をしているのが、
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
ハイ、『原油の輸出解禁』になるということですね。
◇佐々木明子 MC
これ実際どれくらいの量という風に。そこが今市場の原油価格押し下げの要因にも
なっているんですよねぇ。
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
あのぉ私はですね。
今、市場はイランから相当沢山の原油が早い時期に出てくるってことを
織り込み過ぎているんじゃないかな、ということを懸念してまして、
あのまあイランのザンギャネ石油相はですね、制裁解除から数週間以内に
約50万バレル/日量ですね。それから半年後に+50万バレルということで
結構速いペースで100万バレル増産して売ることができると言っているんですけど
実は私4月にイランに行って来まして、向こうの関係者と色々話をしてきました
けれども、設備が相当老朽化してますね。ですからこれ海外から投資資金が入って
来ないとなかなかこれすぐに対応は出来ないということが考えられますんで、
あの恐らくそれほど(原油は)出て来ないのではないかという風に考えてます。
◇佐々木明子 MC
となると市場は「今、出てくる」と思っているので、
もしかしてその事実が見えてきた時には“原油価格反転”という局面も
ありそうですか?
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
そうですね、あの恐らくそれは織り込んで相当下げてますんで、
そこでもう一回見直してですね、反転する兆しが出る可能性があるということですね
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┗■市場が見過ごすサウジ・リスク
◇佐々木明子 MC
ただ一方のサウジアラビア。実は今日のトピックス、ここが結構重要なんです
けれども、やはり財政赤字が拡大する中で「原油安」で。あのぉサウジとしても
イランがまた市場に戻ってくると、それにアメリカとの関係もあって
「今、面白くない」状況ですね。(苦笑) どんな様子ですか?
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
やっぱり米国と同盟関係にあった国ですから、まあ何と言っても
【OPEC】の盟主ということで原油市場に非常に大きな影響を持っていると。
今回のやっぱり動きっていうのは「あまり面白くない」という風に見ているわけ
ですね。
<サウジアラビアのリスク>
『揺らぐ政治体制』
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
私はですね“サウジの政治体制”っていうのがリスクだという風に考えて
おりまして、それをマーケットが“過小評価”しているのではないかという
懸念を持っております。
あのサウジはですね、ちょうど今から1年ほど前に
前国王アブドラ国王が亡くなってですね、サルマン国王の体制に移行致しました。
サルマン国王はですね、自分の甥をですね、王子に指名をしまして、それから
自分の息子さんですね、若干30歳の非常に若いムハンマド・ビン・サルマンを
副皇太子に任命したと。同時にですね、このムハンマド副皇太子に
【国防】【経済】【財務】それから【国営石油会社】の社長という
非常に重要なポストを彼に与えたわけですね。
※このムハンマド・ビン・サルマン(30)副皇太子が、
年明けに米国の反対を押し切って、国王を説得して
シーア派の聖職者を死刑執行を断行した。→ イランとの国交断絶へと繋がった
※さらに「イエメンへの軍事介入」。
原油価格が下がっている中で、財政が非常に厳しいという中で
国防費を相当増やしながらイエメンに軍事介入していると。
それがまあ“泥沼化”してるってことですね。 → さらなる財政悪化
※財政が悪化したことで「補助金削減など財政緊縮」を行っている。
サウジアラビアは非常にフリー。色んな物がタダだったんですけれども
ガソリンでありますとか、水でありますとか、そういう補助金をカット
すると。それからですね、VATですね付加価値税なんかの導入なども
議論してまして、相当王族とか国民に厳しい対応を国王が強いていると
いうことですね。
“国民からの不満が高まっている”。
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
これだけ国民にですね、厳しい対応を強いてながら自分達はですね贅沢な生活を
キープしてるんですね。ここら辺のことがですね、国内の不満に繋がってくると。
そうすると、あのサウジっていうのは王位の継承権がある王子様っていうのが
大体1千人ぐらいいると言われてまして、沢山居るんですよ。
前国王の時は『合議制』で以て色んなことを決めてきたんですけれども、
ここにきて若い副皇太子に色々急進的なことをやらしていると。
こういうことが不満に繋がっていくことだと思いますね。
◇佐々木明子 MC
となるとそういう政治の体制が変わったことによって不安化するリスク。
それによって例えばですね、想像するのは“アラブの春”といったような
大きなまたダイナミックな変化ですとか、それに伴う、例えば“テロの脅威”
の拡大ですとか、そういったところは今なかなかマーケットは見ない?
◇高井裕之 住友商事グローバルリサーチ ※資源・金融市場に精通
そうですね。今ちょっとマネーゲーム化してる原油のマーケットがありますので、
提喩でこういうことが起きていることを認識することが非常に重要だと思いますね
◇佐々木明子 MC
サウジアラビアの体制の変化による政治のリスクというものを
今、実は認識しなければいけないということですね。
ありがとうございました。<(_ _)>
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・ここにきて次々と明るみに出てくるサウジアラビアの内情。
先日【モーニングcross】でもかなり際どい話をされていましたよね。
なんでしょう。原油取引の最大相手国なので「黙して語らず」姿勢だったのかな
日本政府の方針としては。前に池上彰が番組内でサウジアラビア国内のモスクに
やっとこさ取材が出来るんだと話してましたが、ようやく納得できた気がします。
┗・こりゃダメでしょう>サウジ。となるとその周辺国も少なからずダメージを受ける
ことになりますね。サウジが盟主の軍事同盟とやらも形骸化したもののようだし、
内紛でポアされることが一番世の中丸く収まるんでしょうけどね。(爆) ふーん。
ここ暫く「中東:アラブ=ペルシャ:アラブ」の話が続きそうですね。勉強*2。