2016/02/19(金)<「貧困を追う」子供達の現実>
【報道STATION】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓特集 <「貧困を追う」子供達の現実>
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安倍晋三総理大臣は「子供の貧困」の深刻な度合いに関して、
「かつて日本は『絶対的貧困』だった」という表現をされることがある。
「いまの日本は『相対的貧困』である」
この違いをわきまえないと今の貧困が一見「表に見えづらいからだ」という。
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┣■「貧困を追う」子供達の現実
【さいたま市内】
市の委託を受けたNPOが運営する・無料の
『学習支援教室』
・授業や受験勉強で分からないことをボランティアの大学生に聞いたりして勉強する。
・ここを利用しているのは『生活保護』や『児童扶養手当』を受ける世帯の
中学生や高校生だという。
◇横田藍 統括責任者 NPOさいたまユースサポートネット 学習支援教室
「もう今のままでいい-」とか、
なかなか目標が持てないような子達が多いと思うので、
そういう子達にとっての“励まし”であったりとか“視野を広げ”たり
将来を考えるキッカケになっていけるといいのかなと、考えております。
◇中学3年生 15歳の男子
この教室に通うようになって成績も上がり、希望する高校に合格した。
お金の問題とかで塾に行けないのもありますし、
家と違って“リラックスできる”感じもある場所なので- ※笑顔が絶えなかった
・アパートで母と妹との3人暮らし。
母(36)はパニック障害に伴う「抑うつ症状」で働けなくなり
1月20万円ほどの『生活保護』を受けている。
◇中学3年生 15歳の男子の母親(36)
(症状が出ると)家から出なくなったりとか、
子供達がいるから家事もやんなきゃいけないしと思うけど
そう思うと余計に、こう、動けなくなる・・・
・大学か専門学校で絵を学びたい-
でも家計への負担増を考えると、その夢を追いかけるべきか躊躇う自分もいる-
◇中学3年生 15歳の男子
将来自分がどこまで稼げるか分からないし、
働けるようになったら(母に)仕送りとか、
なんか自分にできることはやってあげたいなって。
◇中学3年生 15歳の男子の母親(36)
(私は親に)小さい頃から「大学に行かせられないよ」って言われてきたので
(息子に)連鎖はして欲しくないですねぇ。
まあ「家の事情」で行きたい進路も諦めなきゃいけないっていうのは
ちょっと可哀想かなと思います。
※母子で仲良くバトミントンをしていた。
親子仲は全然悪くはなさそう。
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◆部屋で一人、母親を待つ小学生
・母親の帰りが夜8時を過ぎる日も少なくない-
◇母親 ◇小学生の息子
「ただいまー」 ・・・ (返事無し) ※テレビカメラを意識した?
・家賃3万円の市営住宅で兄と3人暮らし。
母親は地方都市で正社員として働くが、給料の手取りは18万円ほど。
元夫は「養育費」を払ってくれない-
・ご飯は「1日2合」。作れるおかずは限られ、栄養も偏りがち-
◇母親
もちろんお菓子はほとんど買えないのでー、
子供達が我慢することが増えてしまうので、そこが辛いですねぇ。。。うん。
※食べ終えると食器は自分へ台所へ
・中学生の兄が起こした“ある出来事”
◇母親
文房具とあとお菓子を「万引き」してしまったことがあって、
筆箱とかもずっと買って上げられなかったですし、
消しゴムも一つあれば十分でしょと思っていたところが、
周りの子達はやっぱりちょっと違っていたりとか、
多分我慢していたものが何かのキッカケで「万引き」してしまったと思うので-
・一家に“追い打ち”を掛けるのが、給食の無い『夏休み』。
見かねた学校側の計らいで『フードバンク』という支援を受けた。
企業などから寄付された食品を
NPOが無償で提供する活動。
同じ小学校では「15世帯」ほどが『フードバンク』を希望したという。
ただ、この支援は定期的なものではない。
◇母親
本当に1ヵ月の給料(18万円)で生活するのが一杯なので、
子供のこれからというか、すごく不安です。
想像できないというかお金の面に関して「これ以上どこから出せばいいんだろう」
っていうのはありますね。
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┗■「子供の貧困」“6人の1人”の現実
◇古舘伊知郎 MC
阿部先生、やはり『母子世帯』のこういう『相対的な貧困』後ほど伺いますけれども
その“苦しみ”というのは相当な割合ですか?
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
そうですね。『母子世帯』の貧困率は50%を超えますので、
(『母子世帯』の)約2世帯に1世帯が“貧困”という状況になります。
ただ、貧困の子供全体の中で『1人親世帯』がどれくらいかと言いますと3割程度
ですので、残りの7割は普通の『2人親世帯』のご家庭で、でもやはり親御さんの
お給料が低くて“貧困”状態にあるといったところがあります。
弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書)
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◇古舘伊知郎 MC
この頃は貧困でも「見えづらい部分がある」ってことに繋がるとは思うんですけど
Q.かつては『絶対的貧困』であった。そして今は『相対的貧困』。
この二つだっていう違いを分かりやすくお伺いできますか?
A.
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
ハイ。
『絶対的貧困』というのは、
もう本当に「食べる物が無くて飢え死にしそうです」とか、
家が無くて「ホームレス」状態ですとか、いったようなことを指します。
『相対的貧困』は、
その「社会の中で当たり前とされているようなことができない」と。
「当たり前とされているような生活ができない」。
例えば、
子供であれば学校に行く前に「朝ご飯」を食べるのは当たり前ですけれども
それを食べることができない。また小学校であれば体操着を買いますし、
上履きも買います。別に靴が無くて裸足ってわけではないですけれども
新しい上履きはもう何年間も買えなくて、足が大きくなったので後ろを潰して
履いている。そういうのが今の『相対的な貧困』なんですね。
なので、イメージとしては「難民のお子さん」ですとか、そういったものの
状況を想定してると、なかなか『貧困』っていうのは見えづらいかもしれません。
◇古舘伊知郎 MC
そうですね。
『絶対的貧困』は、着られない・食べられないってことで見えたかもしれないけど
『相対的貧困』っていうのは“紛れる”っていうことが非常によく分かります。
で、あの例えば私が、ついこないだ【西日本新聞】九州のね、見ていましたら、
その『子供の貧困』っていう特集がありまして、例えば今のお話で思い出しました
けど、「修学旅行」には女のお子さんをお母さんは行かせられる。だけど結果
女の子は行かなかった。なぜか? 母は語る
「新しい綺麗な下着とパジャマを持たせてあげられない」
これで止めたんだと。じゃこれを「行けよ」って言えるかという話だと思うんです
けどねぇ。
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
今はやはり“思いはぐれてない”下着を着るのが当たり前。もしそれが無かったら
やはり子供は「恥ずかしい」と思いますし、「人に見せたくない」って言って
何度も何度も隠そう・隠そうとするんですね。
その子供が家の状況を分かって欲しくないってことで・隠そうとすることで
益々見えなくなってしまうっていう状況があります。
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<貧困率の変化>
男性 女性
1985年 2012年 1985年 2012年
0- 4歳 約10% 約15% 約10% 約15%
5- 9歳 約12% 約15% 約11% 約15%
10-14歳 約12% 約17% 約11% 約18%
15-19歳 約13% 約18% 約11% 約19%
20-24歳 約10% 約22% 約 9% 約20%
25-29歳 約 8% 約13% 約 8% 約13%
30-34歳 約 8% 約12% 約10% 約12%
35-39歳 約 9% 約12% 約11% 約15%
40-44歳 約 8% 約13% 約10% 約16%
45-49歳 約 9% 約13% 約10% 約15%
50-54歳 約 9% 約11% 約11% 約14%
55-59歳 約10% 約13% 約15% 約13%
60-64歳 約15% 約16% 約18% 約18%
65-69歳 約17% 約13% 約25% 約17%
70-74歳 約23% 約15% 約27% 約23%
75-79歳 約26% 約16% 約24% 約25%
80歳以上 約21% 約17% 約21% 約24%
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
この「1985年から2012年」に掛けて、
男性の方を見ますと、やはり一番貧困率が高いのは「10歳-24歳」なんですね
高齢者ではないんですよ。なので、一番若い層がこの様々な社会の歪みを
受けてしまっているという状況です。
その他若い「10歳-14歳」「15-19歳」といった所が
グッと山となって高くなっていて、代わりに
高齢者の方は徐々に*2『公的年金』のおかげで貧困率が下がってきている
といった状況です。
◇古舘伊知郎 MC
高齢者にも色々問題はありますけれども、
圧倒的に2012年の方は若い方にその貧困率の上昇が見える。
これは女性も全く同じですか? 全くというか似てますか ??
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
女性も「若い方が高くなる」っていうのは同じなんですけれども、
女性の場合はまだ『公的年金』が十分と言えない状況がありますので
高齢者の方は下がってきてはいません。
◇古舘伊知郎 MC
ハイ。 ハハァ(女性の高齢者に関しては)1985年と2012年はほぼ同じなんですね
「5年ほど後ろになった」というだけですね。
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◇古舘伊知郎 MC
やはり阿部先生。「対策・政策」というものがあっても、
お母さんが働いていらっしゃる方のお給料でも、生活保護世帯であっても
非常に「対策・政策」が徹底されていない。まだ進んでいないって問題点が
あるんでしょうか?
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
そうですね。あの根本的な問題として、例えば先程VTRに出たような
『フードバンク』さんですとか、学習支援というような、支援というものは
少しずつ始まってきているのは確かです。
ですがこれは例えて言えば
「怪我をしている時に血が出ている所にとりあえずバンドエイドを貼っておこう」
ってくらいの効果しかないわけで、でもそれよりもやはり一番大きな
「なぜ、出血しているのか?」っていう「骨が折れてるのか?」そういった所の
治療っていうのが何もなされていないっていう状況です。
◇古舘伊知郎 MC
もっとやっぱり「再分配」のことも含めてキッチリやらないと、
補充をしていかないと「『貧困』っていうのは連鎖する」と言いますよね?
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
そうですね。これは驚くことでも何でもなくてですね、今のご時世では本当に
子供の学力は親の所得にキレイに比例しますし、あの大学に行こうと思えば、
先程のVTRにもありましたように沢山のコストが掛かります。
日本は「自費負担が非常に多い国」なんですね、先進諸国の中では。
ですのでやはり「経済的に豊かでないと学力を付けることもできない」し、
学力を高めることもできない、といった状況がありますので、当然ですけれども
「貧困は連鎖」します。ウン。
◇古舘伊知郎 MC
あのぉ雑誌【AERA】の阿部先生の4頁ブチ抜きの特集を見て、私はハッと
思ったんですけど、最後の方でしたけど、やっぱりあの例えば、
ヨーロッパでは「格差」はもちろんあるけれども、裕福な成功した人が自分が
ズーッと優遇されてきて今の成功があるってことをシッカリと自覚している。
日本はフェアな状態の中で自分は頑張って出世したと思っている。
「フェアな社会」だと思うのは違う!とハッキリ指摘されている所でハッときた
所があるんですが、これもうちょっと詳しく・・・
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
そうですね。日本はズーッと『総中流社会』だという風に信じ込んできました。
ただデータは違うってことを物語っているんですけれども、でもその
『総中流神話』っていうのは非常に根強く残っていて、また『受験戦争』なども
ありますので、皆「自分は頑張ってきたから高い学歴が付いてるんだ」。
恐らく皆さん頑張ってはいるんでしょうけれども、
“ベース”が全く違う人達が一杯いるってことを気付かずに、
「自分は頑張ったからこの高い学歴の大学卒になったんだ」と信じ込んでいる所が
ありますので、
逆に自分と同じような地位を築けない人達に対する目が“非常に厳しく”
「彼らは怠けてきたんだろう」「自己責任だろう」という風に片付けてしまう所が
あると思います。
◇古舘伊知郎 MC
そこはもっと自覚的にならなくてはダメですね。
「ステージがあったんだ」っていう前提ですよね。
◇阿部彩 教授 首都大学東京 ※長きに渡り『貧困問題』を研究
そうですね。それをあたかも無くてフェアな所で自分は競争に勝ち抜いてきたんだ
と思うっていうのは、それはやはり非常に大きな“欺瞞”だという風に思います。
◇古舘伊知郎 MC
ハイ。 “欺瞞”ですか。
ハイ。その問題点の数ポイントを今日伺うことができたと思います。
ありがとうございます。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・まあ拝聴した限り、ご指摘は理想的であるわけですが『性善説』や『一日一善』的な
“善の行い”ありきの訴えであり、対策・政策案ですよね? 最初の方で指摘された
「なぜ貧困家庭になったのか?」という根源を残したままで対処をし続けているだけ
に私など映るんですよね。『貧困家庭』で己の立場を維持してるんじゃないのって?
その最たるものが私が小学生の頃から延々と続いている
日テレ【24時間テレビ愛は地球を救う】だったりするわけですが・・・ *ケッ*
┣・『総中流社会』だと思わされてきた私ら四十世代でも、学生の頃には貧乏な家庭って
存在したけど、私は地方都市だったけど大抵は「自営業などで事業が失敗した」とか
死別して本当に身寄りのいない「片親世帯」くらいでしたけどね。前者は起業意欲が
高い親の元で転校三昧だったし(ラーメン屋を半年足らずで閉店してしまった・・・ )
片親世帯には自治体から「手当」は支給されていたわけで、貧困家庭の絶対数が低い
状況ではあったと思うんですよ。
┣・ところが今は「3世帯に1世帯」の割合で離婚するのが当たり前。中には結婚せずに
子種だけ買い取って子供を生む世帯も登場してきたわけで、支援する側も状況の変化
に面食らっているのが実状だと思うのです。簡単に離婚するなら子供を作るなよ!と
彼らを犬猫ペットと同じ考え方をしてしまう自分が間違っているのでしょうか ??
┣・私が独身を貫いているのは、結婚した際に相手側の親類縁者が増える煩わしさと、
早くに父親を亡くして『母子家庭』の母親の負担の大きさを痛感しているからです。
早逝した父の遺伝子を半分受け継いでいるわけで、今の社会保障では安心して家族を
残せていけないという余計な考えが頭を離れずにいます。
┣・また長くなったよ。(苦) 簡単に言えば『社会保障制度』の見直し・再構築ですね。
「国民総積立制度」でいいんじゃないかと思うんです。『公的年金』がありますが
これにイベント毎の「積立金」を課すんです。
「結婚積立金」:離婚した際に備えて。結婚時に「200万円」必ず積み立てる。
毎月給与から数%積み立てさせる。企業 or 国が半額負担する。
子供が生まれたら自動的に出産積立金が企業・国から補填される。
離婚の際には必ず家庭裁判所へ出廷し、その原因・今後を加味して
積み立てた金額を割り振る。
こんな感じで金を必ず出させる。そしてそれでも足りない世帯には『生活保護』など
『児童手当』などでフォローすればいい。
┣・学習支援NPOだなんて贅沢な話ですよ。主催者側の都合から都市部の子供達しか
受けられないだろ? 過疎で荒んだ家庭は「そりゃフォローしようがない」とでも
言って見捨てていると同じじゃない?(公平性に欠ける。都市居住が偏重する。)
┗・本当に改善したいのであれば、国やメディアを動かして声高に拳を上げるしかない
んじゃないでしょうか? そして安易に貧困に陥ったと思われる家庭・親には罵倒
して、次に繋げないようにしなければダメだと私は考えます。根を断つとは焼き払う
くらいの覚悟がないといけないだろ? 草刈りとか腰を屈めてやったことある ??
「そうですね」とか“性善”ぶって語っているのもムカつく話だと思うんだけど?