白狸の考現家 +TV・RADIO +shikohin

幅広・デカイです。パソコン・タブレットでの閲覧を推奨します。

どう変わる? 労働者派遣法 改正

2015/06/23(火)<どう変わる? 労働者派遣法 改正>
【シブ5時】 http://www4.nhk.or.jp/shibu5/


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏┓みんなの大問題 <どう変わる? 労働者派遣法 改正>
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 2015年6月19日
 【国会】に於いて、

 ◆派遣労働者の働き方を定める
  『労働者派遣法の改正案』が審議されている。

 ・この法は、日本人のこれからの「働き方」を
  大きく“左右する”ものだとして注目されている。


 Q.『労働者派遣法の改正案』知ってますか?

 A.
  ・20代女性 2人組
   派遣法? 知らな~い。(苦笑)

  ・40代女性
   改正があるのは聞いてますけど、何も内容を知らないです。

  ・40代男性
   知らないですね。(本当ですか?)はい。


  当番組アンケートで、65%の方が「知らない」と回答した。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆専門家の間でも、意見が“真っ二つ”に割れている!

 <賛成派>

 ・優良な派遣会社が増えて、その結果「正社員との格差が縮まる」ですとか
  あるいは「派遣社員のキャリアアップが図られる」と。

 <反対派>

 ・やっぱり“不安定”な派遣労働者を“拡大”して、
  特に若い人たちが「正社員として就職する機会を奪ってしまう」ような法案だと。


  意見はまるで正反対。どっちが正しいの ??


  派遣労働はどう変わるのか。その真相に詳しく迫るっ!

 

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣■『労働者派遣法』改正

 先週2015年6月19日(金)
 【衆議院本会議】
 ◆『労働者派遣法』の改正案が審議を通過した。


 Q.日本人の全体の働き方に大きな影響を与えると言われているが、なぜ?

 A.
  ◇安達宜正 解説委員 ※永田町取材歴20年 “居酒屋”取材も得意

  ・そうですね、そういうことなんですね。日本の雇用形態っていうのは
   『正社員』中心。『派遣』についても臨時的・一時的なものとなっていた。
   これが大きく変わる可能性があるというのが、今度の法案なんですね。

 

  法改正後、
  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  推進派の主張   ※政府や企業
 <派遣は良くなる!>

  ◇派遣社員Aさん(女性)
   もっと給料が上がったり、正社員になれたりしないのかなぁ。

  ・もっと“キャリアアップしたい”夢が叶うかもしれない。


  ◆スキルアップ支援の“義務化”

   【派遣会社】が
    ・計画的な「教育訓練」や
     キャリアアップのための「アドバイス」をしてくれる。
     → 自信が付き、希望が広がる。

   さらに、
   【派遣会社】は                  ・・
    ・同じ職場で3年働き続けた派遣社員の「雇用安定の義務」が発生。

     → 1.直接雇用を依頼 ※【派遣会社】が【派遣先の会社】に依頼。
       2.派遣会社の正社員として採用する。
       3.新しい派遣先を紹介


  ◇阿部正浩 教授 中央大学経済学部 ※国の労働審議会で派遣法の改正を披露
  ・派遣会社に「一生派遣」と言われているような問題も、
   正社員になりたい人はキャリアアップできるし、
   派遣社員のままキャリアアップしたい人はそれをお助けする形で派遣会社がやる
   でしょうから、そういった問題も少しずつはなくなっていくだろうと思いますね。


  ・「頑張れば」スキルアップできる。

  ◇安達宜正 解説委員 ※永田町取材歴20年 “居酒屋”取材も得意

  ・『労働者派遣法』の改正っていうのは【経済界】が強い要望があるんですね。
   安倍政権成長戦略「世界で最も企業が活躍しやすい国」がキャッチフレーズに
   なってますね。

  ・企業にとってみればこれまでの正社員に拘らずに「多様な職種」を採用できるわけ
   ですからね。それによって企業の“活力は増す”っていうことになりますね。

  ・一方で派遣労働者にとっても「派遣労働者でいたい人」と「正社員になりたい人」
   【厚生労働省】の調査だと大体“半分半分”なんですね。
   派遣労働者のまま働きたいって人に対しては、職業訓練制度を課したことによって
   キャリアアップができて、また次のステップアップができると。

  ・また一方で正社員になりたい人については、雇用安定措置があって
   正社員の道も開けるというわけですね。

  ・これに加えてもう1つ。今まで【派遣会社】というのは『許可制』と『届け出』の
   二本柱であったが、これを「派遣会社は全て国の許可制に」一本化させることで、
   しっかりケアできる派遣会社だけを生き残らせるというのが【政府】の狙い。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  反対派の主張   
 <派遣は厳しくなる!>

  ◇派遣社員Aさん(女性)
   職場である異変に気づく。あの席にいた派遣のBさん、別の人に代わっている。

  ・法律改正後、職場では次第に派遣社員が目立つようになった。


   従 来:派遣社員を使える期間(最長3年)が満期を迎えると、
       しばらくの間、
       派遣社員を使えない期間(3ヵ月以上)が設けられ、これを消化後に
       派遣社員を使える期間(最長3年)を新たに活用できる。

   改正案:派遣社員を使える期間(最長3年)が満期を迎えても、
       労働組合などに意見を聞けば、
       派遣社員を使い続ける(最長3年)ことが可能になった。


  ・今後は退職や異動した正社員の席を派遣社員で埋めれば、
   職場は“派遣社員だらけ”になる可能性がある。

  ◇派遣社員Aさん(女性)
   職場に派遣ばっかり増えて、私、正社員になれないのかなぁ。。。


  ◇関根秀一郎 書記長 派遣ユニオン
  ・派遣労働者は「3年ごとに切り捨てられる」非常に不安定な雇用のまま
   派遣というものが“大幅に拡大”されてしまう点が最大の問題だろうと。
   特に若い人たちが正社員として就職する機会を奪ってしまうような法案
   だという点から、私たちは反対をしています。

 

  ◆やはり“不安定さ”は気になるところ。
   雇用安定策はどうなっているのか !?

  ◇安達宜正 解説委員 ※永田町取材歴20年 “居酒屋”取材も得意

  ・3つある「雇用安定措置」が全く機能しないのではないか?というのが
   反対する派遣労働組合側の意見。

   ・同じ職場で3年働き続けた派遣社員の「雇用安定の義務」が発生。

    1.直接雇用を依頼 ※【派遣会社】が【派遣先の会社】に依頼。
      → 依頼するだけで、派遣する先が採用する“義務はない”。

    2.派遣会社の正社員として採用する。
      → 派遣会社の負担が増す。採用することに慎重になるのでは?
       (社会保険料、派遣先から雇い止めされた場合の賃金の補填 etc.)

    3.新しい派遣先を紹介
      → 今までと同じ。
       「新しい派遣先は合理的なやり方で紹介する」というが
        どこが合理的なのか曖昧。派遣社員としては心配になってしまう。

  ・派遣社員が増えるだけではないのか?

   <ドイツでは>
    2003年 派遣期間の上限撤廃
    2008年 派遣労働者が2.4倍に増加した。
    2011年 上限を設けて、再び規制強化の流れへ。

 

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣■「次の派遣先はあるのか?」
  専門業務・中高年の不安


 ◆専門26業務   ※派遣労働者の4割を占めている

  01)ソフトウェア開発
  02)機械設計
  03)放送機器の操作
  04)放送番組の演出
  05)事務用機器の操作
  06)通訳・翻訳・速記
  07)秘書
  08)文書のファイリング
  09)市場の調査や分析
  10)財務処理
  11)貿易など取引文書の作成
  12)デモンストレーション
  13)添乗員など
  14)建築物の清掃
  15)建築設備の運転・点検・整備
  16)案内・受付係や駐車場管理等
  17)研究開発
  18)事業の実施体制等の企画・立案
  19)書籍等の制作・編集
  20)広告デザイン
  21)インテリアコーディネーター
  22)アナウンサー
  23)OA機器を扱うためのインストラクション
  24)コールセンターのオペレーター
  25)保険などの外交員
  26)放送番組の大道具・小道具


  <派遣期間>

   従 来:一般業務と異なり、専門26業務は「期間の制限なし」。

   改正案:専門26業務も一般業務と同じく、全ての業務が
       派遣社員を使える期間(最長3年)までとする。


  ・法改正によって「職を失うのでは?」と、動揺が広がっている。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  ◇コールセンターのオペレーターとして働く派遣社員Cさん(女性)
   年金生活の母親と2人暮らし。月の収入は2人合わせて22万円前後。

   「年々苦しくなってます。
    年とともに、派遣の職場が変わる度に、時給も低くなってきたので
    もう今がギリギリです。」


  ・Cさんは国立大学の法学部で学び、修士号まで取った。
   しかし新卒で入った会社で月100時間の残業を強いられ、身体を壊し退職した。

   その後派遣会社に登録し、現在はコールセンターのオペレーターとして
   ようやく安定して働けるようになった。

   「仕事内容はクレーム対応があったりしてキツイんですけれども、
    ずっと居られるような職場だったので、今の職場が中高年にとって“最後の砦”
    のような、そういった職場だったのですけれども・・・ 」

   そんなCさんは、今回の法改正を不安に感じている。


  ・【派遣会社】の担当者にメールで質問すると、

   「もし(法案が)成立したら、
    今の職場には3年以上居られないことになりますか?」

   → 「そうですね、成立したら3年以上は居られないことになります」との回答。


   改正案では【派遣会社】が3つの方法で「雇用の安定に努める」と定めているが
   巧くいくのかCさんは不安に感じている。

   「今の職場で3年経った時に、
    派遣会社か派遣先が『正社員』にしてくれるか分からないし、
    もしも3年で契約終了になった場合、
    その先すぐに新たな派遣先が見つかるかどうか分からないです。

    今同じ職場に居る人たち、私も含めてなんですが
    「どうなるんだろう」って本当、不安です。」


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  ◇阿部正浩 教授 中央大学経済学部 ※国の労働審議会で派遣法の改正を披露
  ・解決策はですね、こういうとアレなんですけど、
   本人がどれだけ新しい仕事に就ける能力だとか、努力をしていくかでしょうね。

  ・そういうのをですね、どうやって、なんというのですかね、
   個人がトレーニング費用だとか、能力を開発するために使ったお金だとかを
   例えば「税制」だとか「補助金」そういったところで、
   “個人のバックアップ”を社会ができるかが大事だと思いますね。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  ◇松尾剛キャスター
  ・VTRの女性みたいに一生懸命に頑張って、その学歴を付けて社会に出ても
   巧くいかなくて、ずっと派遣になってしまうということもあるわけですから
   やっぱり不安はあるでしょうね。う~ん。。。

  ◇寺門亜衣子キャスター
  ・そもそも派遣期間を「3年で区切ろう」としている法案の意図っていうのは
   何なんでしょうか?

  ◇安達宜正 解説委員 ※永田町取材歴20年 “居酒屋”取材も得意
  ・だからね“逆の見方”をすればですね、今まで専門職の人たちは、
   「一生派遣のまま」であったんでないかというね。臨時的でも一時的でもないと。
   それをちゃんと改善して「3年経ったら正社員の道も開ける」ようになるんじゃ
   ないか。そのために「国もバックアップしますよ」っていうのが今度の改正。
   それが国の言い分ですよね。

  ・ただまたその一方でねぇ、あの今、阿部先生が仰っていたようにね、
   “本人次第”なところがあるんですよねぇ。本人が力のある・キャリアのある人
   にとっては、正社員の道は開ける可能性があるということですよね。

  ・ただね、あともう1つ僕思うんですけどね。これ景気とかにもかなり左右される
   んじゃないかと思うんですよね。

   <派遣社員の雇用は安定する?>

    好景気 → 給料アップ 採用数増  ※企業もいい人材を採りたい。
    不景気 → 雇い止め増加


  ◇寺門亜衣子キャスター
  ・そうしますと、法改正が派遣労働者の方にとって、良いものか/悪いものか
   ってことは、今の時点では分からないってことなんですかね?

  ◇臥雲義尚 解説委員 政治部デスク ※NEWS WEB編責を担当
  ・派遣労働は元々は“例外的”に認められた働き方だったわけですが、
   経済のグローバル化、世界規模の企業間競争というものが避けられない限り、
   『派遣』を始め『非正規雇用』が日本の社会で大きな割合を占めるということは
   やはり可能性は高いと思いますね。

  ・そこで重要なのは先週も触れたことなんですけれども“均等待遇”つまり
   働き方に関わらず「同じ仕事であれば同じ賃金を得られる」というようにすること
   だと思います。で、どうすれば日本のその雇用の仕組みを維持しながら、
   「均衡に留まらず、均等を実現することができるのか」ということが
   正論し、早急に知恵を絞って何とか実現してもらいたいことです。

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・私は長らく非正規雇用を勤めていましたが、半年ごとの更新で10年超え
  そういう面ではすごく良心的な企業だったので正社員の道も開いてくれて
  いたのですが、全くといってよいほど希望しなかった側の人間です。同じ
  条件の輩ではやはり正社員希望者は“半々くらい”の割合でしたね。

┣・だってさ、とても巧く機能している会社に思えなかったんだもの。事故を
  多発させる流れで平然としてるんだから。(誰も責任を負いたくない)
  そんな*ドンブラコ*泥船のような会社でも“無期限”の職を希望する者も
  いるわけで、確かにアチラを立てればコチラが立たずな面はあると思う。

┣・結局は欧米流の“均等待遇”にするしかないと、私も考えるのだけれども
  賃金の増加は「正社員の抑制」に繋がるとして正社員側の労働組合は反対。
  同じ職場で働く派遣・非正規と意見が異なるという始末。だったらもっと
  給与分働けよと、正社員を虐めていたのはこの私です。(爆)(笑)

  まっ今や完全無職な状態ですからね。どっちでもいいんだけどさ。(苦笑)

┗・安達宜正 解説委員の口調すごいね。本当に居酒屋での会話みたいな語りで
  NHKらしくなくて“破壊王”っぽくっていいと思います。(大笑)