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【中国】映画ビジネスの光と影

2016/08/11(木)<【中国】映画ビジネスの光と影>
ワールドビジネスサテライト】 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/

www.tv-tokyo.co.jp


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓追跡!  <【中国】映画ビジネスの光と影>
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  ◇大江麻理子 MC
   突然ですが『映画大国』として思い浮かぶのは・・・ どこですか?

  ◇大浜平太郎 SC
  【アメリカ】ですよねぇ。【ハリウッド】もあるし、やっぱり。エェ・・・

  ◇大江麻理子 MC
   やっぱりそうですよねぇ。その【アメリカ】、に、
   今追い付け・追い越せとしているのはどこだと思いますか ??

  ◇大浜平太郎 SC
   エェ~・・・ 新興国とかですかね? 【インド】とかですかね?

  ◇大江麻理子 MC
   あぁ【インド】ではないんですが【中国】なんですねぇー。

   経済成長が減速する中で、国策的に映画を次の産業の柱の一つとして育てようと
   しているのですが、その【中国】ならではの“課題”もあるようです。

 

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┣■膨張する【中国映画産業】


 ◆国策化で資金が流入


  中国の西の果て
 【新疆ウイグル自治区
  ※風力発電機が4車線の国道を挟んで数多く立てられている・・・

  第112話 中国の風力発電(新疆ウイグル自治区) ※「風の谷」ですか。

 

  その開発区のど真ん中に建設中なのが
 『シネコン』WANDA CINEMA IMAX
  12の大画面スクリーンを要し、最新のシステムを導入している。

  手掛けるのは不動産大手の
 【WANDA PLAZA】
  ワンダ・グループ(大連万達集団)

www.wanda-group.com


 【中国政府】は今、
  補助金を出して全土で『映画館』の整備を加速している。


  <【中国】映画市場 「スクリーン数」> ※出典:【中国国務院】

    2010年  約5,000
    2011年  約9,500
    2012年 約13,000
    2013年 約18,000
    2014年 約24,000
    2015年  31,627 ※この5年間で5倍増!


  ◇映画館の客 20歳前後の男性
   毎週3~4本は映画を見に来る。*頷く*

  ◇映画館の客 20歳前後の女性
   中国映画は昔より品質が良くなった。※お化粧バッチリ。日韓女性と変わらず(笑)


  <【中国】映画市場 「興行収入」> ※出典:【中国国務院】

    2010年 約100億元
    2011年 約130億元
    2012年 約175億元
    2013年 約220億元
    2014年 約300億元
    2015年 約440億元(約8,500億円) ※ここ数年で急増。軌道に乗った感有

   ・その市場規模は【アメリカ】に継ぐ世界2位(【日本】の約4倍)


 ・特に今伸びているのが【中国】国産映画で、興行収入は↑7割増加している。


 【中国政府】は
  有望な映画作品を選んで「年間に約15億円」を助成するなど
  国産映画作品を後押ししている。
                 ※ジェッキー・チェンが出演する映画も中国産?
                  ポスターを見る限り【韓国映画】を思わせる。

  2016年6月
 『上海国際映画祭
  中国の映画スターが集結する華やかな舞台の裏で-  ※香港スター?超美形な男女

umikarahajimaru.at.webry.info

 

  “映画と投資”と題したシンポジウムが開かれていた。

  そこに登壇したのが不動産大手の
  ワンダ・グループ
 【ワンダ・シネマズ】(万達電影院線)
  ◇曽茂軍 CEO

forbesjapan.com ※カナダ企業と提携してスクリーン拡大か。他力本願?

 

  そしてネット通販大手の
  アリババ・グループ
 【アリババ・ピクチャーズ】(阿里巴巴影業集団)
  ◇張強 CEO

jp.wsj.com ※2014年からか。そりゃ「金」はあるけど「モノ:人材」は少ないわな。(笑)


 ・どちらも資金力を背景に今【中国】の映画業界を牽引する“新興勢力”となっている

  ※壇上に上がった6名、皆真っ白い1人用ソファに座り足を組みながら
   大勢の報道陣らを前にインタビューに答えていた。太太しい態度?
   今の【中国】大国の勢いを感じさせる光景-


  ◇張強 CEO 【アリババ・ピクチャーズ】
   今は【中国映画業界】の天地がひっくり返った。
   資金は豊富にあるが監督や俳優が見つからない。 ※終始ニヤついた顔

  ◇曽茂軍 CEO 【ワンダ・シネマズ】(万達電影院線)
   世界市場で戦える映画を作るには100~200億円の制作費が必要だ。
   そういう資金がなければ【中国映画】は世界で戦えない。 ※規模の論理をかざす


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 ◆中国国産映画


 ・この夏2016年、ある中国映画の撮影が行われていた。
  撮影現場は“無人島”。今は使われていない石積みの家屋が草木に飲み込まれている
  電気も水道も無い-  ※電線・電柱は映り込んでいるけど。(笑)

  撮影には大掛かりな準備が必要だった。

  ◇史咏弘 映画プロデューサー ※女性
   地元の政府や市民が全力で支持してくれた。

www.narikata.com

  ・【政府】が全面協力し、島の清掃に【軍隊】を派遣。※波打ち際に大量の漂流ゴミ

   このような国を挙げた支援が映画に出資する決め手になったと言う。

   大ヒットを狙うような大作ではないが、 ※確かに地味ですね
   制作費は7億6,000万円以上。
   従来の値段と比べて2倍の水準だという。

www.13hw.com


  ・この道20年の監督は【中国映画】が新たな時代に入ったと考えていた-

  ◇何 映画監督
   今の【中国映画業界】は資金が非常に豊富だ。
   【中国】は「工業の革命」を既に達成した。
   これからは「文化やソフト」の時代だ。


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 ◆一方、【中国】ならではの「壁」も-


 ・『検閲』は強化 !?

  【当局】による『検閲』が厳しくなっている。

  中国の若手監督
  ◇呉琴 監督 ※30代の女性
  ・最近、日本人男性と中国人女性の恋愛を描く映画を制作したが、
   内容の修正を余儀なくされた。

   映画の中に『日中戦争』に触れる部分があり【国】はそこに非常に敏感だった。
   指示された通り修正して再審査の後に上映許可が下りた。(笑)

  ・この1,2年、審査が厳しくなったという。
   ただ中国の映画市場で生きていくためには『検閲』は避けては通れない道-


 ・『一国二制度』の下、
  【当局】の『検閲』が無い【香港映画】も中国の県下の影響を受け始めていた。

  2016年4月
 『香港電影金像奨
  “香港のアカデミー賞”と言われる作品賞の受賞式。

umikarahajimaru.at.webry.info

  最優秀作品『十年』がグランプリに輝くと、賛否業論が噴出。
                      大きな議論を引き起こした。

  映画『十年』
     2025年の【香港】の姿を予測したオムニバス映画で。
    【中国政府】の支配が一層強まった【香港】の社会を描いている。

www.youtube.com

    “中国の標準語を話せないタクシー運転手は

     空港などで客を乗せてはいけません-”

    “広東語を話すことが違法だと言うのか-”

     映画の中の街では様々な本や物が販売禁止に。
     違反がないかチェックするのは軍服のような制服を着た子供達。

     さらに
    “【香港】には『独立宣言』する権利がある。
     独立なしに真の参政権は無い-”

     香港独立を求める若者が力で制圧される姿は2014年に起きた
     大規模デモの光景と重なる。※香港反政府デモ(広東語:雨遮(傘)革命)

www.huffingtonpost.jp

www.sankei.com

 ・この映画『十年』は【中国本土】では「有害」と認定され、上映は禁止された。

      TEN YEARS
    映画『十年』を制作したのは香港の若手監督達。
           予算「約700万円」の低予算による自主制作だが
          【香港】の将来に不安を思う市民の共感を呼び、
           「約9,000万円」の興行収入を記録した。

         監督:クォック・ジョン(郭臻)、ウォン・フェイパン(黄飛鵬)、
            ジェヴォンズ・アウ(歐文傑)、キウィ・チョウ(周冠威)、
            ン・ガーリョン(伍嘉良)
                        ※20~30代半ばの男性5人


  ◇郭臻 監督 ※20代の男性
   香港社会が「受け身」になっていることへの懸念を伝えたかった。
   人々が自ら選択するという意識を失い「どうせ変えられない」と考えている。


  ・上映までは「困難の連続だった」という-

  ◇周冠威 監督
   最も苦労したのがキャスティング。俳優に依頼すると
  「出演したら永久に本土の映画に出られなくなる」と-
   出演を拒否する俳優は何人もいた。


  ・彼らのような反骨の制作者は【香港映画界】で少数派になりつつある。

  ◇歐文傑 監督
   投資家は皆「中国本土の市場を目指すべき」と言う。
  【香港】の映画界は『検閲』を受けることに慣れてしまった。

  ◇蔡廉明 プロデューサー
   資金が潤沢で市場も大きい中国本土との「合作」が非常に増えている。

asian.cocolog-nifty.com

 

  ・グランプリに輝いても彼らの“前途は多難だ”ー

  ◇蔡廉明 プロデューサー
   通常「最優秀作品」は劇場で再上映されるが、映画『十年』は
  「売り上げの大半を劇場に渡す」と言っても誰も再上映したがらない。

  ◇歐文傑 監督
  「君達はブラックリストに載ったから、もう中国本土の仕事はできない」
  「君達の将来は厳しい」と映画関係者に言われた。(苦笑)

 

 ・膨張する【中国映画】の未来は !?

  もし「金」が全てとなってしまうなら、その魅力は長続きしないかもしれない-

 

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・あからさまな【中国政府】【当局】批判でもあるのでコメントは差し控えられたが
  日本の地上波でこうして訴え・報道した姿勢は高く評価したいところですね。今や
  映画館にも通わなくなったので(以前は1日『映画の日』にはよくハシゴしてた)
  『十年』という作品は全く知りませんでした。

┣・“チャリンコ軍団” 人民服姿で通勤していた頃の中国人を覚えている者からすれば
  映画のシンポジウムでの着飾った横柄な態度に驚くばかりですが(笑)、日本人でも
  高度経済成長で20数年経ってあの様に変わったということなんでしょうからね、
 「人の振り見て我が振り直せ」ではありませんが、気を付けたいところです。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

┣・通販大手の【アリババ】はともかく不動産大手の【ワンダ】はヤバいんじゃないの?
 【大連】にある企業なのかな? いかにもレバレッジ投資を拡大してそうだよね(笑)


┣・確か本場【ハリウッド】では潤沢な【中国映画】の勢いに押されてど派手な作品から
  歴史をなぞるような作品に良作はシフトしているって話を目にした記憶がありますが
  よく見りゃ続編「2」「3」「4」「5」「6」・・・ ばかりですからね。(苦大笑)
  先日「クソ映画」呼ばわりしていたエディ・マーフィではありませんが、確かに続編
 【ビバリーヒルズ・コップ3】は酷いです。問題は監督や制作サイド側の「質」だけど

www.youtube.com

www.excite.co.jp

┗・今【中国映画】は【韓国映画】を真似て映画の普及で国をアピールし、手っ取り早く
  返還された映画先進国【香港映画】を「金」と「権力」で取り込んだって寸法になる
  のかな? 少し昔はまだ【中国】オリジナル作品も結構良かったと思うんだけど・・・
  大衆化すると【ハリウッド】のように「下品」になるってことなのかしら ??