バス転落 数々の違法行為・・・ 業界が抱える闇
2016/01/18(月)<バス転落 数々の違法行為・・・ 業界が抱える闇>
【ひるおび!】 http://www.tbs.co.jp/hiru-obi/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓飛び出す新聞バン!
┃ <バス転落 数々の違法行為・・・ 業界が抱える闇>
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┣■旅行会社 基準額割れを提案
【スポーツ報知】2016年1月18日付
『法律違反低料金 バス会社受注 他ツアー2件でも』より
◆7万円超下回る
・多くの若者の命が奪われた悲劇の裏で、ルール軽視の実態がまた明らかになった。
・事故に遭ったツアーのバス運行は、企画した旅行会社【キースツアー】が
基準の下限(約26万4000円)を下回る
約19万円を提示、バス会社【イーエスピー】が受注した。
・バスの手配を依頼された【トラベルスタンドジャパン】は【キースツアー】から
「今年は雪が少なくて客が少ない。
客がなかなか集まらないので当面は低い値段でやってもらえないか」と提案された
という。
【トラベルスタンドジャパン】は基準割れを意識しながら
【イーエスピー】にバスを手配した。
◇高橋美作 社長 イーエスピー
昨季は13,14万円というのもあった。 ※基準額の約半分。
今季はもっと上げてもらう話をしていたところで19万円の提示だった。
【国交省】
2012年『関越道ツアーバス事故』の後、「競争激化が安全を脅かす」と
値下げを制限したが、※長距離移動の際、バス運転手は2名用意すること。
◇バス業界関係者
立場が上の旅行会社に提案されると断れない。水面下では横行している。
<貸し切りバス>
2000年の“規制緩和”で参入業者が急増。
格安の『高速ツアーバス』が人気となり、「東京-大阪、2000円台」といった
“価格破壊”が進んだ。
→ 2012年
【群馬県】
関越自動車道で道路脇の防音壁に衝突。7人が死亡/38人が重軽傷。
◇バス業界関係者
値下げ競争に歯止めが掛からなくなると、人件費抑制のために
ドライバーの労働時間が長くなったり、経験の浅いアルバイトに頼むことに
なったりするため、安全面に問題が生じるのは必然。
※バス会社は旅行会社と契約する際、
地域ごとに距離と時間に応じて設定された上限と下限の枠内の料金で受注
しなければならない。
【国交省】は自由に値下げできる幅を狭めたが、浸透しているとは言えない。
◇バス会社社長(関東地方)
取引先の旅行会社から「基準割れ」の金額を提案されることがあると打ち明ける
こうした提案は『格安ツアー』がほとんど。最近、低価格競争が再び激化しつつ
ある、という。
特に冬場は秋の観光シーズンに比べてバスの稼働率が悪く、低料金を提案される
傾向がある。
「運賃を切り詰められれば人件費を削らざるを得ず、
正社員の確保も難しくなる。」と現状を訴える。
◇福田万吉 社長 キーツツアー
2016年3月26日の最終日までの平均で下限を満たしていればいいと考えている。
【国交省】
「こうした手法は『道路運送法違反』に該当し認められない」と立場を示した。
また事故後の【イーエスピー】への特別監査で、同様の低料金で受注した事例が
少なくとも2件見つかった。
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┣■ツアーバスを担当する運転手 本音は・・・
【東京新聞】2016年1月18日付1面トップ
『運転手「明日は我が身」』より
◆眠気で高速通過/行き先2,3日前知る
◇60代の男性運転手
繰り返されるツアーバスの事故に、
「構造的な問題、価格競争の問題もある。
他より安くするには、それだけ何かが犠牲になっている。
運転手は、体力的にギリギリの状態です。」
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┣■運転手不足 進む高齢化 悪化する労働環境
【産経新聞】2016年1月18日付
『運転手不足 進む高齢化』
◆悪化する労働環境「かなりひどい」
・貸し切りバスの運転手を巡っては、なり手不足の影響などで高齢化が進む一方、
ツアーの価格競争による労働環境の悪化も進んでいる。
※『長野県軽井沢町のスキーバス転落事故』を起こした土屋広運転手も65歳。
【国土交通省】
・全国のバス運転手の数はここ10年間、約12万人とほぼ横ばいで推移。
・平均年齢は上昇傾向にあり、
平成24年時点で48・5歳 ※10年前と比べて2.9歳高い。
全産業の平均年齢と比べると6歳も高い。
しかも60歳以上の割合は16.4%で、6人に1人に当たる。
◇国交省幹部
急増している外国人観光客は団体で動くことが多く、バスでの移動が便利。
バス需要は増える一方で、なり手不足から高齢のバス運転手を雇う事業者が
増えている。
・バス事業者35社のうち97%が
「運転者不足による影響を実感している」と回答した調査結果もある。
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<バス運転手の労働環境>
・長時間労働の傾向が進み、1人当たりの総走行距離は増加。
・有給休暇の取得日数も10年前に比べて3日減少。
◇バス運転手の男性(38) 東京都内
深夜も走る大型バスの運転手の労働環境はかなりひどい。
・運転手の健康状態が原因となった事故は、
平成25年までの10年間で約3倍に増えている。
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┣■スキーバス転落事故 制御困難 100m以上か
【毎日新聞】2016年1月18日付
『バス転落 制御困難 100メートル以上か』
◆右側にもタイヤ痕
・現場の手前100m地点で既に見つかっている左側ガードレールの接触痕により
さらに手前に、事故車両のものと見られるタイヤ痕があることが分かった。
この痕は左側のタイヤ分しかなく、左へ過度に加重が掛かる状態だったと見られる。
【県警・軽井沢署】本部
バスはガードレールに接触する前から制御困難となっていてガードレールに接触、
反動でセンターラインを越えて事故に至ったとみて詳しく調べる。
※捜査本部はこれまで、下り坂を走っていたバスが左側ガードレールに接触した
反動で制御困難な状態になり、車体左側が浮いて右側の車輪だけで走行した後、
道を外れて約3m下に転落したと見ていた。
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┣■スキーバス転落事故 制御困難 100m以上か
【読売新聞】2016年1月18日付
『転落前 急ハンドルか』
◆100メートル前 ガードに接触 / タイヤ痕 右のみ40メートル
・ただ、事故車両にはドライブレコーダーが搭載されておらず、
どうして最初に左側ガードレールに接触したのかは不明なまま。
【県警】
運転ミスやスピードの出し過ぎ、居眠りの可能性も含め、
多角的に事故原因の解明を進めている。
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◆適性診断経ず
バス運行会社
【イーエスピー】
事故時にバスを運転していた土屋広運転手を昨年2015年12月に採用した際、
運転に関する適性診断を受けさせていなかったことが【国交省】の特別監査
で判った。
<適性診断>
バスやトラックの運転手の癖を把握・改善指導するため、
『道路運送法』で運転手に受けさせるよう事業者に義務付けている。
・土屋運転手(65)は、昨年2015年12月まで約5年間勤務した別の会社では
小型バスの近距離専門だったと言い、【イーエスピー】が技量不足のまま
乗務させていた可能性もある。
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┣■【イーエスピー】は・・・
【スポーツニッポン】より
【イーエスピー】
がー 2008年に「警備会社」として設立され、
2014年に初めて「貸切バス事業」の許可を得たばかりだった。
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┣■ガードレール接触事故 急ハンドルか
【朝日新聞】より
『大型バス』
車体の長さが12mで、小型の7mよりも長い。
◇50代の元運転手 大型観光バス
後輪の感覚が全然違う。 ※後ろが振られていく
左後部をガードレースにぶつけたのかもしれない。
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┣■大型バスを15年運転した経験がある運転手によると・・・
【日経新聞】2016年1月17日付より
◇大型バスを15年運転した経験がある運転手
大型バスは“車体の重さ”などから、ブレーキの使い方などで
一定程度の経験が必要だという。
「経験が浅いとブレーキを掛けても重さでバスが減速せず、パニックになることも
ある。大型バスの運転経験が4回程度だったとすれば、実務に就くにはあまりに
少ない。」
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・事故が起こった後ならば誰でも指摘できることばかり。毎度の『遺憾劇場』です。
私は辛辣なデータ派なのであえて申し上げますが、早稲田など優秀な大学、そして
就職先を選んで得ておきながら、身の安全という最も重要視すべき点を見落として
しまったことが大変悔やまれます。社会の歪みや疲弊は確実に自分のすぐ身近にも
迫っていることを実感すべきです。
┣・2005年『福知山線脱線事故』の時にも口にしたのですが、飛行機や新幹線と同様に
「運転手の公開」を義務付けるべきだと。私は長らくギャンブルに身を投じてきた
ので“第六感”というのか、投じる前から「こりゃダメだな」というのが判る時が
ありました。(購入口のおばちゃんの顔、またはその売り場の雰囲気から察して)
“虫の知らせ”的な類いのものだったのかもしれませんね。過密なスケジュールの
鉄道などでは難しいと指摘されるかもしれませんが、交替する際に大きな運行記録
を持ち運んでいるくらいですから、自身の顔写真を持ち歩き、車両の案内板にでも
差し込むことは可能でしょう。大抵の人は気にすることはないと思われますけれど
きっとピンと何かを感じて乗車拒否したくなる人も現れるはずです。事故防止という
観点からも、また責任感を強く植え付けるためにも義務化して欲しいところです。
┣・「指定席だから乗車拒否したらお金が勿体ない」などと考える人は、この時点で
自分自身を守れないことを示しています。「お金>寿命」では決してないはずです。
とか偉そうに書きながら、自分もカビの生えたシュウマイなど食べてしまってます
けどね。(自爆)
┗・「コイツにこの仕事を任せていられない」という場面は多くの人が経験していると
思います。今回の『バス転落事故』に私はそう感じました。事業者達の罪は重いと
私は考えます。直接には関係ない大手事業社も「業界監督責任」という名の下での
厳罰を科すべきです。危険を知っていて訴えなかったのは『いじめ問題』と同じで
一番悪いことだと考えられますので。