2015/11/23(祝月)<過熱する“お礼品”競争・・・ 『ふるさと納税』で自治体に明暗>
【報道STATION】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓ <過熱する“お礼品”競争・・・ 『ふるさと納税』で自治体に明暗>
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今年でもう8年目を迎える『ふるさと納税』
お馴染みになったが、今“ある問題”が深刻になっている
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┣『ふるさと納税』
例.年収500万円の世帯の場合
・6万円を自分が希望する自治体へ寄付する。
今自分が住んでいる自治体の住民税などから6万円が控除されて、
最大で5万8千円が事実上戻ってくる。
6万-5万8千円=「2千円」だけが住んでいる自治体が得られる税金となる
・そして6万円を寄付した自治体から約半分の3万円相当の”お礼品”が貰える。
つまり「2千円」の負担で「3万円分の商品」を得したということになる。
※お礼品は寄付額の4~5割程度のもの。
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◆自身の故郷以外でも、どこの自治体でも寄付できる『ふるさと納税』
各自治体で“納税者の争奪戦”が繰り広げられ、今非常にエスカレートしている。
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┣■過熱する競争の果てに・・・
2015年11月23日午後4時過ぎ
東京都新宿区
『ふるさと納税フェスタ』
各自治体がテントを張り、『ふるさと納税(寄付)』のお礼品の試食会を開いた。
◇40代の女性
お礼品に惹かれて。【静岡県下田市】に寄附。
(品物は?)「金目鯛」です。
・『ふるさと納税』の申し込みがピークを迎えている。
実質2千円の負担で、寄附できる額が今年から2倍に増えた。
今年2015年分の申請期限は来月2015年12月末。
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2015年11月18日
【宮崎県都城市】
問合せの電話が殺到している。
去年2014年10月“お礼品”を特産である「肉と焼酎」に特化し大幅に増量したところ
今年2015年上半期の寄附額が「全国最多の約13億3300万円」になった。
◇総合政策課 副主幹 宮崎県都城市
11月の状況なんですけれども、1日に8千件を超える寄附を頂いております。
・宮崎県都城市の業者には『ふるさと納税』お礼品用が「納税」と書かれて山積みに
されていた。
送り先の約7割が首都圏などの都市部が中心だという。※クロネコが配送していた
「焼酎」だけで1日600箱程度を発送しているという。
・品切れになっている商品も多い。
「牛肉」などの人気のお礼品は2,3分でなくなってしまうという。
・宮崎県都城市では『ふるさと納税』専任の職員を10人雇った。※電話応対の女性
◇総合政策課 副主幹 宮崎県都城市
都城のことを全国にPRするきっかけ。
もしくは地方のことをこれまで以上に知ってもらうきっかけでありますので、
まあ全国各地でそういうところを取り入れてやっていけば、きっと地方も元気になる
のかなぁって気がしております。
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┣■『ふるさと納税』で明暗・・・
◆加熱する争奪戦に一石を投じようとしている市がある
◇清水聖義 市長 群馬県太田市
太田市も(特産品は)少ないですね。
まあヤマトイモとか牛肉とか野菜類がありますけれども、
これと言って際だった物というのはないですね。
他に比較されると負けてしまうと。
だからお金が(市の)外に出る方が大きいと。(悲顔)
・去年2014年
群馬県太田市民が他の自治体へ寄附したのは、約2800万円
一方で、 群馬県太田市への寄附は、約1300万円
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-1500万円 ※単純計算で
・そこで【群馬県太田市】では
「弘前のりんご」「稚内のかに」など友好都市の特産品を取り寄せて
それを来月2015年12月から「太田市のお礼品」として提供するのだという。
さらにこれは「太田市民限定」のサービスだという。
他の自治体へ寄附が流れるのを防ぐための“苦肉の策”。
◇清水聖義 市長 群馬県太田市
「お金を他の町に出さない」と。
ウチのは、市民税は市民のために・市民の幸せのために使う。
だって自分の町が行き届かなくなっちゃいますよ。
ウン。福祉も、教育も、出来なくなっちゃいますよ。(悲)
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◆『ふるさと納税』は、本来住んでいる所は払われるべきだった税金が
他の自治体へ持って行かれるようなもの。
・さらに寄附を受けた自治体でも「お礼品」の為の購入費などが掛かり、
国全体で見た時に「税収自体が減る可能性も」。
◇片山善博 教授 慶應義塾大学 元総務大臣
自治体同士でまるで「税を奪い合う」ようなね、そういう現状になっていて
その奪い合う手段が「より豪華な特産品を贈ります」と人の目を引きつけて
“税の奪い合い”をやっている。
確実に国・地方の全体の税は減っているわけですよね。今、税が足らないから
消費税を8%までして、さらに10%に引き上げようかってという時にね、
「税が目減りするようなこと」を国が率先してやっているわけですよ。
【総務省】
お礼品の金額などに基準はなく“あくまで自治体の判断に委ねる”としている。
◇高市早苗 総務大臣
あくまでも『ふるさと納税』の趣旨ということに立ち返って、*笑顔全開*
えー、各自治体さんに「良識のある対応を」ということをお願いしたところで
ございます。-
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┗■スタジオにて
◇古舘伊知郎 MC
どうですか? 片山さんの言うとおりじゃないかと思っちゃいました。
◇木村草太 准教授 首都大学東京 ※気鋭の若手憲法学者
ホントその通りで、この話は元々は「財源の格差を調整」したり、
「地方の財源不足を補おう」という発想だったはずなんですけれども、
ただやはりこれは導入時点から問題が指摘されてました。
まずあの「地域間の格差の調整」を個人の選択に委ねても、
必ずしも格差は適切に調整できないわけですし、
やはり「財税の調整」は国のように全体を見渡せるそういう立場の人がやるべきだ
と指摘されていました。
また「財源不足」っていうのは、これ一部の自治体ではなく全体的な問題なので
ある自治体のお金を別の自治体に渡せば解決するという問題でもありません。
だからこそ『地方交付税』の交付金を増やしたりとか、地域毎の特別な税金を認めて
課税を認めて「自主財源を増やす」方向で、地方財政の健全化をすべきだという風に
指摘をされていたわけですねぇ。
『ふるさと納税』とその「お礼品」というのは、やはり地域の魅力をアピールする
という点では意欲に溢れるものになったとは思いますけれども、地方財政の改善と
いう点では、コレは全く別に考えなくてはいけないという風に思いますね。
◇古舘伊知郎 MC
そうですねー。あの太田市の例を見ると「そりゃそうだ」って
自分達の税収が減っちゃって地元の方達のために行政サービスをやらなきゃいけない
立場としたら市長も辛いとこですものねぇ。表情に出てますよね、辛さがねぇ。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・こういう愚策の瓦解話は大好物なので結構楽しめてメモれた。(爆笑)
┣・元々は【東京都】の税収があまりにも巨額すぎるっていうので税収に悩む自治体へ
回そうと東京都に課税しようとしたら、当時の石原都知事がダダこねてこのような
『ふるさと納税』という回りくどくて手間ばかり掛かる仕組みが練られたんでしょ?
たった一人の老害対策のために。(苦笑) せめて東京都限定にしときゃ良かったね。
┣・確かに群馬県太田市長はとても悲しい顔をされてインタビューに答えてましたね。
最後の方は本心が出ちゃったような言葉遣いになっちゃって。太田市って地元住民
というかニュータウン的な場所柄だったはずだから、愛郷心など案外乏しいのかも
しれませんね。
┣・◇木村草太 准教授 の指摘はもっともで文句の付けようがないのだけれど、
国は敢えてこのような競争をさせて弱小自治体をハッキリさせたかったのかもよ。
「1億総活躍」って結構意味あるキャッチフレーズだと私は見ていて、ちょうどね
3千万人が生活困難者に当たるんですよね。今の政権はこれらの層を見捨てたいと
いう意思表示かと思うのだけれど如何でしょうか? 霞ヶ関構想では8千万人という
日本の将来像を描いているっていう噂もありましたしね。 怖い・怖い。(苦笑)
┗・『ふるさと納税』のお礼品を手にして自慢している輩は“浅はかで強欲者”だと
思いましょう!(笑) 今の私は無職で手続きする権利すらないけどね。(自爆)(^^ゞ