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驚きの技術!『金箔紙』の老舗工場

2014/09/05(金)<驚きの技術!『金箔紙』の老舗工場>
【所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!】
 http://www.tv-tokyo.co.jp/sokontokoro/index.html

www.tv-tokyo.co.jp


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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  外国人が本当に驚いた日本の技術
┏┓ <驚きの技術!『金箔紙』の老舗工場>
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 『金屏風』


 ◆荘厳な輝きを放ち、日本を象徴する色彩、金を贅沢にあしらった屏風。

 ◆奈良時代に中国から伝わってきたものを、日本でよりキレイに見せるために
  ある工夫がされた。


 ◆そもそも風よけや仕切りなどの実用品だった。いつしか屏風に金を施し
  また画を描いたものは美術品として価値が高いものが数多くある。

   国宝『風神雷神図屏風 俵屋宗達

 

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┣■東京都葛飾区にある金屏風専門店【金屏風のこばやし】


 ◇父の小林興司さん(68)と、娘の早羽子さん(35)のたった二人。


 ◆取引先は結婚式場をはじめ、外国人が多く宿泊するホテルオークラなどの
  有名ホテル。

 ・1年間で金屏風を約200隻手がける。

 

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┣■日本独特の工夫


 『蝶番』(ちょうつがい)
  背表紙を糊付けしないことで屏風を360度回転させることが出来る。


  「360度回らないと金紙を中に折り込んで貼れない。」


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 ◆中国の屏風は、紐などで留められているだけで隙間があった。


 ・しかし平安時代に『蝶番』が発明されて隙間をなくした。


  【松図屏風 伝土佐光信 室町時代】 *現存する金屏風で日本最古

   大迫力の松の絵。1枚の絵として見せるために隙間を埋めた。


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 ◆絢爛豪華な金屏風が次々と生まれた。


  【四季花鳥図屏風(右隻)    狩野元信】
  【上杉本洛中洛外図屏風(左隻) 狩野元信】


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 ◆南蛮貿易の際にはヨーロッパに輸出され、日本の美の象徴となっていく。


 ・スペインの方に屏風を見せてみるとみな口々に『ビヨンボ!』と呼ぶ。

 ・スペイン語『BIOMBO』= 日本語『びょうぶ』。そのまま伝わっている。

 

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┣■最後の仕上げに貼るのは1枚ロールの金箔紙。


  広島県
 【歴清社】 創業して109年(明治38年同業)。


 ◇金箔紙ひとすじ。4代目、会長の久永洪さん(80)。


 ◆金箔ガミの材料は福井県産の高級和紙。台紙と呼ばれ、裁断して使われる。

 ・台紙に接着液をムラなく均等に塗っていく。

 ・そして機械で1、2分乾燥させるも微妙に粘着力を残す。手早く次の作業へ。

 ・手に取ったのは金箔で『箔押し』。大きな台紙に小さな金箔を1枚1枚丁寧に。

 ・金屏風が生まれて数百年、変わらず守られている日本伝統の技。
  迷いもなく貼っていく。その時間わずか数秒。


  ◇娘
   気持ちがすぐ表れるので、ちょっと力を入れるとシワになったり・・・。

  ◇父
   夫婦喧嘩は厳禁です。

  ◇娘
   (苦笑)。 静電気もすぐ拾うので、ちょっとでも迷ったら
   ベース(の台紙)に吸い取られてぐちゃぐちゃになってしまう。


  ・静電気が発生しにくい竹製のはさみを使うのが本当(伝統)。


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 ◆リポーター役の金子貴俊が1枚『箔押し』するも力が入り表面がヒビ割れに。


  ◇金子
   1枚大きい金箔をバーンと貼った方が楽なんじゃないかなと思うけど。

  ◇父娘
   いや出来ないですね、金箔は。

 

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┣■【歴清社】で使われる金箔は全て金沢から取り寄せている。
                         ※金箔の生産量99%


 ◆金を数十万回叩き、厚さが1万分の1ミリになるまで延ばす。
                        (光で透けるほどの薄さ)

 ・通常、金箔は15~20cm角が限界。
  それ以上大きくすると貼る時に破れてしまう。

 

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┗■金箔を1枚1枚貼ることが美しさの秘密。


 ◇娘
  金箔も1つずつ微妙に(色が)違うので、味が出る。


 ◆金箔は1枚1枚が違う風合いを持つ。
  印刷した紙では出せない奥深い輝きが生まれる。


 『払い』

  『ダンゴ』と呼ぶ、綿とガーゼを包んだもので、
  “素早く” “軽く手を置く”

   金箔の重なっている部分をまさに払い落とす作業で
   升目をキレイに無くしていく。


 ◇金子
  うわ、全然払えないですよ! 気張りますね。

 ◇男性職人
  そうですね。1回失敗してしまうともうダメになっちゃうんで。


 ・払った金箔で傷付けないような細心の注意と、
  しっかりと紙に押し付ける作業を同時に行う難しい重要な作業。

  熟練の職人だからこそできる繊細な技『払い』。


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 ◆金箔の升目がほとんど無くなった紙を一日寝かせる。二つに畳み干す。
  気温と湿度に合わせてかけてじっくり自然乾燥。


 ◆そして最後の仕上げのトップコート。創業時から伝わる門外不出の特殊な樹脂
  秘伝のタレの保護液を塗り、ガラリと鮮やかな金色を引き出す。


 ・20年前に作った金屏風でも、今でも変わらぬ、鮮やかな金の輝きを魅せる。

 ・合計774枚の金箔を使った珠玉の逸品。

  「反射光ではなく、引き込んでくれるような光。」


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  小さな一枚の金箔から始まり、
  様々な職人の手により大きな一枚となる金箔紙。

  金屏風の美しさの秘密、
  それは古来から守られてきた日本の伝統技術にあった。

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┗・大変勉強になりました。手による技の奥深さを改めて痛感させられました。

 

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┗・あれから約1年。北陸新幹線が開通し、“金沢の金箔”もより身近な存在に
  なったような気がします。金箔を貼る体験ごとも実際にありそうですね。
  金沢では日本人や外国人が金箔目当てで、さぞかし入り乱れていることでしょう。
  (笑)。