男児の姿が語る【シリア】の惨状。そして『核禁止条約』【日本】の姿勢
2016/08/19(金)<男児の姿が語る【シリア】の惨状。そして『核禁止条約』【日本】の姿勢>
【報道STATION】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓ <男児の姿が語る【シリア】の惨状。そして『核禁止条約』【日本】の姿勢>
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今、“ある男の子”の姿が世界中に衝撃を与えている
“埃と血”にまみれて座っている男の子が呆然と前を見つめている
内戦が続き【シリア北部アレッポ】で現地のジャーナリストが撮影した写真
この男の子の姿から改めて【シリア】の惨状が浮き彫りになった-
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「血まみれで座る男の子」
┣■【アレッポ】の惨状物語る
2016年8月17日夜中
【シリア・アレッポ】
*ボバァン!* *バン!* *バン* ※重低音の砲弾・銃声が飛び交う中
「ゆっくり、ゆっくり・・・ 」
建物の中から子供が受け渡される。緊急隊員が抱きかかえるその男の子は
即座に救急車に乗せられた。「ひどい、ひどいことだ・・・ 」
真新しい白とオレンジ色の救助車の中にある座席にチョコンと座らせられた男の子。
その体は埃に覆われ、顔は血にまみれている。※額左側面が大きく損傷し大量の出血
男の子の名前は
◇オムラン・ダクニシュちゃん(5)
・全身埃まみれで髪の毛から真っ白な状態。
涙を拭き取るように血で覆われた顔に手を当てるが、自分の身に何が起きたのか
理解できていない様子。
※まるで映画『チャップリン』に出てくる無声映画のシーンのようですよね。(悲)
・両親や兄弟と一緒に【ロシア軍】か【シリア政府軍】による空爆を受けたという-
この後さらに幼い子供達が次々と助け出され救助車の中へと収容された。
・場所はシリア第二の都市【アレッポ】の東部
反体制派が支配する地域。
今年2016年2月末
『停戦』が発効したが、その後も【アサド政権シリア政府軍】と【ロシア軍】は
「テロ掃討」を名目にアレッポ東部を包囲し攻撃を続けてきた。
【アレッポ】の東部
今現在も25万人以上が暮らし、約10万人が「子供」だという。
www.afpbb.com ※再び包囲されて上記のような惨状が繰り返された・・・
www.bbc.com ※しかし【アメリカ】は【ISIS】イスラム国撲滅のため静観を決め込む ??
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『核禁止条約』
┣■【日本】の姿勢は・・・
今年2016年5月27日
【広島・平和記念公園】
バラク・オバマ米大統領と安倍晋三総理大臣が「核なき世界」の実現に向けて
取り組みを誓い合った。
・あれから3ヵ月が経った今
【国連】では
核廃絶に向けて『核兵器禁止条約』を作るかどうかの話し合いが行われている-
しかし唯一の被爆国である
【日本】は
「ただちに核兵器を禁止するというのは現実的ではない」という立場だという。
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今年2016年5月27日
【広島・平和記念公園】
◇安倍晋三 総理大臣
核兵器のない世界を、必ず実現する。
その道のりがいかに長く、いかに困難なものであろうとも-
では具体的にどう行動するのか? “被爆国”日本の姿勢が問われている-
世界各国の軍縮大使が国連欧州本部に集った。
『核兵器禁止条約』に向けた議論は最終局面へと入った。
今日当初公開しての議論となる予定だったが、非公式協議が続き、緊迫した状況-
今年2016年2月から続く【国連】の核軍縮部会は今日が最終日。
最大の焦点は
『核兵器禁止条約』
核兵器の保有や使用などを禁止する。
・国連加盟の193ヵ国の内、過半数を超える約100ヵ国以上が
『核兵器禁止条約』の交渉を来年2017年から始めるよう求めている。
<条約推進派>
◇ドミニカ共和国 代表・女性
核兵器は脅威であり、速やかに禁止し廃絶する必要があると考える。
◇南アフリカ 代表・女性
アフリカグループは多国間で核兵器削減の交渉を進めることを支持する。
◇メキシコ 代表・男性
核兵器がある限り爆発する可能性も人類に破滅をもたらす危険性もなくならない
・せめぎ合いが続くのは『核兵器禁止条約』に対して
「大多数の国が来年2017年から交渉開始を支持」したという文言を盛り込むかどうか
majority of States
→ これに反発したのがドイツなど【NATO】加盟国、そして【日本】だった-
◇日本 代表・佐野利男 軍縮大使
いくつかの重要な部分は合意に向けてさらに議論して改良する必要がある。
日本は“段階的”で・現実的な核兵器削減策を通じて核軍縮に関わる国際社会が
共に行動することが大切だと強調してきた。
・【日本政府】は
北朝鮮や中国の脅威を念頭に、安全保障上“アメリカの核の傘”だとの立場。
さらに今回参加していないアメリカなど核保有国も合意できるよう
“段階的に核兵器を削減する”ことが現実的だと主張してきた。
・しかし多数派の考えは違った-
<条約推進派>
◇オーストリア 代表・トマス・ハイノジ国連大使
核兵器を禁止できる“法的措置”が必要なのは皆が分かっている。
化学兵器や生物兵器を禁止する条約があるのだから核兵器も同じと考えるのが
論理的だ。
・【日本政府】が来年2017年禁止条約の交渉を始めることに異議を唱える中-
2016年8月16日
【ジュネーブ】国連欧州本部
もう一つの日本代表、日本の高校生『平和大使』が同じ【国連】で
黒焦げになった少年の写真パネルを掲げて“核なき世界”の実現を訴えた。
◇永石菜々子 平和大使(18) 長崎・活水高校3年生
流暢な英語で
「被爆の実相と核兵器の脅威を世界の人達に知ってもらえるよう
私達は声を上げ続けます。一人一人の力は小さくても私達若者の団結した力で
核兵器削減のために世界中の人々を動かせると確認しています。」
・斜め前に座って参席していた
◇日本 代表・佐野利男 軍縮大使
この場でも日本政府の立場を説明することを忘れなかった-
「核兵器削減は国際安全保障環境の現実を客観的に評価し、
核兵器使用の非人道的な面をよく理解した上で進めるべきだ。」
・“唯一の被爆国”でありながら、“アメリカの核の傘”の下にある【日本】。
それでも高校生の平和大使は期待を寄せる-
◇永石菜々子 平和大使(18) 長崎・活水高校3年生
色々な国同士の問題が絡み合って、とても複雑になっているということが
改めて分かりました。でもやっぱり「核はいけないんだ」ということは
それぞれの共通認識として【日本政府】には強く持って欲しいなぁと思います。
名ばかりだけにはならないように「唯一の戦争被爆国」というプライドを持って
核軍縮に積極的に取り組んで欲しいなぁと思っています。(^_^)
・オバマ米大統領の広島訪問に立ち会った
長崎で被爆した
◇田中熙巳さん(84)
【日本政府】の「核廃絶」への取り組みに不満を隠さない-
(政府は)口では言いますよ、あの「惨状を知っている」とかね。
「核兵器の被害の実態は世界に知ってもらわなければいけない」と。
じゃあ実際にどういうことをやっているかといったら、ほとんどやってない!
核兵器を使った結果はどういうものになるかというのは、私達は体験しているわけ
ですから「絶対に使ってはいけない」という風に思っていて-
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◆“被爆国”として何ができるのか
【被爆国・日本】の姿勢に【国連】で今注目が集まっている-
2016年8月17日
【ジュネーブ】
Q.日本代表の立場をもう一度教えて頂けますか?
A.
◇日本 代表・佐野利男 軍縮大使
後にしてもらえますか、これから急ぐんで・・・ ※追っかけ取材を煙に巻く
・来年2017年から『核兵器禁止条約』の交渉に入るのか?
その鍵となる「最終報告書」はこの後日本時間2016年8月20日午前1時頃にまとめられ
秋の【国連総会】に提出されることになる。
「核兵器禁止条約の17年交渉開始」/国連 秋に議論本格化/問われる日本政府の対応
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┗■スタジオにて
◇富川悠太 MC
【日本】は核兵器を“段階的に減らして”いかなければならないと。
その一方で安全保障上“核の傘”は必要だという立場ですよねぇ。
◇中島岳志 教授 東京工業大学 ※専門はアジア近代政治。
そうですねぇ。あの少し『理念』というものの話をしたいと思いますけど
カントという哲学者がいるんですけれども-
<『理念』には2種類ある> ※この2つをちゃんと区別しないといけない
①統整的理念
→ なかなか実現することが難しい、非常に高い次元の目標。
②構成的理念
→ 日常的、現実的な、十分可能な目標。
◇中島岳志 教授 東京工業大学 ※専門はアジア近代政治。
実はこの2つがセットになっていないと『理念』というのはシッカリと動いて
いかないとカントは考えていたんですね。
で、これ『核の問題』で考えていくと、この統整的理念というのに当たるのが
「核を一切なくしましょう」廃絶するって問題。なかなかVTRにもありました
けれども様々な国の思惑があって難しいですよね。しかも技術は残ってしまう。
この核の一切の廃絶というのは非常に難しい次元の問題だとは思いますが、
一方でその次元があるからこそですね、具体的な目標っていうものの構成的理念
というのがようやく設定できると思うんですね。例えば「核実験止めましょう」
「核は今よりも10分の1に減らしましょう」「テロリストに核が渡らないように
しましょう」「核不拡散をシッカリとやっていきましょう」。
やはりこの2つっていうのがシッカリとセットで動いていかないと核っていうのは
無き世界という方向性を取れないと思うんですね。何かどうもこの2つが対立して
いるように見えてしまっている。一方は「核を無くしましょう」、
一方は「段階に、緩やかに」。
なかなか対立しているように見えるんですけれども、私はセットのものとして
両輪のものとして進めていかないといけないと思うんですね。なのでまずはこの
大きな構造っていうんですかね、その理念を埋める構造っていうのはちゃんと皆で
共有したい、という風に思いますねぇ・・・
◇富川悠太 MC
その対立しているように見える国でも「核なき世界」を実現したいんだって思いは
一緒だったりするわけですものね。
◇中島岳志 教授 東京工業大学 ※専門はアジア近代政治。
そうなんです。まずはそこをシッカリと確認する。
その上で「じゃあ何が今できるのか」っていうことを確認していくということだと
思います。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・『ピューリッツア賞』に加えられるであろう「シリア内戦の男児の姿」。恐らくは
誰もが映画チャップリンのスクリーンかと見間違えたのではないでしょうか?
あの様な惨状を想像したらそりゃ大衆も国を捨てて逃げ出します。難民の現実問題を
どれだけの日本人が深く考察できていたでしょうか? 深く反省させられ、また
【日本国】として国民の多くが納得できる姿勢を改めて示してもらいたい思いです。
プーチン露大統領が訪日する前に『停戦協定』を守るよう宣言してもらいたい!
┣・そして『核禁止条約』に対する【日本】の姿勢が続けざまに報道されておりました
のでこちらもメモしてみました。オバマ米大統領の【広島】訪問後も、アレがない
コレがないと訴求尽きないわけですが、同様に【ハワイ】パールハーバーにある
【アリゾナ記念館】へ日本人が訪れることは未だに少ないのだという。
「奇襲」「原爆」「化学兵器」「生物兵器」いずれにしても死傷者が出ることには
変わりがないわけです。
┗・ドイツの哲学者カントを持ち出して二つの理念を説いたのは的を射ていましたね。
【国連大使】には「大人と学生」を必ずセットで任命すべきなのかもしれません。(笑)
それと男女半々が理想だね。女性だけっていうのはかえって血の気を煽ると思うので