2015/12/29(火)<台風は巨大化した?増えた?>
【池上彰のニュースそうだったのか!!】 http://www.tv-asahi.co.jp/ikegami-news/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓2015池上総ざらい 昔と今を比べると日本はこんなになっていた !? 年末特大SP
┃ <台風は巨大化した?増えた?>
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┣■史上初が大連発「2015 自然災害」
◆台風や水害
・ 7月 :台風9号【沖縄県】直撃
・ 8月24日:台風15号【沖縄県石垣島】観測史上初の最大瞬間風速71mを記録。
コンクリートの信号機の柱が真っ二つに折れる
【熊本県】では最大瞬間風速40m超。熊本城の塀約70m倒壊
・ 9月半ば:台風18号が17号と重なり記録的大雨となった結果鬼怒川の堤防が決壊した
【茨城県常総市】一帯は濁流の飲み込まれ多くの住民が孤立した
◇電柱にしがみついていた男性
動けなかったね。すごく動けなかった。
本ッ当に、つくづく思った。
・ 9月 :台風21号【沖縄県与那国島】最大瞬間風速81mを記録。
電柱や家屋を始め風力発電機の羽根をも破壊
電線が切断されて、台風情報が収集できず。
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Q.台風の威力は昔よりもパワーアップしているのか !?
A.
◇女性陣
「巨大になった気がしますね」「雨量も多くなった気がします」
「いっぺんに凄いそこだけ集中的にっていうのが多くなったような感じがする」
◇坂上忍
あんな溢れた方、昔あったぁ? なんか集中的な・局地的な。
◇武井壮
『台風』留まりがちな感じがするんですよね。*クルクル*とこう。※手振り
◇石原良純 気象予報士
僕の中ですごく転機になったのは「2011年の台風」があって、
台風12号っていうのが来て『土砂ダム』っていうのが出来たんですね。
※2011年9月9日【和歌山県那智勝浦町】一帯
あの紀伊半島。で、もの凄い雨が降って。
で、台風15号っていうのが同じ月に来て。※2011年9月21日【東京都渋谷区】
渋谷の道玄坂の木が倒れた。風が強かったんですね。
あの辺りから多分、テレビを見ている人も「台風って怖いね」っていう、
まっその年に『東日本大震災』があったのもあるんですけど、それからなんか
もの凄く毎年*2大きな被害が出るようになった、あの辺がちょうど境目だった
ような気がするんですね。
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◆台風の数が増えたり、威力が増したと感じるのは『地球温暖化』の影響?
◇池上彰 MC
これはね、難しいんですよ。つまり一般論としては『温暖化』が進みますと
「台風は巨大化するだろう」と言われているんですね。
確かにね、日本の近くの海水温は上がっているんですね。ですから海水温が上がって
いると台風っていうのは弱まらないまま日本に近づいてくるんですね。
海水温が低いと遙か南では大きくなっても、日本に近づくにつれて段々弱くなって
きた。最近“強いまま”日本列島を直撃、ということが出てる。これは確かに
海水温が高いからなんですが、この海水温が高いのが『温暖化』の原因なのか、
たまたま今こう高い状態が続いているのか、というところでは専門家によって
意見が分かれるんですね。
◇押切もえ
エェ、過去にもあります。 歴史を振り返っても海水温が高い時もあったんですか?
「海水温が高い」またこれもいろんな理由で。それこそ『エルニーニョ』とか。
今年2015年は特に強い“スーパーエルニーニョ”とかいうのがありますから
そういう時によっても実は違うんですね。
『エルニーニョ』
ペル-沿岸沖で海面温度や上昇する現象
つまり、「たまたま数年単位で変化しているもの」なのか、
あるいは「100年単位で大きく変わっている途中経過」なのか。
というのが後になってみないと分からない、というところがあると。
そこがなかなか難しいところっていうことですね。
ただし「温暖化が進めば巨大な台風が来る」ことは間違いない、ということですよね
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┣■今と昔の台風 どっちが強い?
◆台風の勢力を示す
『hPa』ヘクトパスカル
中心気圧の単位。“低いほど”威力が大きい。一昔前は「ミリバール」と呼んでいた
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◆日本に上陸した台風
『歴代トップ5』 ※hPaで比べる、過去50年間(1950年~) 出典:【気象庁】
第5位:940hPa
1991年『台風19号』※日本三景の1つ天橋立の並木松100本が倒壊し、
全国200ヵ所以上の国宝重要文化財が被害に遭う。
青森で大暴れ・リンゴ農家が大打撃を受けた。
約700億円のリンゴが落下。「リンゴ台風」とも。
自然災害として支払われた損害保険金は約6千億円。
当時では“世界最高額”との報道もあった。
1971年『台風23号』
1965年『台風23号』※兵庫県で猛威を奮う。車が横転してしまう程の威力。
高知県室戸岬で過去最大の風速を記録。
神戸港では高潮が発生し、海岸の堤防が決壊。
神戸市内はどこも浸水し、道路が川と化した。
1964年『台風20号』
1955年『台風22号』※鹿児島県。死傷・行方不明は86名に達し被害総額は
100億円に。10月に九州地方に上陸し甚大な被害に
木造家屋を瞬間風速50mに及ぶ暴風雨が吹き抜ける
人々を恐怖のどん底に陥れて九州を縦断していった。
1954年『台風5号』
第4位:935hPa
1951年『ルース台風』※10月に日本列島を横断。特に被害が大きかったのが
山口県。猛烈な雨により土砂崩れが多発。このとき
災害救援に当たったのが自衛隊の前身・警察予備隊
この惨事で始めて出動した。
第3位:930hPa
1993年『台風13号』※鹿児島県で大規模な土砂災害が発生。台風発生前から
度重なる集中豪雨で地盤が緩んでいた。そこへ天地が
ひっくり返るような豪雨が数時間続き一気に崩壊した
住民は台風が来ることは知らされていたが、避難所が
遠かったこともあり、多くの人が土砂に巻き込まれた
第2位:929hPa
1959年『伊勢湾台風』※名古屋港始まって以来の5m81という異常なまで
の高潮に包まれた名古屋市は荒れ狂う悪魔の住人に
任せた姿そのままだった。河川・海岸堤防は決壊し
一瞬にして名古屋市の2分の1を泥水の中へと巻き
込んだ。台風の被害としては「過去最多の犠牲者」
死者・行方不明者は5千人以上。被害を拡大させた
のは貯木場から流れ出た「流木」。大量の流木が
家屋を次々と破壊していった。
これをきっかけに報道の在り方が変わり、災害対策
に関する法律が作られるなど「日本の防災の原点」
とも言える台風だった。
第1位:925hPa
1961年『第2室戸台風』※風速計が破壊されるほどの暴風雨が吹き荒れる。
また高潮により大阪市内のほとんどが浸水した。
家屋倒壊は凄まじかったが人的被害は少なかった
前年1960年に設置された『気象レーダー』により
事前に進路や強さがNEWSとなったからと言われる
・『歴代トップ5』のほとんどが1950~1960年代。
2000年代の台風は1つも入らずという結果に。
<2015年上陸台風の中心気圧> 出典:【気象庁】
955hPa 台風15号(8月)
965hPa 台風11号(7月)
990hPa 台風18号(9月)
998hPa 台風12号(7月)
・昔の台風の方が強かった!
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┗■台風対策はこんなにも進化した
◇池上彰 MC
台風の被害で言うと「昔の方が酷かった」というのが分かりますよね。
対策が十分に取られていなかった。特に『堤防』というのは「石と土で固めた」
レベルのものが多かったので簡単に決壊をしてしまった、ということがあります。
それから“大昔からの人の知恵”で言いますと、
「堤防というものは台風が来れば決壊するものだ」として、
最初から決壊する場所を決めておいて、いざという時は「ここが決壊するよ」と
その水を溜める『遊水池』というのがアチコチにあったんですよね。
それが住宅開発が進んで、『遊水池』に今『住宅』が出来ちゃっているわけですね。
『堤防』は現在はかなり強化されたんですけど、そこが一旦決壊すれば
『遊水池』だった所に水が溜まるようになっている、ということがあるというわけ
ですね。
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◆鬼怒川が氾濫 あれから3ヵ月 現在どこまで復旧は進んだ?
・今年2015年9月 鬼怒川の堤防決壊後、決壊箇所はコンクリートで塞がれているが、
倒壊家屋は今も片付けを待つ状態。
・今なおアチコチで重機による「がれきの撤去作業」が行われている。
・家に帰れない住民は、二次避難所となる『旅館』や離れた場所の『借家』で生活を
している。
・災害時に濁流に耐えた“白い家”は、
この土地に住むに当たり“水害を想定した工夫”が施されていた。
◇白い家の主人
ここで生まれて・小さい頃からここで育っているので、離れるつもりもなかった
ので「500mm降ったらもうアウトだな」というくらいは何となく、何となく
素人感覚では感じていた部分なんですよ。
・実はこの「屋根にも工夫」があって、
ベランダのひさしは片側だけ無い。
「救助用なんですよ」。 上からこう、すぐ助けられるように。
・水害を想定して“救助されやすい造り”にしておき、実際にそこから助け出された
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◆一方で、建物のような対策が難しい『田畑』
水浸しになった後はどうなっているのか?
◇農家の男性
(これは砂ですねぇ)「川の砂」。(これ畑なんですか?)これ『畑』。
大豆とか麦を作ってる『畑』。 風が吹くと「風紋」ができるでしょう。
・砂丘のような「風紋」が浮かぶ「川の砂」で覆われ、
とても農業を始められるような状況ではない。農業は不可能。
今年もほら米がダメで、で、まっそれは共済金があるんだけど、
それは今回何割かが入ったので、今のところはそれがあるんで。
それが年明けて、来年2016年稲の作付けが出来なかったらもう“完全な無収入”。
・収穫できなかった場合について、来年以降の補償はまだ決められていないという。
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◆3ヵ月経って年明けを迎えるが、復興への道のりは思うようにまだ遠い。
『堤防整備』
来年2016年開始予定。決壊周りを中心に200m範囲を1m40cmかさ上げし
幅を拡大していくという。
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◆自然災害大国の日本の問題 対策には巨額の資金が必要
・国は現在、水害があっても壊れない堤防の整備を進めている。
『スーパー堤防』
土地を堤防の高さにまでかさ上げし、浸水を防ぐ。
→ これには大変な工事と費用がかかる。
・国の計画では完成予定は「200年先」とも言われている。
◇池上彰 MC
「どれくらいの被害に備えるものを造ればいいのか?」というのがコレ、大変難しい
問題なんですよね。
昔の人は「自然にはとても敵いっこない」から「いざって時はここを決壊させよう」
というのを造っておいた。
最近の人は「堤防は決壊しないもの・絶対大丈夫なもの」って安心しきっている。
でも“大自然の驚異”って凄いことなわけですよ。
そうすると、ここの地形では「いざって時は浸水するかもしれないよ」と
「覚悟をした上で住む」ことができるのか、いや
「そんなことがないように堤防を大きくしようか」という、
そこの兼ね合いが今問われるようになった、ということですね。
日本はこうやって過去には「大変な被害」が出てきた。
それを教訓に『堤防』もかなり整備されるようになった。
あるいは『観測技術』も発達してきた。
それによって「被害を大きく減らすことができたんだ」ってことは
是非知って欲しいですよね。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・『歴代台風トップ5』を知っておきたくてメモしたわけですが、結局また文字起こし
に徹してしまいました。(苦笑) 前にも書きましたが、今の気象情報は“大げさ”に
報道し過ぎです。確かに台風が直撃する地域には、オーバーに伝えることで警戒心を
抱いてくれるとは思いますが、990hPaで「大変だ、大変だ」と吠え続けるのは
『オオカミ少年』の話と全く同じことになると思います。本当に大変な時に避難して
くれなくなる可能性が高まると思うのです。私はそんなメディアの報道姿勢に対して
台風は「hPaの数値」をまずは確認しています。
┣・◇白い家の主人は大したものですね。消防など表彰に値する行動だと思いますけど、
既に受け取られているのかな? 私も家の不具合で被害を想定した経験があります。
けれど周りの人間を説得・同調させるのはホント骨の入る作業ですよね。(^^ゞ
┣・公共事業の造られた多くの建造物が、今一斉に「補助」を必要としています。道路を
始め、トンネルの崩落事故もありました。堤防もそうですし、公営集合住宅などでも
鬼気迫る状況に陥っている所が多いはずです。築30~50年「補修・計画」の差が
如実に現れています。管理不行き届きな所に対して「だらしない」のひと言で片付け
られるのか、その点も大きく問われているような気がしますね。
┗・今後数十年の間に「通行止め」「立ち入り禁止」は増大していくことでしょう。(悲)