2015/11/11(水)<国際的な資金の流れに変調の兆し>
【Newsモーニングサテライト】
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓プロの眼 <国際的な資金の流れに変調の兆し>
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◆アメリカ 利上げ睨み 世界マネー流れに変化?
◇大槻奈那 教授 名古屋商科大学経済学部
そもそも問題の発端としてはですね、アメリカ以外のドルのニーズというのが
非常に高まっていたわけですね。元々リーマン・ショック以降で大体2倍になって
いまして、アメリカの貸し出し以外でもって既に1200兆円くらいに拡大して
いるんですね。主なプレイヤーとしてもちろん日本の銀行があるわけですが、
<世界のドル建て与信> ※米非居住者向け(銀行向け除く)
1996年 約2兆ドル強
2001年 約3兆ドル弱 ※以降、右肩上がりで増えていく。
2006年 約6兆ドル程
2015年 約10兆ドル
ところがここへきて、ここ1週間くらい特に著しいのですけれども、
ドルの調達コストが上がっているんです。
<ドル/円のベーシススワップレート(1年物)>
※ドル調達コスト(数値が高いほど上昇)
2013年 0.1~0.2%
2014年 0.2~0.4% ※年内半ば急上昇
2015年 0.4~0.8% ※秋口以降一気に急上昇している
日本の銀行が円を投じてドルを調達するためのプレミアムですね。
これが一気に60ベーシスくらいを超える、0.6%を超えるということで
去年から対比して考えると40ベーシス、0.4%くらい上がってしまっている
ということなんです。まっコストにすると900億円と、そういう形です。
◇佐々木明子 MC
これは「アメリカの利上げ」がやはり視野に入ってきたということも、あり?
◇大槻奈那 教授 名古屋商科大学経済学部
そうですね。企業の調達ニーズが、ドルでの調達ニーズというのが
一気に増えてきているということですね。
◇佐々木明子 MC
さらに今もう一つ問題なのは「規制」ですね。「規制の強化」。
◇大槻奈那 教授 名古屋商科大学経済学部
そうですね。ちょうど今週末【G20】ということで「新しい資本規制」が様々
議論されている途中です。 まあそれが本決まりになりつつあるんですが、
1つは報道されていました『キーラック』(?)という新しいコンセプトの資本の問題
ですし、それ以外にもですね、特に大手銀行。こういった国際的にやり取りをする
大手銀行の規制に特にフォーカスが当たっていまして、銀行間の取引の規制などが
今議論してます。
◇佐々木明子 MC
そうなると規制が強化されると、やはり銀行としては「貸し出し」に慎重になって
しまうと。
◇大槻奈那 教授 名古屋商科大学経済学部
*頷く* 「貸し出しにくくなる」と、ちょっと変調の兆しを感じてます。
◇佐々木明子 MC
あのそもそも「利上げ」ということは、企業にとっても「負担が増える」という
ことですよね。
◇大槻奈那 教授 名古屋商科大学経済学部
えぇ。ということで先程は「企業のニーズが高まっている」と言いましたけれども
一方でコストが上がってくるということで、過去のコレは企業のデフォルト率の推移
なんですね。
<貸し出しに対する企業デフォルト率>
1985年 4%弱
1990年 10%超
1994年 2~3% ※2~3年
2003年 10%超
2005年 2~3% ※2~3年
2008年 10%超
2011年 2~3% ※3年~
ご覧頂きますと、一定のサイクルでやはりデフォルトが上昇して倒産になる企業が
増えてくるという傾向があるのですが、ここのところ4年近く非常にデフォルト率が
低く・安定している時期がちょっと異常に長かったということで、
これまでそうなのですが「金利の上昇」が一つのきっかけ、または遠因になって
デフォルトが上がるってことが多かっただけに、まあここから先は注目されると。
で、コレを考えているので、やはり銀行側も益々慎重にならざるを得ないという状況
ですね。
◇佐々木明子 MC
先程冒頭にありました「ドル建ての与信」が拡大していると。
しかも「アメリカ外」のところ拡大しているという中で、
「金利の引き締め」それから「金融の規制」、これが同時進行・・・
◇大槻奈那 教授 名古屋商科大学経済学部
そうですね。これがWパンチで効いてしまうと、やっぱり劇薬になりかねないと
いうところなので、やっぱり国際的な金融・資金の流れということには要注目だと
思います。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・ちょうど今週【週刊東洋経済】にてこのことを取り上げていたので興味深くメモして
みました。銀行の苦しい胸の内は同誌を参考にしてもらって、やはりこれまでの
行き過ぎた貸し出し、日本のバブル崩壊や『リーマン・ショック』を振り返れば
規制強化を促すのは当然ですよね。特に【金融機関】には。最近安易な保険商品等も
目立つようになり、“商人としての良心”が問われるところです。
┣・どういう形が理想的なのでしょうね? ファンド公募の行き過ぎは先日海外でも
医療検査の不正実態ですか、問題視されてましたし、お金をただ集めるだけでも
問題はあると思うんですよね。巨額な資金を得たばかりに背伸びしてしまうといった
ことも多々起こり得るんでしょうしね。
┗・「規制」って難しいですね。大人の社会ですからこの有り様なのですから、学校での
規制・指導も大変なのだと思います。高校生の私は規制破りの常習犯でしたが(^^ゞ