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『逆オイルショック』が招く不都合な真実

2016/01/25(月)<『逆オイルショック』が招く不都合な真実
【Newsモーニングサテライト】 http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/

 


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓特集  <『逆オイルショック』が招く不都合な真実
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┣■原油価格低迷の要因は?

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  <原油先物価格チャート>

  ※米国指標『WTI』が国際指標『北海ブレント』より総じて安い。最大幅10ドル


         『WTI』  『北海ブレント』
   2015年01月  約53ドル  約57ドル
   2015年02月  約54ドル  約58ドル ※両者間に価格差が出始める
   2015年03月  約50ドル  約63ドル
   2015年04月  約48ドル  約55ドル
   2015年05月  約60ドル  約67ドル
   2015年06月  約60ドル  約66ドル
   2015年07月  約57ドル  約64ドル
   2015年08月  約45ドル  約54ドル
   2015年09月  約50ドル  約54ドル ※両者の差が僅差になっていく
   2015年10月  約45ドル  約48ドル
   2015年11月  約46ドル  約50ドル
   2015年12月  約40ドル  約45ドル
   2016年01月  約37ドル  約37ドル ※ほぼ同額で推移している


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 Q.原油価格はここまで下がると思ってましたか?

 A.
  ◇曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY
   今年に入ってからの急落は完全に想定外でした。
   「サウジとイランの国交断絶」これが攪乱要因だったと思います。

   「【OPEC】の減産協議が進まない」という見方が強まってしまって
   原油価格が軟化するタイミングで、イランや中国のニュースで下げが加速して
   しまった、という感じだと思います。


 Q.今年に入り、ここ最近少し上がっている(約32ドル)のは?

 A,
  ◇曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY
   これは“売られ過ぎ”の反動ですね。ここは原油安後退で出来高が少なかったので
   テクニカルに戻ったという、それだけの理由だと思います。
  (「下落トレンド」にあんまり変化は無いということですね?)そうですね。


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 Q.先日テキサスの石油会社に取材に行かれたそうですが、どんな感じでしたか?

 A.
  ◇曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY
   ハイ。中堅から大手のシェール生産会社は実は「それほど悲観的ではなかった」
   んですね。

   まあ「30ドル台が続いても1,2年であれば経営計画は十分立てられる」。
   そういう話はしてましたね。

   たださすがにですね「20ドル台前半」これでは「経営存続困難」という話は
   してました。

 

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┣■アメリカ シェール生産調整 進まぬワケ


 Q.そうなると「原油価格の低迷」は相当続きそうな気がしますが、
   今のこの低迷長期化は何が原因だと思いますか?

 A.
  ◇曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY
   ハイ。今はですね“価格を上昇させられる”調整役がいないというのが
   価格低迷長期化の大きな理由だと見てます。

   で、過去を見ますと、今と同じような状況があったんですね。

   <原油価格(インフレ調整後)>

    1974年~1986年 50ドル弱から100ドルまで跳ね上がる
    1986年~2006年 20ドル~40ドル台、高くても60ドル程度
    2006年~2015年 40ドルから急上昇140ドル&急降下40ドル
            120ドルまで再上昇するも2014年以降急落、今に至る


   この時実質的に【OPEC】が調整役を放棄したってことで価格は低迷しました。
   また現在と同じように非【OPEC】の生産量が増えてきたという時期も価格も
   下期と同じように20ドル台まで一時的に下落したという感じでしたねぇ。


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 Q.【OPEC】にしてみれば、意識的に「減産しない」ことで
   他の産油国にプレッシャーを掛けたかったわけですけれども、
   でも上手くいっていないわけじゃないですか? その理由は何なんですか?

 A.
  ◇曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY
   そうですね。ハイ。「シェールオイル生産の調整」が市場の予想以上に
   進まなかったのは理由としてはですね、3つほどありまして、


   <シェール“生き残った”理由は?>

   1.損益分岐点の低下 ※大きく下がった。
     ・生産性の高い井戸への生産集中。
     ・下請け会社への下請けのコストが下がった。

   2.資金調達
     ・昨年2015年前半は「利上げ」の先送りもあって、
      そこからジリジリと下げる中で資金調達が出来てしまった。
      ゆえに操業が続けられた。

   3.「DUC=未完成の井戸」
     ・シェール会社の各社が多く持っている。
      掘削済みで既に下請け会社にはお金を払ってしまっている。
      あとは最終工程である「フラッキング」岩盤をひび割れをさせて
      岩石の中の原油ガスを放出させるだけ。少しの費用と時間で油が出てくる。


   損益分岐点は「20ドル以下」にまでなっている。


  ◇曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY
   原油価格が20ドル以下になることは“ないことはない”(苦笑)とは思うんです
   けれど(笑)、ただこういった「未完成の井戸」の数はですね、減り始めてしまうと
   原油生産量は一時的に大きく減少するっていう風に言われているんですね。それが
   まあ今年2016年の下期に起るのではないかと、取材した米原油生産会社らによると
   多く言ってましたね。

   あと半年くらいですね。今年2016年の夏か秋くらいにはあの、ここからの生産は
   減ってくるっていうような感じになると思います。

 

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┣■ズバリ予想! 2016年原油価格


 Q.やはり供給側はまだ問題があるとして、需要側は問題がないことはないですよね?

 A.
  ◇曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY
   そうですね。「中国の景気下振れ懸念」とか【IMF】世界経済見通し下方修正
   ということがくすぶっているのは確かですね。これもすぐには解決できないんじゃ
   ないかなと思ってます。


   <今年2016年の原油価格予想> ※曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY

     3月:「融資基準の見直し」   ※30~40ドルの間で揉み合い
       『WTI』の先物がかなり溜まっているので、それでボラティリティーが
       上がりやすいっていうリスクがあると思うんですね。3月くらいは
       石油会社向けの融資、銀行が融資しないことで破綻懸念が出てくると思う
       ので、少し上がっていくという感じになると思いますね。

     6月:【OPEC】総会     ※35~45ドルの間
       今の「サウジとイランが国交断絶」していることからちょっと調整とかは
       厳しいと思いますね。

     9月:「シェールガスの減産?」 ※36~48ドル程度
       いよいよ見えてくることから「生産調整の期待」から少し上がってくるん
       ですが、米大統領選で誰が候補になるか分からない。

    12月:【OPEC】総会     ※46~52ドル程度
       折り込むと思われるが、年末には50ドルを超える水準にはなると思って
       おります。

 

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┣■『逆オイルショック』 日本 悪影響のワケは

www.tv-tokyo.co.jp
 ◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所 ※フランス在住歴12年
  今回ですね、原油価格相当下がったんですけど、考えてみるとコレ1973年から
  1974年に掛けての『オイルショック』の時と“逆”なんですね。

  当時はですね、1バレル=3ドルくらいから11ドル台に上がったんですけれども
  今回は2014年から見ればですね、110ドル近くから30ドル割れに至ったという
  ことなんで、まあ1桁単位は違うんですけど、全く“逆の動き”なんですね。

  で、従ってですね、これ『オイルショック』の時に起きたことの逆が今起きつつある
  あるいはこれから起きると考えた方がいいという風に思いますね。


  <『逆オイルショック』の影響>

   ・産油・資源国から先進国へ  → 景気の担い役がバトンタッチされる。
   ・世界経済の成長低下
   ・ドル安からドル高へ
   ・世界的ディスインフレ
   ・オイルマネー枯渇 資金逆流


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 Q.このリスクオフの動きはどれくらいで収束すると思いますか?

 A.
 ◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所 ※フランス在住歴12年
  あのぉ1973年から1974年の時にはですね、ともかく2年くらい掛かって
  インフレもあったしですね。マーケットも半年ぐらいは混乱してたのでそのくらいは
  今回も掛かるかなと思うんですね。

  特にポイントはですね、「ドル安」から「ドル高」、ココなんですね。

  基本的にはですね。あまり皆さん意識していないんですけれども、
  あの1973,74年当時から見てもですね、原油価格とドルとの関係というのは
  反比例、逆相関の関係なんですね。ですから今回についても「ドル高」が相当付いて
  しまうということが一つ大きなポイントだと思いますね。


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 Q.ただ「ドル高」であれば「円安」という風に考えられますし、
   「原油安」はそもそも日本の景気には“追い風”だ、“神風”だとも
   言われてきましたよね?

 A.
 ◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所 ※フランス在住歴12年
  エェそうなんです。基本的にはですね、今これユーロ圏経済の問題なんですけれども
  日本の場合にはですね、大変“追い風”で世界の中から見ればむしろ“勝ち組”
  なんですが、ただそうでないところがあるということなんですね・・・


  <アメリカの企業収益>

   2010年 1.6兆ドル~1.8兆ドル
   2011年 1.6兆ドル~2.0兆ドル
   2012年 2.0兆ドル均衡
   2013年 2.0兆ドル前年より微増
   2014年 1.9兆ドル~2.2兆ドル弱
   2015年 2.1兆ドル前後

        ※2014年1バレル=100ドル台の頃
  もしも今後「ドル安原油高」で推移した場合、2,2兆円に迫る収益が予想されるが
  現時点の状況「原油安」と比べたら1割以上2割近い収益の差が出てくると見られる


 ◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所 ※フランス在住歴12年
  特に今のポイントはですね「ドル高原油安」両方が企業収益を下押しすることに
  加えて「利上げ」を想定すると更に下がるということですね。ですから「利上げ」
  がなければ、まあ少し時間差があるので今年の後半になってしまうのですが
  少し上がるのですが、ただいずれにしろ今アメリカの企業収益を見ると
  “トリプルパンチ”と言えるような状況ですね。


 Q.となると、アメリカの株価にとっては“下押し圧力”になると?

 A.
 ◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所 ※フランス在住歴12年
  エェ、これはまさにそういうことなんです。

  もう一つココでですね、大きなポイントというのは、これあの
  『リーマン・ショック』の後に起きたんですけれども、

  むしろ「ドル高」になってくるとですね『通貨安競争』が他の国で始まる、
  今回全般的な「ドル高」が期待されるわけですね。想定されるわけですが
  そうなってくる中で唯一「円」だけはですね、むしろドルに対して更に高くなる
  「円高」になるというですね、既にそれが今年2016年見ても起ってまして、
  去年2015年1年間を見ても起っているのですが、今年はですね、更に加速して
  いましてですね。


  <対ドル騰落率(今年2016/01/01~21)>

   円       +2.9% ※突出している
   ユーロ     +0.3%
   スイスフラン  -0.2%
   英ポンド    -3.8%
   豪ドル     -4,1%
   カナダドル   -4.4%


 ◇佐々木明子 MC
  ということは、その「アメリカの株価の下落」やその他の様々な要因を受けて、
  “リスクオフ”の「円高」になっている。つまり『不都合な真実』というのは
  本来なら「ドル高」であるはずなのに「円」を見ると、


 ◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所 ※フランス在住歴12年
  そうなんです。「円安」になって然るべきハズなのに、円は強いドルに対して
  もっと強くなることですから、これはかなりマズい状況ですね。


             ◇佐々木明子 MC
  エェ。         となると「株価」「円」への影響も大きくなってしまう?

  コレ試算してみたんですけど、
  ダウ平均株価を今年2016年末1万7千ドルとして、ドル円相場120円としてですね
  計算すると基本的には1万9300円なのですが、コレ115円。5円「円高」に
  なるとですね、1万8500円。800円、株価が下がるんですね。
  ですから5円・10円単位の「円高」というのは相当大きく「株価」に効いてしまう

 

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┗■『逆オイルショック』 【日銀】は動くか?

 

 ◇佐々木明子 MC
  「原油安」からくる「アメリカの株安」。“リスクオフ”、それによる「円高」。
  この『不都合な円高』というものを止めなければいけないと?


 ◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所 ※フランス在住歴12年
  そういうことなんですね。
                 ◇佐々木明子 MC
  エェ。エェ。          となると【日銀】の出番ですね。

  まさにそこが一番大きなポイントでですね。私まさに今週の決定会合でですね、
  『追加緩和』に踏み切る可能性は強いと見ていますね。エェ。

  その大きなポイントはですね。あの基本的にはやはり「円高」特に「ドル高」の中で
  さらに「円高」を止めなくちゃいけないというところが大きなポイントで、もちろん
  そのそれが阻止が【日銀】の目標にはならないわけですけど、期待インフレが急速に
  萎む可能性が出てきているということがありますんで、デフレ防止と物価目標の維持
  という観点からですね、やっぱり『追加緩和』に動くということなんですね。

  手段としてはですね「マイナス金利」って実は最も効果的なんですね。
  というのはですね、これはかなり“劇薬”なんですけれども、基本的には投機筋が
  実状ではなくて「円買い」の投機に来るということですから、それを抑えるためには
  日本円に滞留するそこにですね「マイナス金利」で召し上げるという形にするのが
  一番効くということなんですね。


 ◇佐々木明子 MC
  そういう処方箋を打って一旦「円高」というのを止めなければならない?


 ◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所 ※フランス在住歴12年
  エェ。あの大きく「円高」に効くにはですね、こういうことをやっていかなければ
  いけないし、今ちょっとかなり微妙なところになっていると思いますね。


 ◇佐々木明子 MC
  【日銀】黒田総裁は「マイナス金利はない」と話しておりますけれども
  果たしてあるかどうか、注目したいと思います。

  どうもありがとうございました。<(_ _)>

 

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・疲れた~。メモるの面倒くさかった。(苦笑) まあ現在無職で預金を食い潰してる
  私からしてみれば好都合な話だけどね(爆)。いやいや数年しか保たないってば(笑)

┣・こういう処方箋を聞いていると「日本人って商人気質だよなぁ」って思いますね。
  経済番組だから仕方のない話ではあるけれど、世界との共和のためにココは少し
  折れて「円高」を受け入れよう。「構造改革だ!」とか威勢の良い声を聞いてみたい
  ところです。

┗・『2016年原油価格』予想は説得力がありましたね。取材。事件は現場で起っています
  ◇曽根良太 三井住友アセットマネジメントNY 氏ですか。覚えておこっと。

   ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┗・◇中島厚志 エコノミスト 経済産業研究所の予想がズバリ的中!
  『マイナス金利』が発動されました。研究所としての面目躍如 !? (笑)

  でも“劇薬”だそうです。毒が回るのは企業なのか、国民なのか ??
  やっぱり後者ってことになるんでしょうねぇ。。。

  心身共にガリガリの方は即死するかもしれません。(爆)