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横浜の大型マンション傾く 虚偽のデータを流用

2015/10/14(水)<横浜の大型マンション傾く 虚偽のデータを流用>
報道STATION】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/

www.tv-asahi.co.jp


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓ <横浜の大型マンション傾く 虚偽のデータを流用>
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 【神奈川県横浜市都筑区

  【三井不動産
   2006年に販売を始め、既に多くの家族が住む、4棟から成る大型マンション。
   大型ショッピング施設が隣接する大規模開発地区となっている。

   その内2つの棟を繋ぐ、渡り廊下部分の繋ぎ目部分が若干傾いていることに
   マンションの住民が気付いた。

mainichi.jp


 【横浜市・建築局建築安全課】
  建物を監督する立場にある横浜市は、現場の写真を公開した。

  ◇石井保 担当課長
   小さいんですけれども(A3用紙にカラー印刷した物。その下半分を掲げながら)
   現場の手すりですね-

 ・12階建てマンションの10階手すり部分。本来より2cm程ズレている。
  さらに同じ階の床も傾いていた。扉の先の方が1.5cm程ズレている。

  横浜市は住民からの相談で2ヵ月前にこの事実を把握したという。

www.youtube.com


  ◇マンションの住民 30代男性  ※顔は映さず
   正直、頭にきてますね。もぉあのぉ、
   謝罪だけで済むような問題じゃないとは思ってます。

  ◇マンションの住民 60代男性  ※顔は映さず
   ばかげた話だと思いましたね。
   いずれバレるんでね。ちょっとそういうのが多すぎるんじゃないですか。
   どこもかしこも-


 ・建設、販売会社は別だが、

  去年2014年6月
 【神奈川県横浜市西区】
  分譲マンションで傾きが見つかっている。
  建物を支える杭が、本来打ち込まれるべき深さまで届いていなかった。

 ・現在、住民は傾きが見つかったマンションから販売会社が用意した住宅などに
  全員退去している。マンションの立て替えを行うか協議中だという。


 ・今回はそこから7km程離れた【都筑区】のマンションが傾いた。


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┣■一体何が起きたのか?


 【神奈川県横浜市都筑区

  【三井不動産

 ・今回傾きを魅せたマンションは4棟ある内の1棟。


  【横浜市】などの説明によると、傾いたマンションには合わせて52本の『杭』が
  地下深く打ち込まれている。これまで28本の杭が調査を終えた時点で、6本の杭が
  本来到達しなければならない支持層まで届かず、最大2m離れていた。さらに2本が
  十分に打ち込まれていなかった。(28本中8本の杭が不十分なまま施工された。)


 『支持層』
  地盤が強く固まっている部分で、このマンションの場合は地下16~17m付近に
  ある。建物は今後さらに傾く可能性があるという。


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 ◆問題はなぜ『杭』が『支持層』にまで届いていなかったのだが-


 【横浜市・建築局建築安全課】
  ◇石井保 担当課長
   施工者である【三井住友建設】が社内で当時の施工記録をチェックしていたところ
   報告書が杭を施工する時の「データ」がございますけれども、
  (傾いたマンション棟である)『ウエストコート』を含む部分に“転用していた”と


 ・『杭』を伝い、硬い『支持層』に届いたどうかは電気的な波形で確認し記録に残す。
  今回は杭が届いていないにも関わらず、届いた場所のデータを流用して報告書を
  改ざんした=「コピペ」した。

 

 Q.なぜ嘘のデータを使ったのか?

 A.
  ◇長嶋修 不動産コンサルタント さくら事務所

   とりわけ(このマンションの建つ)この地域は地盤の強さが・強弱が混在している
   地域なので、同じ敷地の中でもほんの少し離れただけで『支持層』が10m20m
   変わってきちゃうこともあるんですよ。

   現場で実際に工事をしてみたら「杭の長さが足りなかった」ということになれば、
   この『杭』は使えないんですよね。そしてまた新たに『長い杭』を用意する必要が   あると-

  ・さらに今回のように「横に広いマンション」特有の事情もあるという

   (横に広いマンションは)建物の面積が大きいので『杭』の本数は必然的に多く
   なってきます。昨今の資材価格の上昇もあって『杭』を打つことにもそれなりに
   やっぱりコストが掛かるんですよね。場所にもよりますけど建物全体の1割近く
   掛かるっていうこともあります。

   無駄になる杭が何十本ということになると、それこそもう新規に杭を用意する
   コストだけで千万円単位になってしまいますけどね。

   あるいは工期も延びてしまいますね。その間の人件費も掛かってしまうと。

   この「コストと期間が延びてしまう」ということを懸念する圧力はあったんだと
   思います。


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 ◆マンションの住民は-


  ◇マンションの住民 30代女性  ※顔は映さず
   同じ様な事件というかテレビで放映されたことがあるので、
   「まさかウチもね」という話もしていたところで、こういう形になりましたから
   できたら元にシッカリ戻してもらうか、できないのであればやっぱり全部補償して
   頂きたいかなと思います。


 ・販売元の【三井不動産】グループは、

  「現時点で耐震性などは問題ない」とした上で、

  今度については「建て替え」なのか「補修」なのか、調査結果が出ていないので
  確定的なことは言えません。

  住民と話し合いながら今後の対応を検討していきます。

 

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┗■スタジオにて


 ◇古舘伊知郎 MC
  『パイル』って言いますけど「杭打ちが一部届いてない」としたら住民の方々は
  もう本当にキツイですよねぇ。(苦々)


 ◇中島岳志 准教授 北海道大学大学院 政治学者 ※専門はアジアの近代政治
  ねぇ。大変な驚きと怒りで一杯だと思うんですけれども、まっこういう事態があると
  ですね、必ずそれを選択した消費者の側の「自己責任」だっていう議論があったりも
  しますけれど、それは余りにも私は酷だと思いますね。

  で、なぜかというと圧倒的な情報を持っているのは業者の側であって、買う方はこれ
  杭がちゃんと届いているかってことは現場までチェックできないですよね。

  (それを見過ごして「コピペ」してるかなんてね。)私達は分かんないですね。

  で、なぜこんなことが起きるかなんですけれども、もちろんあの今回の場合は
  『コストカット』というのをドンドンやることによって安全面を蔑ろにした業者が
  一番悪いわけですが、しかしこう言うような「虚偽」っていうものが生まれてくる
  背景っていうのを考えないといけないと思いますね。

  その背景にやはり「規制緩和」という非常に1990年代からの大きな流れがあると
  思います。【橋本内閣】が1998年ですけれどもこの時に「建築確認」それから
  「検査」の民間開放っていうのが始まりました。それまでこういう検査業務という
  のは【国交省】がやっていたんですけれども、これを民間業者がやるように、最終的
  には自治体がこれをやるようにするって、そういう風に変わった訳なんですよねぇ。

  で、これによって何が起きたのかということを記憶にまだ新しいとは思いますが、
  10年ほど前にですね、あの「耐震偽装」の問題っていうのが次々に発覚をする。
  まっそんなことも見られました。

  で、結局この時に議論になったのも、この検査業務をドンドン*2外部委託をする
  ことでですね、【国交省】の方は・国の方は「責任を取らなくていい」わけですよね
  「それは民間業者がやったことですよ」という風になってしまう。

  結局「全てが民間業者の責任」だってなるとですね、このマンションを買った人達は
  ですね、大変な負担を背負うことになるわけですよね。ここから色んなもしかすると
  裁判になるかも知れない、色んなことをするかもしれない。

  で、結局私が思うのはですね、本来この「検査業務」の“強化”をやるべきだった。
  にも関わらず、ドンドン*2とこういうアウトソーシングという規制緩和が進んで
  きたことも、もう一回私は見直した方がいいんじゃないかなと思いますね。


 ◇古舘伊知郎 MC
  嫌なんですけど『性善説』ばかりでは世の中成り立たないんで、
  『性悪説』でキチッとやらなきゃダメなところって一杯あるんですけどねー。

  いやー、、、ハイ!ガラッと変わりまして次のニュースなんですが・・・

 

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・ここのところ発覚から1週間を過ぎても、連日のように詳細に報道されているので
  メモする必要ないかなと思ったのですが、発覚初期に報道したコレに問題は尽きると
  思うので残しておきたいと思います。

┣・電光石火で事態の飛び火を回避すべく販売元の【三井不動産】は建て替え・全額補償
  案を打ち出しました。その負担総額はそっくり丸ごと建設業者側へ丸投げすればいい
  だけなので早いに越したことありません。有能な弁護団がいるようで素早かった(笑)
  同系列の【三井住友建設】も「設計段階よりも現場で実施した側に責任がある」とし
  強引に上手投げを決めようとしています。【旭化成】グループが持ち堪えられるか?

matome.naver.jp

┣・しかし皮肉なものです。先日の『鬼怒川堤防決壊』では「奇跡の白い家」として
  【阪神神戸大震災】に続く「高い耐震性」を実証して見せた「深い杭打ち」で有名な
  『ヘーベルハウス』【旭化成ホームズ】なのにね。杭打ちが足りなかっただなんて。

www.huffingtonpost.jp


  そちら側への配慮もあったのか「緊急全施工マンション検査」を打ち出しましたけど
  数ある中には不正が疑わしい物もまた出てくるのかもしれません。(苦笑)

┗・なぜそこまで言い切れるのかと言いますと、前の住居に居た際にお隣さんが建て替え
  工事で「耐震性の高い」住居を建てられたのですが、どうも実際は免震しようがない
  施工をしてしまったようなのです。現場で小声で怒鳴っていたのを聞いてしまったん
  ですよね。その不具合を正直にオーナーに知らせたのかどうかは定かではないですが
  その後大きな手直しがなかった様子なので「大きな揺れを逃がす」という機能がない
  家が建てられたんだと思います。このように現場に張り付いていないと、または行政
  役人による立ち入り検査が行われないと、日本の建物というのは信じられないのかも
  しれませんね。。。