2016/04/09(土)<現代中国の“光と影” ”先富論”40年後の現実>
【報道特集】 http://www.tbs.co.jp/houtoku/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓特集 <現代中国の“光と影” ”先富論”40年後の現実>
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急激な成長を続けてきた中国経済に陰りが見えてきた
“豊かになれる者から先に”との号令の下、
社会主義の枠組みに市場経済を導入する
独自の政策を歩み始めて「40年」
“持てる者”と“持たざる者”との格差は今も広がり続けている
中国経済の光と影を追った-
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┣■“中国版シリコンバレー”
中国・北京市
“創業通り”
北京大学や清華大学などの有名大学、ITビジネスの中心地として知られている。
・今この通りが【ベンチャー企業】の起業家や投資家が集う「出会いの場」として
今非常に注目されている
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◆景気の先行きに暗雲が立ち込める【中国】で
今、希望に燃える若者達が集う場所がある
・今流行りの天板のない剥き出しの天井から直接電源を繋ぎ、書くテーブルに
電源コードがぶら下がっている。
・テーブル上ではノートパソコンやスマートフォンを手に熱心に若者達(?)が
話し込んでいる。彼らはいずれも“起業家”や“起業家の卵”だという。
◇20歳前後の男性
西安から来ました。投資してくれる人と仕事仲間を探しに来ました。
大学生が持つ中古品をインターネットで売るビジネスを始めたいんです。
◇40代前半の女性 ※いとうあさこ似
(よくここに来るんですか?)ハイ。2,3日に1回は来ます。(笑)
同じ夢を持つ人が集まると色んなアイデアが生まれるんです。
・見た目は普通のカフェと同じ。若者達は思い思いに陣取ったテーブルで
新たなビジネスを立ち上げるための情報交換をしたり、
時にはプレゼンテーションをして、
新たなアイデアや事業を立ち上げるための投資を募っている。
<番組で紹介されたプレゼンテーション>
・先程の「大学生が持つ中古品をインターネットで売るビジネス」(無音映像のみ)
・中国で最も貧しい地域の1つ【安徽省】の農村から来た自称“田舎者”の男性
地元名産の茶葉販売を行っている。
「私の畑は平均標高800mの高地にあります。交通がとても不便で
アクセスが良くないのですが、その分、土も空気も汚染されておらず
とても美味しいお茶の葉が育っているんです。」
成長から取り残された内陸部にあって、貧しさから抜け出す「起死回生の策」は
ないかと、はるばる北京市にあるこのカフェまでやって来た。
「昔はどの家もお茶を栽培していましたが、1990年代以降、
皆畑を捨てて出稼ぎに行きました。
私は畑を再生させて、またお茶を育てたいのです。」
「インターネットは今や主流メディアですから
ネットを通してお茶を売れないかと考えています。」
Q.チャンスは掴めそうですか?
A.「必ず掴めると思います」 ※パッと見、素朴そうだが野心は高そう。
いかにも大国・中国人らしい男性。(笑)
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“創業通り”
僅か200m程の通りだが「アイデア1つ」で誰でもビジネスが立ち上げられる
とあって、今では約2500のベンチャー企業や投資会社が集まっている。
・とあるビルでは長テーブルが敷き詰められており、天井から社名が印字された
看板が吊されている。小さなベンチャー企業群がノートパソコン片手に黙々と
仕事をこなしている。ちょっとした役場のような雰囲気。
・目指すのは“中国版シリコンバレー”
【国有企業】に偏ってきたこれまでの経済構造を変えるものとして
【中国政府】も積極的に支援を行っているという-
Q.中国社会で成功するためには様々な人間関係、いわゆる“コネ”が必要だと
言われてきたが、その点はどう思うか?
A.
◇聶麗露 総経理 “創業通り”管理会社
重要なのは“情熱”があるかどうかです。投資家はそこを見ているのです。
(まさにここは“チャイナドリーム”を実現する場になるわけですね?)
多くの若者が自分の夢を実現させようとしています。
私達は彼らに必要な環境を提供してあげるだけです。
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◆“チャンス”を掴んだ起業家
・その“創業通り”で投資家を見つけ、大きく巣立った起業家がいる
◇李鵬 社長 ファストフードチェーン
北京市内でファストフードをチェーン展開する会社の社長・男性。
住居と事務所が一緒になっているマンションを所有。※かなりお洒落な建物。
清潔感漂う事務所に入ると、50人いる従業員のほとんどが20代の若者達。
海外の留学経験者も多いという。 ※真っ白な壁のオフィスに入社した記念にと
社員の手形を色取り取りのペンキで貼っていた
・前日オープンしたばかりという
北京市内の店舗
【Have Fun!】楽しみなさい!
料理はいずれも肉や卵を一切使わない“ベジタリアンフード”。
添加物は使用せず、野菜は契約農家から直送される新鮮な物だけを使っているという
Have Fun 有饭(上地店)电话,地址,价格,营业时间(图)-北京-大众点评网
「安全・安心・低カロリー」という中国ではまだ珍しいこのコンセプトが
見事に当たり、店は連日賑わっている。
価格は30元(約500円)
客の多くは一流企業などに勤めるOLなどの富裕層。
◇OL 20代半ば
私は油の少ない健康的な料理が好きなので、これまでは弁当を持参していたんです
今はこの店ができたので弁当は要らないし、早起きする必要もなくなりました。
◇OL 20代半ば
(ベジタリアンの店だが、物足りなくない?) いえ、女性にはちょうどいいです。
(お昼ご飯の予算は?) 50元(約850円)以内です。
(ここは高くない?) ええ。*頷く* ※見た目かなり美形
・現在、北京市内に3つの店舗を構える◇李鵬 社長。
近く新たな投資を受ける予定で、将来は中国全土へのチェーン展開を目指している。
Q.中国という所は非常に立派な食文化がある所で、
こういった“ベジタブル”レストランがこんなにヒットすると思いましたか?
A.
◇李鵬 社長
中国人も豊かになるにつれて、食事に使うお金が増えてきたんです。
Q.中国経済が若干停滞してきているとか、色んな数値が落ち込んでいるわけですが
まだまだ起業家が伸びる余地は中国にあると思いますか?
A.
◇李鵬 社長
この店を見て下さい!
以前は「中国製品を輸出すること」にビジネスチャンスがありましたが
これからは「中国人の生活を豊かにすること」にチャンスがあるのです。
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┣■“先富論” 40年後の現実
◆『社会主義』の枠組みの中で『市場経済』を導入してきた【中国】
・その旗印となってきたのが、当時の指導者・鄧小平が唱えた
「豊かになれる者から先に豊かになれ」 という『先富論』。
・あれから約40年。
豊かになれる者は確かに豊かになった今の【中国】。
しかし街を少し離れれば、
その豊かさの波に乗れた者がまだ“ほんの一握り”に過ぎないことが分かる-
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【河北省・張家口市】
homohominilupus.cocolog-nifty.com
北京市から車で3時間。
【小学校】の1日は国旗の掲揚から始まる。 ※右手を挙げて国歌斉唱していた
生徒数は100人余り。
トウモロコシ農家や炭鉱労働者の子供達が長年通ってきたこの学校だが
今“ある問題”に直面している。
Q.両親と一緒に住んでいない人?
A.
『留守児童』
両親と離れて暮らす子供達のことを中国ではこのように呼んでいる。
小学1年生のこのクラスでは「26人中12人」が留守児童だった。
Q.今一緒に誰と住んでいますか? Q.ご飯は誰が作っているんですか?
A. A.
◇小学1年 女子生徒 ◇小学1年 男子生徒
おばあちゃんとおじいちゃん おばあちゃん
『留守児童』の親はいずれも【北京】などの大都市に「出稼ぎ」に行っている。
子供達が居る故郷に帰ってくるのは、旧正月の時など「年に数回」だけ。
◇担任の先生 50代後半の女性
今は農業だけでは食べていけないので、
老人や子供を残して若者が「出稼ぎ」に行くようになったんです。
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┣■中国『留守児童』のヤミ
【河北省・張家口市】
小学1年生の教室に1人不安げな表情を浮かべている児童がいた。
◇李昕勝くん(7)
彼も親と離れて暮らす『留守児童』の1人。 ※周りが斉唱しているのに1人だけ
声を上げられず周囲を見渡すばかり
80歳になる祖母と二人暮らしだという。 情緒不安定であることが伺える。
・先祖は代々トウモロコシの栽培で生計を立ててきたが
「物価の高騰」などで生活は徐々に苦しくなり、
5年前2011年に両親は【北京】に出稼ぎに行った。
その後、両親は「離婚」したという-
Q.お父さんはどこ?
A.
◇李昕勝くん(7)
・・・ 北京。
Q.お母さんはどこ?
A.
◇李昕勝くん(7)
・・・ ・・・ ※答えようとしない
Q.お父さんは北京で、お母さんは?
A.
◇李昕勝くん(7)
離婚したので知らない。・・・
Q.お父さんは北京で何の仕事している?
A.
◇李昕勝くん(7)
*首を横に振り*(知らない)
Q.いつから2人で住んでいる?
A.
◇祖母(80)
ア? (二度大声で繰り返し聞くが)、聞こえない。
(3度目の質問で)オォ、アッァ、今はこの子と2人だけ。
(いつから?)・・・ ・・・ 5年前。 ※耳が遠いだけでなく、少し話すのも大変な様子
この子しかいないの。
誰も面倒を見てくれない。
・父親からの仕送りは徐々に減り、今では年に500元(約8500円)程。
代わって◇李昕勝くん(7)の世話をしてきた祖母も耳が遠くなり、
目も悪くなってきたため、最近では◇李昕勝くん(7)の面倒もみることが
難しくなっているという。
Q.心配は何?
A.
◇李昕勝くん(7)
おばあちゃんが死ぬこと。 ※祖母に向けられた質問だったが咄嗟に口に出した
◇祖母(80)
この子は私が死ぬことが心配なんです。
この前も私が寝込んでいたら
「おばあちゃん、どうしたの?」って不安そうに泣くんです。。。(涙)
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【河北省・張家口市】
多くの『留守児童』を抱える◇李昕勝くん(7)の【小学校】では
先月2016年3月から【NGO】の協力を得て「無料の給食サービス」を始めた。
『留守児童』の栄養状態を改善することが狙い。
※銀のプレートに綺麗に程良く盛りつけられている。始まったばかりでもあり
まともな配給。地域によってはかなり悲惨な給食の実態も見たことがあるが・・・
「美味しい」 (家と比べてどっちが美味しい?)「学校」(笑)
(どうして?) 「美味しいから」
・しかし『留守児童』が抱える問題は「栄養面」だけではない。
会話が苦手だったり情緒が不安定だったり、多くが内面にも問題を抱えているという
Q.『留守児童』の子供達で「性格」に特徴とかはありますか?
A.
◇担任の先生 50代後半の女性
「孤独」で他の子とあまり遊びません。
『留守児童』に対しては、特に愛情を持って接し、
優しく話しかけるように心掛けています。
<【中国】の『留守児童』> ※【中華全国婦女連合会】調べ
全国に「約6000万人」
→ 農村地区に限れば、子供の「約38%」にも上る。
去年2015年6月
【貴州省】の貧困地域
兄妹4人で暮らしていた『留守児童』が農薬を飲み“集団自殺”。
中国社会に衝撃を与えた。
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┣■『留守児童』の父を追って
◆厳しい現実に晒されているのは、残された子供達だけではない
◇李昕勝くん(7)を置いて5年前2011年に出稼ぎに行った父親を追った-
※実家には家族の写真が飾られていた。別れた母親は父親よりも体格が良く
どちらかというと「かかあ天下」な印象を受ける。
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【北京・通州】
北京市でも地方からの「出稼ぎ労働者」が多く住み集まる街。
・夜明けを迎えた街では、人々が「その日に仕事を求めて」動き出していた。
通りのアチコチで「日雇い労働者」を募集する看板が見かけられる。
「臨時工」70元
給料は「1日70元」(約1200円) ※日々変わっている。
・職を探して街を歩く労働者の中に、見覚えのある李君の父親がいた。
「日雇い労働者」の看板を掲げる男達に話しかけるがすぐに引き返してきた
断られたのであろうか ??
日を改めて父親の元を尋ねた-
Q.今は決まった仕事がない?
A.
◇父親 ※李昕勝くん(7)
無いです。アッチでちょっと働いて、コッチでちょっと働いて・・・
Q.どんな仕事をするの?
A.
◇父親 ※李昕勝くん(7)
1日70元か80元(約1350円)もらえたら何でもします。
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◆“チャンスない”父の苦悩
【北京市】
中心には真新しい高層ビルが建ち並んでいるが、地方から来た労働者が集まる
この【通州】地域には打って変わって古びた住宅が建ち並んでいる。
・細い路地を進み、鉄製の階段を上がった所に
父親が身を寄せる集合住宅があった。
電灯もない真っ暗な廊下。その先にある4畳程の部屋には窓一つなく
“すえた臭い”が立ち込めていた。
部屋にはベットと小さな机があるだけ。
この部屋にある物が父親が持つ財産の全てだという。
Q.どうして(故郷の)【河北省・張家口市】を出たの?
A.
◇父親 ※李昕勝くん(7)
とうもろこしの価格も下がり、金も底をつきました。
どうしようもなかったんですよ。
・追い立てられるようにして故郷を後にした父親。 ※煙草を吸っていた
お金が無くても
しかし減速を始めた中国経済の不穏な足音は、 煙草は止められない
40を過ぎた父親の元にも忍び寄っていた。
Q.【北京】ではこれまでどういった仕事をやってきました?
A.
◇父親 ※李昕勝くん(7)
去年2015年は屋根の・・・ 防水工事をやりました。
以前はまだ仕事も見つけやすかったのですが、、、最近は難しくなりました。
若ければまだ雇われやすいですが、私も歳を取ってきましたし、
パソコンもできないし、手に職があるわけでもありませんから。
・取材中に父親の携帯電話が鳴った-
あー坊や、学校は終わった?
ご飯は食べた? 食べたの?
息子の李昕勝くん(7)からだった。電話口の息子は家で見た時とは違い
とてもおしゃべりなようだった。
Q.小学校の小さいお子さんを残していますが
やっぱり子供と一緒に住みたいですか?
A.
◇父親 ※李昕勝くん(7)
もちろん! すぐにでも住みたい。(悲・涙)
親は老いたし、子供は小さい。。。*グスン*
(やはりお子さんのことは凄く心配ですか?)
ええ、、何かあってもすぐに帰れないし。。。
Q.【北京】には沢山お金持ちの人がいますけど
そういう人達を見るとどう思います?
A.
◇父親 ※李昕勝くん(7)
・・・ 「私にはチャンスがない」。。。
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┣■『先富論』40年後の現実
午前7時過ぎ
【北京・通州】
北京市内中心の仕事場へ向うため、バスを待っている人達が大勢立ち並んでいる。
並んでいるいうよりも順番など関係なく、隙間を見たら乗り込もうという姿勢。
車道をはみ出してバスが到着するのを大勢が待ち構えている。ゴチャゴチャして
交通ルールなどあったないような状況に映る。
◇日下部正樹 キャスター
この辺りは本当に同じ【北京】とは思えないほどですね、エー人々の身なりとか
街の様子、全く違います。ひと昔もふた昔も前に、まあ時間を逆戻りしたような
そんなような雰囲気です。 いやーこれも大変だ。 ※バスのギュウギュウ詰め
乗れずはみ出される乗客
・『市場経済』の導入によって“驚異的な成長”を続けてきた【中国】。
しかし「富を手にした者」と「手にしていない者」の“格差”は一向に埋まらない。
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◆実は『留守児童』李昕勝くん(7)が住む
【河北省・張家口市】
2022年開催の『冬のオリンピック』で、スキーの競技会場になることが決まっている
スキーは【中国】でも富裕層を中心に人気が高まっている。
ゲレンデでは北京から来たスキー客が人工の雪の上を勢い良く滑っていた。
Q.【中国】ではスキー客が今増えてきているんですか?
A.
◇スキー客 30代半ばの男性
今年2016年は特に多いですね。
(「中国経済が危ない」という人もいるがどう感じてますか?)
私は不景気だとは感じませんねぇ。
◇スキー客 60代前半の男性
もう七,八十回来ましたかね。
(「格差の広がり」を感じますか?)
敏感な問題ですけど、確かにそうでしょうね。(苦笑) ※勝ち組。ヘルメットには
小型カメラを装着。
いかにも富裕層のウェア
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・一方で、すぐ隣にある【選手村】が建設される予定の村では
「立ち退き」を命じられている住民達が「明日への不安」を口にしている-
Q.引っ越すの?
A.
◇60代半ばの男性 ※日焼け?炭鉱労働者? 真っ黒
ハイ。(どこへ?) 街中!
(行きたい?)ハァ? (苦笑)。行きたくないけど皆行くよ。(苦笑)
※ボロボロの住居から子羊が顔を覗かせていた。
◇60代半ばの女性
引っ越したくないわ。
田舎に居ればお金が掛からないけど、街に住むとお金が掛かるでしょ?
年寄りも子供も居るのに、生活していけないわよ! アァ!
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『先富論』(鄧小平)
「豊かになれる者から先に豊かになりなさい」
その続きには「豊かになった者は、貧しい者を助けなさい」と記されている。
・「減速を始めた経済」と「固定化されつつある格差」という二つの問題を抱え、
【中国】は今後どこへ向うのだろうか-
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┗■スタジオにて
◆成長の陰で広がる「格差」
◇膳場貴子 MC
「格差」が広がっているとは聞いてましたけど、ここまで貧富の差が生まれて
しかもそれは昔と違っている。その象徴とも言えるんでしょうけれども
小学1年生の李君? エー『留守児童』あーいった『留守児童』が6千万人も
いるというのは本当にショッキングだし、可哀想だとも思うんですけれども、
その背景には何があると思いますか?
◇日下部正樹 キャスター
あの「格差」を生む背景にはね、中国独特の『戸籍制度』というのがあってですね
あの農村に住む人と都市部に住む人の『戸籍』が全く分けられていて、
あの「教育」とか「医療」とか受けられる社会保障の内容が違うわけですね。
これは古い制度でね。『市場経済』導入前までは何とかやってきたんですけれども
『戸籍』の変更は原則できないから「富を求めて」農村部の人がドンドン都市部へ
行くと色んな・色んな問題が起きているんですね。エー、さっきの『留守児童』も
農村の子は都市部に行っても学校に普通には入れないわけです。ですからあーいう
(留守を余儀なくされる)子供達になってしまうと。
まあ一部で改善の動きもあるんですけれども、これ全体を解決するのには相当の
時間が掛かると思いますよ。
◇金平茂紀 キャスター
なんかね、VTR見てて思ったのは「貧困」と「格差」っていうのが今、世界を
覆っているっていうね。だから【日本】にとってもこの【中国】の姿っていうのは
決して他人事じゃないと思うんですよ。かつて日本が歩んだ姿。それから現に今、
日本が歩みつつある姿っていうのを極端な形でこう再現しているような気がしたん
ですけれども、これほどまでにこう“残酷な格差”の歩みに対して、それを是正
しようっていう動きはないんですか ??
◇日下部正樹 キャスター
あのまず前提として中国社会が豊かになったってことは事実ですね。
それで都市部と比べると非常にゆっくりとしたペースですけれども、
農村部も徐々に生活レベルは上がっている。ただしそれ以上のスピードでですね
「不公平感」というのが広がっているんですね。
それに対して今の【習近平政権】は何をやっているかっていうと
まず「腐敗の取り締まり」とか、そういうことをやっているんだけど
「まあ、その場限りだ」「その場しのぎ」に過ぎないわけですね。
それどころか先程言われた『パナマ文書』でですね(苦笑)、
自らを始めとした幹部の親族の名前が挙ったり、色んなことが起きてます。
エー、一方で【共産党】というのは世界の中でも【中国】の存在感が高まるにつれ
ですね、非常に「独善的」に「独善的」になって、前の政権まではなんとか民主化
を含めた政治改革の理論もあったんですけど、それも今は影を潜めてですね、
それどころかそういった動きを抑え込もうとする! それが今の【中国】だと
思います。
◇膳場貴子 MC
ハイ。*コクリ* 「現状のこのやり方でいいのだ」っていう?
日下部キャスターの中国取材特集でした。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・ピンポイントで伝えられがちなお隣【中国】社会問題を割と巧くまとめられて取材
されていたと思います。最新の状況としてちょっとメモに残してみました。
┣・四十過ぎの私らでギリギリ覚えていると思うのですが、これら中国の現状はひと昔
前の日本でも見られました。出稼ぎは東北地方の若者の『集団就職』であり、また
20年前の九州や沖縄などでは高卒の一括就職なども見られましたね。今も企業は
雇用確保のために残っているのではないでしょうか?
┣・オリンピック開催で歓び「全てが上手くいく」かのように大喜びするのは一部活躍
が期待できるエリートスポーツ選手らと、ハコモノ利権と名誉を結びつける愚かな
政治家くらいなものです。私も実際2020年『東京オリンピック』の選手村予定地で
勤めておりましたけど、やはり職場では強制立ち退きされるため「次の職場確保は
可能なのか?」といった非正規雇用者の不安の声はありました。フェンシングらの
バカ歓びは我々の眉間を琴線を確実に触れています。(苦笑) 猪瀬も舛添も愚かで
あることが早くも露呈され、都庁周辺には早くも“きな臭い”動きが・・・ ?
┣・【習近平政権】に対して辛辣なコメントが述べられていますが、最初は間違いなく
改革に勤しんでいました。しかし「腐敗撲滅」が上手く進まず、近親者らの制御も
できていないことが明かされてしまった今、独裁者によく見られる弾圧・強要へと
方針転換していく節が昨年2015から感じられるようになりました。それらをネタに
【日本】でも「保守」だと謳う利権主義者の動きが活発になりつつあります。その
対抗勢力として正反対の【日本共産党】が自然と浮上するわけですが、過去の歴史
などを振り返れば、果たして信用していいものかどうか。コチラも極端な行動など
してますからね。(苦)
┣・「生活苦」から田畑を捨てて『出稼ぎ』に。不景気から上手く稼げず、元の田畑に
すら戻れなくなってしまった。まさに“どん詰まり”な人生です。そうした輩が
1人また1人と集っていけば『改革』と称した抗議活動が起るのは長い歴史が証明
しています。
┗・昨日の腰痛はだいぶ治まりました。いずれ訪れるであろう『改革』に備えて私も
身体を鍛え直しておきたいと思います。(^^ゞ 基本的にウェルカム。(笑)