白狸の考現家 +TV・RADIO +shikohin

幅広・デカイです。パソコン・タブレットでの閲覧を推奨します。

米“対テロ戦争”最前線 軍事用ドローン 衝撃の実態

2015/08/03(月)<米“対テロ戦争”最前線 軍事用ドローン 衝撃の実態>
報道STATION】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/

www.tv-asahi.co.jp


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏┓特集 <米“対テロ戦争”最前線 軍事用ドローン 衝撃の実態>
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ◇山口豊 キャスター
  戦後70年を迎えている日本では今『安保関連法案』の審議が進んでいまして
  「米軍への支援」を拡大する方向で議論が進んでいます。

  では、その「アメリカの戦闘の最前線は今一体どうなっているのか」
  確認しておく必要があると思うんですよね。


  こちらはアメリカが「アフガニスタンなどのアルカイダ」や「IS自称イスラム国」
  との戦闘に使っている無人機ドローンです。
            http://www.excite.co.jp/News/photo_news/p-483680/


  ドローンと言いますと日本では商業用のドローンを思い浮かべる方が多いと
  思うのですがこれは全く違っていまして、全長が10m前後・高い戦闘能力を
  持っています。その一方で“誤爆”が多くて非常に多くの一般市民をも巻き込んで
  いることが問題になっているんですね。

  今回私たちは日本のテレビメディアとしては初めてこの攻撃型ドローンへの
  取材を許可されました。

 

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣■これが米“対テロ戦争”最前線


 ◇地元メディア(?)
  我らの指導者がアメリカの空爆で死亡した。

  2015年6月
 ◆国際テロ組織【アルカイダ】のNo.2が殺害された。
  米の極秘作戦『無人機ドローンによる空爆』だった。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  2015年7月28日
 【エチオピア】
 ◇オバマ 米大統領
  アメリカはテロを終わらせるため、共に戦う。

 ◆オバマ大統領が訴える“テロ掃討作戦”
  今はそのほとんどが『無人機ドローンによる空爆』が作戦の柱になっている。


 『無人機ドローンによる空爆
  兵士が直接行かず、遠隔操作でテロリストを殺害できる。
  しかし・・・


 ◇国連の会見
  非常に、非常に深刻な事態だ。

 ・実はその裏で「民間人への誤爆」が多発しており、
  『ドローン』は世界的に批判を浴び続けている。


  アメリカが行う「新たな戦争のカタチ」とは-
  その実態を取材した。

 

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣■『軍事用ドローン』衝撃の実態


  アメリカ南西部
 【ニューメキシコ州】
  広大な砂漠の中にアメリカ軍のその基地はある。


 【ホロマン空軍基地】
  『軍事用ドローン』の訓練の最大の拠点となっている。

 ・ドローンによる作戦は、ほぼ全てが“軍事機密”。
  繰り返される厳重なチェックをくぐり抜け、
  日本のテレビメディアとしては今回初めて基地内部の取材が許された。

 ・ここでは実際の機種20機が配備され、
  約500人のパイロットが訓練を行っているという。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  <軍事用ドローンの前で取材敢行>

  『MQ-9 リーパー』 “鎌を持った死に神”という意味。

  『RQ-1 プレデター』“捕食者”という意味。


 ・米空軍だけでこの2機種合わせて約300機近く保有しているとみられている。


 ◇ドローンのパイロット
  ここ(搭乗部分に当たる場所)は航空機の頭脳だ。コンピューターなど
  全てがこの中に入っている。衛星用のアンテナもこの中に入っているんだ。

 ・操縦は米国本土の各基地で行われる。中東に配備されているドローンを
  1万km以上離れた場所から衛星を使って遠隔操作し、空爆する。


 ◇ドローンのパイロット
  私たちが「ヘルファイア」(地獄の業火)と呼ぶミサイルだ。
  広いエリアの攻撃には向いていないが、人間を標的にするには非常に素晴らしいんだ

  『MQ-9 リーパー』 “鎌を持った死に神”という意味。
   「ヘルファイア」ミサイル4発と爆弾2個を装備。
   また場所や天候、あらゆる状況に対処できるよう機体には
   望遠、広角、赤外線など7種類のカメラが搭載されている。

 ・レーダーに映りにくい上空5千mから長時間、標的であるテロリストを監視し続け
  ピンポイントでテロリストを攻撃する。


 ◇ドローンのパイロット
  ドローンは今、非常に高い需要がある。
  司令官や現場からは「もっともっと増やせ」と言われている。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆最強の戦闘機
 『F22 ラプター』は、  1機約180億円

  無人機
 『RQ-1 プレデター』は、1機  約5億円 ※36分の1


 ・戦場で兵士が死なない上、格安で配備できる。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  <軍事用ドローンの前で取材敢行>

  基地内のフェンスで囲まれた場所にある
 『グラウンド・コントロール・ステーション』
  無人機ドローンのコックピットが並んでいる場所。

 ・ベージュ色のコンテナが均等に並べられており、巨大な衛星アンテナが建っている。


 ・コンテナ、コックピット内部に立ち入る。
                              操縦席
 ・入り口奥にある、畳2畳分ほどの小さなスペース。ドローンのコックピット。

 ・パイロットは2人。

  右の操縦席 → カメラを動かし照準を合わせる。
  左の操縦席 → 機体を操縦しミサイルを発射する。

  映像は上空を飛ぶドローンからここへ送られてくる。


  ※操縦席自体に小さなモニター2つずつ。
   前面に20インチ程度の液晶モニターが5*2段=10枚掲げられてある。
   左右にある2*2段=4枚はどうやら同じ。操縦席の間にある真ん中2枚は異なる
   リアルな白黒映像が真正面1枚ずつ(2)。地図・座標を示す物が2枚ずつ(4)
   真っ黒い Windows画面のアイコンが表示されているのが3枚。中央下1枚だけ違う
   → 黒い画面だったものが訓練中、オレンジ色の物に表示されていた。
   また中央に外部との連絡用と思われる固定受話器が1台。これは極普通。(苦笑)


 ・ミサイル発射の訓練ではCGが使われている。「スリー・ツー・ワン。*カチ*」
  まさにテレビゲームの様だった。


 Q.実戦では(標的の)乗っている人の顔や車のナンバーは確認できる?

 A.服のブランドまでは確認できないが、シャツの色などは認識できる。


 ・実際の任務では無人機ドローンのパイロットは「シフト制」。

  朝出勤して1万km離れたテロリストを殺害。
  そして夕方に帰宅し、家族と食卓を囲む。

  ドローンによる戦闘ではそのようなことが可能になる。


 ◇ロバート・キーブラー 司令官 ホロマン空軍基地
  『軍事用ドローン』は【米軍】に素晴らしい恩恵をもたらしている。
  世界中のどこかで常に飛んでいる。テロリストの上空に長時間滞在し
  標的を常に監視できるんだ。 ※veryをやたらと使っていた気がした。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  2001年
 【9.11米同時多発テロ
  当時のブッシュ政権が対テロ【アフガン戦争】からドローンが本格的に
  導入されたとみられている。

 ・オバマ政権もドローンを「対テロ戦争の切り札」と位置付け、
  アフガニスタンパキスタンソマリア、イエメン、中東各地に送り続け
  空爆も行っている。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆しかし、

  2013年
 【国連
 『無人機ドローン』による被害報告書をまとめると、世界中に衝撃が走った。


 ◇エマーソン 特別報告官 国連
  (パキスタンでは)約5年間で400~600人の一般市民が巻き込まれ
  命を失っている。

 ・英非営利団体【調査報道局】調べ

  2004~2015年
  パキスタンソマリア、イエメンの3カ国だけで
  『無人機ドローンによる空爆』で
   死者5618人(民間人1267人を含む。) ※死者の5分の1が民間人

  アフガニスタンイラクなどを含めると、被害者の数は更に多いとみられる。


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣■高まる批判“誤爆”なぜ起きる


 Q.誤爆がある程度起きていると我々は聞いているんですけれど?

 A.
  ◇ロバート・キーブラー 司令官 ホロマン空軍基地
   ドローンは「民間人」を傷つけるのが目的ではなく「守る」のが目的だ。
   誰が味方で、誰が民間人で、誰が敵かを見分けて、ちゃんとした判断で
   攻撃をしている。


 ・本当にそうなのか?


 ◇ブランドン・ブライアントさん(29) ドローンの元パイロット
  明らかに罪のない民間人を殺したんだ。

 ・2006年から2011年までの5年間、アフガニスタンなどをドローンで攻撃した。


  ミサイルが着弾する直前、小さな人影が建物に入っていった。
  明らかに子供だった。建物は粉々になったんだ。

  上官が私に言ったよ。「あれは犬だった。だからもう忘れろ」と。


 ・ブランドンさんはこれまでに多くの民間人を巻き込んでしまったと話す。
  なぜ“誤爆”を引き起こしてしまうのか?


  (ドローンのカメラでは)車のナンバーまでは見えないし、顔も見えないんだ。
  “シグネチャーストライク”だよ。
   テロリストの特徴となる仕草や不審な行動を基に人物を攻撃するというもの。

 ・しかし実際は敵を特定できなくとも「怪しい」というだけで攻撃が許可されていた。


  「これがテロリストだ」という写真を持って来られても、
  それだけで探し出すことはすごく難しいんだ。
  向こう(中東など)では、みんな同じような格好をしてるし、
  みんな似てるから判らないんだ。


 Q.それで多くの“誤爆”が起きると?

 A.その通りだ。That's right.


 ・ブランドンさんが直接殺害したのは13人。
  関与した作戦全体では死者1627人にも及ぶ。


  「人を殺す」のがこんなにも簡単なんだってショックを受けたよ。
  自分はなんて「卑怯」なんだって思った。
  安全な米国国内にいて、中東などの会ったこともない人達、
  私に敵意を見せない人達を「ただただ殺した」んだ。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆一方、被害に遭った住民らは、憎悪を募らせている・・・

  イエメン
 【サヌア】近郊
  アメリカはここでも集中的に空爆を行っている。

  病院に並ぶいくつもの遺体。  ※映像提供:【アルカラマ財団】
  (白い布でミイラのように覆われ、白い紐で縛られている。)
  子供2人を含め被害者は13人。ドローンの空爆に巻き込まれた民間人だという。


 ◇村に空爆を受けた住民 中年の男性
  我々はテロリストでもないし、アルカイダでもない。我々は農民なんだ。

 ◇村に空爆を受けた住民 中年の男性
  我々はアメリカに復讐しなければならない。
  戦う準備も死ぬ覚悟もできているんだ。

  ※インタビュー中、背後を取り囲むように集まる人々。
   その表情は全て黙々と怒りに満ちていた。


 ・“誤爆”による憎悪が「テロリスト」を更に生み出しす結果に-


 ・アメリカは“誤爆”を認めつつも
  『無人機ドローンによる空爆』を止めるつもりはない。

  むしろ過激派組織IS“イスラム国”などの攻撃には欠かせないと
  軍事用ドローンを積極的に投入している。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
  2015年5月
 【日本・横浜】
  アジア初となる「武器の商談会」が開かれていた。

 ・軍事用ドローンのブースもあった。「プレデター」「リーパー」関連企業。

  そのブースに視察に訪れていたのは海洋自衛隊の隊員。

 【防衛省
  無人偵察機グローバルホーク』を、2019年度末までに運用する予定。※決定済み


 Q.今後、無人機(ドローン)に武器を付けることはあり得るんですか?

 A.
  ◇赤尾信哉 2等海佐 防衛省 海上幕僚監部 技術部
   まぁあのぉ、今の段階では明確に申し上げられません。
   ただしあの、そういったものが可能であるというような、一つの、
   検討結果が出るのであれば、それはそれで検討していくことになると思います。
   *頷く* (ハイ)。   ※真面目に誠実に受け答えられていた。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆“激変する戦争のカタチ”

 ・専門家は、


 ◇岩本誠吾 教授 京都産業大学 ※軍事用ドローンに詳しい
  (ドローンは)攻撃する側にとってはですね「ゲーム感覚」、
  テレビゲーム感覚になってしまうわけですね。
  そうすると武力行使の敷居が下がっていく。で、常にですね(戦争など)
  敵対行為を行ってしまう、というような「武力紛争の常態化」が発生するんじゃ
  ないか。攻撃側にとっては被害がゼロですから、扱いやすい。
  被害者のですね「人命を軽視」している。
  まっ攻撃側と被攻撃側の「人命の格差」っていうのが生まれていると思いますね。

 

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗■スタジオにて


 ◇山口豊 キャスター
 ・この軍事用のドローンを巡りましては“誤爆”の問題も非常に大きいんですけれども
  アメリカではコンテナの中で操縦するパイロットですね、彼らが精神的なバランスを
  崩してしまうというケースが相次いで起きているんですね。

 ・それはどういうことかと言いますと、ブランドンさんもそうだったのですが
  昼間にコンテナの中で殺害の作戦に加わるわけです。で、夕方になると自宅に帰って
  家族・友人らと食卓を共にするわけですね。そうすると「戦場と日常がごちゃ混ぜ」
  の異常な生活を繰り返すわけです。その中で精神的なバランスを崩して『PTSD』
  (心的外傷後ストレス障害)になる方が相次いでいるまして、実は去年2014年1年間
  およそ1千人のドローンのパイロットの内240人がこれ原因が全て『PTSD』か
  判りませんが「辞めてしまった」という実態もあるんですね。

 ・で、この“深刻なパイロット不足”に陥っていまして、【米軍】はこの対策として
  1人でですね、今までは2人で1機を操縦をしていたのですが、
  それを「1人で6機のドローンを同時に操縦する」というシステムも今開発しようと
  しているわけなんですね。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◇山口豊 キャスター
 ・またこの世界に目を向けてみますと、実はアメリカだけではありません。
  中国もですね、このドローンを開発しているんです。

  軍事用攻撃型ドローン『翼竜』。米軍の『リーパー』そっくりなんですが
  実際に実力はどれだけあるのかは判りませんが、値段が『リーパー』の20分の1で
  輸出を始めているわけです。

  で、この動きに呼応するかのように米軍も限定付きながら、限定付きながら、
  こうした攻撃型ドローンの輸出を今年2015年決めました。

  この後こうした『リーパー』などを巡る「ルール作り」も必要だとは思うのですが、
  「日本が今後どうなっていくのか」というのも考えさせられますよね。


 ◇古舘伊知郎 MC
  いや、これを通していろんなことが見えてきますよねぇ。
  ありがとうございました。また明日です。 <(_ _)>

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・放送枠ギリギリでMCの詳しい見解は聞くことはできなかった。だけれども
  これだけの放送を地上波で伝えた意義は大きかったと素直に思う。「輸出」。
  ちょっとした“言葉の揚げ足取り”で、簡単に無人機攻撃型ドローンを
  どこにでも飛来させられる危険があるというわけです。悠長に働いている
  どころじゃない?(苦笑)

┣・この攻撃型ドローンの見て思い出すのが『未来少年コナン』の中で登場する
  「空中要塞ギガント」ですかね。良く見比べれば全然姿形が違うし、無人機
  でもないのだけれど、あの赤黒い戦火の中を悠々と飛び交う姿は戦闘機には
  感じ取れない“無人”的な怖さがありました。宮崎駿の初期の作品は現代に
  対する問題の投げ掛けが多く、全人類が見て知っておくべきではないかなと
  私個人的には感じております。『攻殻機動隊』は日本国内の問題点を実に鋭く
  指摘してますよね。アニメ人気というか、その内容が見る人を惹きつけている
  のだと思います。他には『新世紀エヴァンゲリオン』もそうなのでしょうけど
  アレは世界観が広すぎかなぁ。世界で一番知って欲しいのは『銀河英雄伝説
  じゃないかと。

┗・なんかアニメの感想になってしまいましたが、デジタル化が進み、現実が
  アニメの世界に近づいてきたとでもいうのでしょうか? なんだか不気味で
  心地の悪いものですね。一体これからの世の中はどうのようになってしまうのか。
  せめて“誤爆”では死にたくないなぁ。贅沢な悩みなのかもしれませんけど。