【チェルノブイリ】 事故から30年 終わらぬ闘い
2016/04/25(月)<【チェルノブイリ】 事故から30年 終わらぬ闘い>
【NHKニュースウオッチ9】 http://www9.nhk.or.jp/nw9/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓ <【チェルノブイリ】 事故から30年 終わらぬ闘い>
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1986年
【チェルノブイリ】原子力発電所で起きた“史上最悪の事故”から
明日2016年4月26日で「30年」になる。
【チェルノブイリ】では【東京電力】福島第一原発事故では起きなかった
“原子炉”そのものの爆発もあり、福島の5~10倍の放射性物質が放出された
<事故により放出された『セシウム137』による土壌汚染>
・【チェルノブイリ】原子力発電所は
同国【ウクライナ】と【ベラルーシ】の国境沿いにある。
・北へ大きく汚染されており、赤色の汚染濃度が高い区域は
1,480-3,700 kBq/m2
【ベラルーシ】の方が【ウクライナ】よりも格段に多く見受けられる。
・【ウクライナ】【ベラルーシ】【ロシア】などヨーロッパ各地に広がった
と報告されている。
30年経った今も事故の影響が続く地域にNHK取材班が入った-
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原発事故から30年
┣【チェルノブイリ】見えない「廃炉」への道
ウクライナ北部
【チェルノブイリ原子力発電所】
取材班が現地を訪れると、爆発を起こした「4号炉の建屋」が見えてきた。
5日前2016年4月20日
「4号炉の内部の映像」※原発関係者:セルゲイ・コセレフ氏が撮影
※*ピピピピピピピピピピ*と放射線量器が鳴り止まない中を
白い防護服を着た関係者が足早に歩いて行く。
※赤茶けたダンボール紙で急遽こしらえたような通路。
※コンクリート壁が明らかになった場所では高熱で溶けて固まったような
ボコボコとしたハシゴ階段。そこを下りるとケーブルの束が剥き出しの
配管や壁などが無数に剥がれた、無残な光景が映し出されていた。
※映像からも事故時は超高温だったことが伺い知れる。
・放射線の値は1時間当たり「500ミリシーベルト以上」。
【日本】で一般の人が1年間に受けても差し支えないとされる被ばく線量を
約7秒で超える程の高さ。 *ピピピピピピピピピピ*
・30年前の事故で溶け出した核燃料が手つかずのまま残っている・・・
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◆『原発事故』への対応を困難にしたのが、
事故の5年後1991年に起きた
『ソビエト崩壊』
・『原発事故』の処理は【旧ソビエト】に代わり【ウクライナ政府】が担うことに
なったものの、政治や経済の混乱で十分な対応はできなかった。
・核燃料を取り出して処理する技術が確立されていない中で
「廃炉」への道筋は今も見えていない。
2016年2月
※関係者が直接、撤退した工場のような内部を調査を行っていた。
・さらに事故直後に“突貫工事”で作られた建屋が老朽化し、※「石棺」と揶揄される
放射性物質が漏れ出す危険性が増しているという。
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◆放射性物質を閉じ込めるために
・現在建設が進められている“巨大な構造物” ※円筒の上半分ような形をしている。
この“巨大な構造物”で「建屋を丸ごと覆う」計画。
【ウクライナ政府】が財政難のため
約1900億円の費用の大半を【日本】や【欧米】などが負担して進められている。
◇ヒンス・ノバク氏 ※【ヨーロッパ復興開発銀行】原子力関連の責任者
(廃炉は)誰も行ったことのない作業だ。
我々には未だに多くの課題が残っている。
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原発事故から30年
┣【チェルノブイリ】今も続く「健康不安」
◆子供達の健康
・事故から30年が経ち、さらに危惧されているのは
“事故後に生まれ育った”子供達の健康。
チェルノブイリ原発から
西に115km
【ジトーミル州コロステン】
原発事故で土壌が汚染され、政府は「自発的な移住」を住民に呼び掛けているが
今も6万5千人が暮らしている。
※地味な田舎町。どことなく日本の昭和の風景を感じさせる。道幅は広いけど(笑)
実用的な建物ばかりで、高い建物でも10階程度のものが少しあるだけの街並み。
・この街に住む
◇ニコライ・プロコポフさん ※かなり古びた・朽ちた感のあるコンリクのアパート
妻と子供2人の4人で暮らしている。
この町を離れようにも【政府】から住宅や移転費用などの支援は得られず、
他の地域で仕事が見つかる目処もなかったため、移住を諦めざるを得なかった。
事故から数年後、妻が「甲状腺に障害」を抱えた。
さらに事故から19年後に生まれた娘リュドミーラさん(10)は
生後半年で「脳腫瘍」と診断された。
これまでに3回の手術を受け、
今は小康状態を保っているが、
手術の副作用で「左目を失明」した。
◇ニコライ・プロコポフさん
これは娘の病気が『原発事故』の影響だとする医師の診断書。
私達はこの町で“多くの放射線”を浴びてしまった。
その結果、娘の身体に異常が起こり「脳腫瘍」ができたのではないかと思う。
・定期的に通う病院の副院長
◇アレクセイ・アイエツ 医師
『原発事故』の前と後では「14歳以下のがん発症率は6倍になった」という。
現場の経験者として30年間でこれだけ著しく病気が増えたのは、
何らかの“被爆”による影響があるとしか考えられない。
【ウクライナ政府】
汚染地域の子供達を対象に「健康調査」を行い、
事故による放射線が
「骨格の変形やホルモンバランス異常などさまざまな病気の原因になっている」
としている。
健康に問題を抱える
◇リュドミーラさん(10)
学校に通えるのは「月に10日」程。
(学校に行きたい?) (なぜ?)
ハイ。 学校が好きだから。 ※俯いて語っていた・・・
・薬は毎日服用しているが【政府】からの補助は全くないという。
※カプセル錠の帯束が1つ、それと瓶状のものを6つ、服用している模様。
・娘の病気が再び悪化する恐れは消えず、家族には不安な毎日が続いている-
◇ニコライ・プロコポフさん
事故との闘いはまだ続いているが、関心を持つ人は少なくなっている。
でも30年が経った今の方が、病気など問題が深刻化していると感じる。
・広がる「健康」への不安、そして今も道筋が見えない「廃炉」の問題。
事故から30年が過ぎても【チェルノブイリ】の問題は解決されないままだ-
暴かれた20ミリシーベルト安全論の虚構 ウクライナ政府報告書に見る病気の蔓延: 原発ゼロ・脱被曝 どうしたらできる?
低線量汚染地域からの報告―チェルノブイリ 26年後の健康被害
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┗■スタジオにて
◇鈴木奈穂子 キャスター
・・・ はい。【日本】でも【福島第一原発】の廃炉に向けては
40年もの長い道のりが待っていますが、
【チェルノブイリ】で事故から30年が経ってもほとんど手が付けられていない
と言ってもいいような現状を見ると、この廃炉を実現していく難しさというのを
改めて感じますね。
◇河野憲治 キャスター
そうですね。【チェルノブイリ】の現状は【福島】と一概に比較することは
もちろん出来ないんですけれども、その一旦『原発事故』が起きると
放射線の影響を抑えるのにね「どんなに時間が掛かるのか」っていうことを
それからやはり「元の生活を取り戻す」のがね、いかに困難なのかなということを
そういう現実を改めて突き付けているように思います。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・先日TBS【NEWS23】の特集で『福島第一原発事故』の現場のやり取りの様子を
詳細にメモしたわけですが、関係者が言う「神風」が吹かなければメルトダウンから
同じく“原子炉”そのものが爆発していても少しもおかしくなかった!
日本の歴史を振り返ってみると、大空襲や核兵器が投下されるなど悲惨な目に遭った
ことも実際多いわけだけれど、
「肉は切れても骨までには達しなかった」「首の皮一枚、繋がった」的な強運めいた
ものも多かったような気がします。
しかし昨今のこの国の成り行きを見ていると、どうやらその強運も次回は起らない
ような気がして私はなりません。「運も実力の内」とはよく言ったもので、実力が
もはやなく、上っ面だけの誤魔化しばかりが横行しているのではないでしょうか。
真面目に考えれば考えるだけ、本当に悲しくて仕方がありません。
┗・【チェルノブイリ】と【福島】との大きな違いは「国力」です。経済小国と大国の
違いでしかありません。被災者を支援する余力のない国ではこのような扱い・無支援
せざるを得ないわけです。「じゃあ日本は大丈夫」などと思うのは早計です。国の
借金が1千兆円を超えており、その大半が国民の預貯金だと言われているわけですが
総預貯金額をもうじき借金が上回ろうとしています。「海外資産がある」と少し智恵
を付けた学者もどきは言うでしょうが、難癖付けられて海外資産が凍結されることも
よく考慮しないといけません。
ハアァ。しかし『原発事故』ってぇのはとんでもない代物です。【東京電力】並びに
『原子力ムラ』関係者はホント下手をこいてくれたものだよ。大馬鹿者、これぞ最悪
「机上のボードゲームの遊び事じゃないんだぞ!」と強く私は言いたいです。
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