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大予測!2016世界はどうなる?

2016/01/01(祝金)<大予測!2016世界はどうなる?>
【NHKスペシャル】 http://www6.nhk.or.jp/special/index.html

www6.nhk.or.jp



*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓NHKスペシャ
┃         <大予測!2016世界はどうなる?>
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 大越健介キャスターらが約2ヵ月に渡り世界で取材をしてきた成果を元に、
 スタジオ一同で議論をする。

www6.nhk.or.jp

 

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┣<1> テロリズム


 ◆現在『テロ』は1日約45件世界中で起きており、1年間で1万6818件。

 ・特筆して多いのは(多い順に)
  「中東・北アフリカ
  「南アジア」(インド)
  「サハラ以南のアフリカ」
  「東南アジア」(インドネシア、フィリピン)
  「東ヨーロッパ」
  「西ヨーロッパ」

  以下(多い順に)
  「南米」
  「東アジア」
  「中央アジア
  「北米」
  「中米・カリブ海諸国」
  「オーストラリア・オセアニア


 ・この10年でテロの件数は15倍にも増えてしまっている。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 Q.今の世界、どんな風に見ていますか?

 A.
  ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
   2015年はまさに世界が「中東の混乱に振り回された」時代だったと思うんですよね
   2016年はそれに対して大国が「どうやって対処していくのか」っていうことが実は
   もう本当に“予測不可能な状態”になってきているところがあります。


  ◇大越健介 MC
   やはり「テロが拡散している」ってことがその恐怖・脅威のステージを上げている
   んだろうと思うんですね。その辺、アメリカを始め、いろいろなところを取材して
   きましたのでそちらをご覧下さい。


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 ◆ネットで広がるテロの脅威


 ・広がるテロの脅威に【アメリカ】はどのように対応しているのか。

 【民間組織】
  インターネットでのテロリストの行動を監視し、米国政府にも情報を提供している。


  過激派組織
 【ISISイスラム
  制作したPR映像をネットを通じて世界中に拡散している。

 ・映像や文章などを見た人達が感化されると“アップロードの騎士”と呼ばれる
  熱心な支持者となり、世界中にPR映像を広げていくという。

  【ISISイスラム国はこうした支持者にネットで接触。直接勧誘することで、
  戦闘員を次々と増やしている。

  ◇大越健介 MC
   ウェブサイト上である意味一人歩きをする・させる人達がいることによって
   この【ISISイスラム国の影響力が世界中に広がっている。


 ・こうした情報はいくら削除してもドンドン“アップロード”されるため、
  対策が追いつかない。


 【中東報道研究機関】
 ◇アルベルト・フェルナンデス 副所長
  これはまさにソーシャルメディア戦争、史上初の『ツイート戦争』です。
  アメリカ政府は50人のスタッフで【ISISイスラム国に対抗するメッセージを
  発信をしていますが、【ISISイスラム国側には5万人もいて、1日10万回も
  ツイートをしています。

  “狂気の沙汰”です。対抗するにはもっともっと人員が必要です。


 ・そもそもどうしてこのような危険な組織が生まれてしまったのか?
  またさらに世界で起きるテロの件数はここ数年で激増している。

  <世界のテロ件数> ※米【メリーランド大学】調べ

   2001年   2,000件弱
   2005年  約2,000件
   2007年   3,000件超
   2008年   4,500件超
   2011年  約5,000件
   2012年   8,000件超 ※2012年以降急増。
   2013年 約12,000件   年々4千件近い伸びを示している。
   2014年  17,000件弱


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 ◆終わりの見えない“テロとの戦い”


  2001年9月11日
 『アメリカ同時多発テロ
  アメリカは『9.11』同時多発テロをきっかけにテロとの戦いを始めた。


 ・アフガニスタンイラクを圧倒的な軍事力で攻撃。
  「世界の警察官」とも言われた。


 ・ところがアメリカの軍事費はかさみ、兵士の犠牲は増え続け、
  米軍地上部隊はイラクからの撤退を決めた。

  2013年9月
 ◇バラク・オバマ 米大統領
  アメリカは「世界の警察官」ではない。
  世界の全ての過ちを正す手段もない。


 ・米軍が引き揚げた後に中東に生まれた“力の空白”。
  それに乗じて怪物のように育ったのが【ISISイスラム国だった。

 ◇【ISISイスラム国の戦闘員
  お前達待っていろ。我々は爆弾を持って行ってやる。


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 ◆知の巨人が警告“不安定な世界”


 【ユーラシアグループ】
 ◇イアン・ブレマー 代表 ※米政治学者
  インターネットが過激な思想を広めて、世界をさらに不安定にさせると予測。

  インターネットは国家の力をドンドン衰えさせています。
  今40億の人々がネットに繋がっていますが、近い内に70億人に達します。
  そのほとんどが貧しい人やグローバル社会から取り残された人々です。

  インターネットはそうした人達の不満を集め、増殖させているのです。

  しかもそれがこれまでにない、すさまじいスピードと破壊力で拡散していきます。
  技術革新がとても“不安定な世界”を生み出したのです。
  ありとあらゆる場所で「紛争」を引き起こしていくことになるでしょう。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆スタジオにて


 ◇大越健介 MC
  「アメリカがどういう風に変わったのか」が非常に大きいと思いますね。


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  これまでアメリカは「世界の警察官」としての役割を担ってきたわけですよねぇ。
  こうやって手を両方から回してですね。それで【ユーラシア大陸】を取り囲むと。
  それによって世界の秩序を維持するというのが、これまでアメリカの・警察の役割
  の図式だったんですね。
             ※フリップ「地球を抱えたアメリカ人」のイラストで説明

  で、それがですね。最近アメリカの力が相対的に低下してきたことによって、
  この抱えてる手が“抱えきれなくなっている”と。(腕が縮まってきている部分?)
  そうですね。手が抱えきれなくなっているこの部分、
  太平洋で言えば「中国と他の国との領土問題の蜂起・展開」とか、あるいは
  右手の方のですね「中東で色んな紛争があったり」両方ともこれはアメリカの
  これまでの警察としての力がですね、段々*2弱くなっていくことによって、
  その弱くなった部分で色々な紛争が起きているんだと、そういう風に理解することが
  できるんだろうと思いますね。


 ◇伊集院光 タレント
  例えば『忘年会』今度の『新年会』とかですね。「私が仕切ります!」って
  リーダーがいたとするじゃないですか。その人に任せておくのが楽ではあるんだ
  けれども、ちょっと鬱陶しかったりもしますよね。

  その人が急に「自分の仕事だって忙しいんだから面倒見切れない」と言われた時の
  あの混乱の感じですよね?
              ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
               (苦笑)。

              ◇小野文惠 キャスター
  その感じ。そうすると   『鍋奉行』が急に手を引っ込めてしまったような?
  メニューは決まらないわ、
  「いや、今まで言いたかったんだけどさ」と言い出すヤツはいるわっていう
  ちょっと柔らかくしすぎた !?
                *一同苦笑い* ◇長澤まさみ 女優
                        「分りやすかった」とフォロー。
                        ※この子、NEWSにかなり疎い様子。
                         終始ポカーンとしていた。(苦笑)


 ◇川上量生 IT企業経営者 ※ドワンゴ会長『ニコニコ動画』の仕掛け人
  あのぉアメリカは「弱体化した」って思っていないんですよね。今はむしろ
  アメリカが世界統一を果たしたんで、もうあの「手を抜き始めた」。
  「各地で反乱が起っている」ってだけの話じゃないですかねぇ。(苦笑)


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  あのぉなんで「テロの件数」が増えているのかって、これは単純な問題です。
  これは別に「アメリカに対する反感が強まった」だけではないわけじゃないけど、
  要は「破綻国家が増えた」からです。

  まずアフガニスタンはそもそも破綻国家になりましたよね。その後に『イラク戦争
  イラクが破綻国家になって シリアが破綻国家になって イエメンが破綻国家になって
  という風に破綻国家の領域が広いんだからテロの件数が増えるのは当然なんですよ。


 ◇伊集院光 タレント
  どうも聞いてると、世の中いろんな所に不平不満があって、どうやらそれにフィット
  したテロの呼び掛けがネットを通じて凄いスピードで行われてて、だから
  「無くならねぇな」って感じがするんですよ。

  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
      ウォー
 『ツイート戦争』

 Q.どういう風にしてみていらっしゃいました?

 A.
  ◇長澤まさみ 女優           インスタグラム
   私もそのソーシャルネットワークだと『Instagram』っていうのをやっているん
   ですけど、写真を上げて近況報告みたいな、ブログよりもっと簡単な写真に
   ちょっとした言葉を付けたりするものをやってるんですけど、
   まっ「自分のファンの人達のために」という思いで始めたのがきっかけなんです
   けれど、なんか書き込みとか、自分の気持ちとは違うモノが入ってくるとなんか
   こう、ウ~ン「ショックだな」と思ったりはするなーっていうのを思い出したりは
   しました。

  ◇小野文惠 キャスター
   長澤さんが仰ったの結構共感できてインターネットの世界だと自分の目の見えない
   所で勝手になんか物事がこうワーッと繋がっていって、それがどうしてそうなった
   のかサッパリ分らん!というような、
                    ◇大越健介 MC
                     思いも寄らない結果に繋がっていくこと。

  ◇伊集院光 タレント
   インターネットの便利さから言えば「平和を願う人の集団」の方も猛烈なスピード
   で増えていいはずで、それがどうしてもテロが具体的に多くなって来ちゃうという
   数字が出るのは、元々ある「不満」や「不平」がインターネットの拡散力で
   スピードが速い。で、実行に移すまでの決定が早いみたいな・・・


  ◇川上量生 IT企業経営者 ※ドワンゴ会長『ニコニコ動画』の仕掛け人
   多分皆ねインターネットについて、インターネットというのは民主主義的なもので
   個人の力が強くなるっていうような幻想っていうのを皆持たれていると思うんです
   けど、僕はまずね、これは間違いだと思っているんですよ。

   インターネットはどちらかというと組織は今まで使い方が慣れていない。国家とか
   大きな組織っていうのはネットの使い方が分ってないために出遅れているだけで、
   個人の方が先に使い方を学んだだけなんですよね。本当はそういうちゃんとネット
   の使い方を分った組織にとってみれば「こんな便利なツールはない」というだけの
   話だと思うんですよね。


  ◇伊集院光 タレント
   今本当に仰ること凄く響くんだけど。結局“芋づる式”に見つけるのも簡単に分る
   ようになるわけですか?組織側が? 
                    ◇川上量生 IT企業経営者 
   ちゃんと、どう管理するかが分れば。 そうです。その通りです。

   そうですよね。組織側があーいう機関を作れば、むしろこの先もしかしてテロを
   先に察知する方に使われるかも・・・
                    ◇川上量生 IT企業経営者 
                     多分ね、テロとかを口実にこれからは
   オオォ。(驚)            “国家権力がネットを支配する”ように
                     なるんですよ。


  ◇大越健介 MC
   テロが増える。それがインターネットによって急速にまた拡散をする。
   それ自体は新しいことではないかも知れないけれど、その頻度というのは確かにね
   激しいものがありますよね。

 

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┣<2> 崩壊の危機?難民問題に揺れる【EU】


 『シリア空爆
  フランス、イギリスなどは【ISISイスラム国を根絶しようと続けている。


 ・一方、ヨーロッパに押し寄せた『難民や移民』は「100万人」を超えている。


  去年2015年11月
 【ドイツ・ベルリン】
  これまで沢山の難民を受けて入れてきたドイツでも、反対の声が強くなっている。

  ◇ドイツ市民 40代前半の男性
   これだけ大量の難民が流入していたら「テロリストが紛れ込んでいる」と
   考えるのが当たり前の状況です。

  ◇ドイツ市民 50代前半の夫婦(?)
   テロはどこで起きてもおかしくない。


 ・【EU】の大切な理念である「国境を越えた自由な移動」
  それさえも今や危うくなっている。


 ◇クラウス・レゲヴィー 所長 エッセン文化科学研究所 ドイツの政治学者
  「【EU】が崩壊してしまう」。そんな最悪の結末もあり得ると予測している。

  【EU】の多くの人々が今、国の中に閉じこもりたいと考え始めています。
  例えばドイツとフランスの間で検問を再開したり、自由な移動を諦めたり
  国ごとの通貨を復活させたりしたいと考えているのです。

  私達は「【EU】の終焉」を目の当たりにするかもしれません。

  このまま各国が自分達中心の考え方になれば、軍事紛争が起きる危険性さえある
  のです。

 

  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆スタジオにて


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  「時代が本当に変わったな」って感じですよね。

  ちょうど【EU】を作ろうっていう時に私フランスにいたんですけれども、
  本当にその時の“熱狂”は凄かったですよ。これで国境の壁はドンドン低くなるし
  人の往来もあって、「ヨーロッパ市民」という言葉が本当にこう人々の中に力強く
  響いていた時代ですよね。それが今や完全に“内向き”になりましたよね。

  【EU】の一つの基盤に『シェンゲン協定』というのがあるんですよ。


 『シェンゲン協定
  ヨーロッパの国家間を「国境検査なし」で自由に行き来できることを認めた協定。
  人の往来を自由にすることで「一つの共同体を作りましょう」という考え。


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  ただ最近は沢山移民(難民)が押し寄せたりとか、一方でヨーロッパの国はどの国も
  財政赤字に苦しんでいるんですよ。社会保障費がドンドン*2削減されていって、
  「自分達の年金が貰えるか分らない」。「失業手当がドンドン減ってくる」。
  そんな時に「なんで外国人の面倒まで見なきゃいけないんだ」という意識がもの凄く
  広がっているんですよね。


 ◇小野文惠 キャスター
  でも素敵なのに。その自由に行き来できて、
  「エッ、パスポートここ要らないの?」っていう。
                         ◇長澤まさみ 女優
                          *コクリ、コクリ*頷く
 ◇大越健介 MC
  ある種「理想の実験」ですよね、コレって。


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  そう「自由を大事だと思ったんじゃないの?」と思うかもしれないんですけど、
  向こうの国々の人、例えばドイツとかって12%とか10%を超える外国生まれの
  人がいるんですね。それって凄いことですよ。

  グローバル化が進んでいったからドンドン人口を移民人口を使って労働力を増やそう
  っていう考え方で始めたんですけど、ここに来て難民が大量にそれ以上に押し寄せる
  ってことになると、もうちょっと国力として無理なんですよね。


 ◇大越健介 MC
  私はあの、さっきインタビューしたドイツのレゲヴィーさんっていう方は
  今悲観的なね、シナリオを言ってましたけれども、彼自身はやっぱりそうは言っても
  「【EU】は理想の実験場なんだ」と。やはりその人も・物の行き来も壁を無くして
  “共存共栄を図るんだ”っていうその理想はこれからも追い求めていくし、きっと
  ヨーロッパは出来るんだということも言っているんですよ。

  ですからやっぱり「理想」とその「厳しい現実」の挾間でね、ヨーロッパ【EU】は
  非常に苦しんでいるんだろうなっていうね。。。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆小野文恵の模型劇場「欧州 vs 中東の歴史」


 Q.中東とヨーロッパの確執は、なぜこんなにややこしいことになっているのか?

 A.
  ◇小野文恵 キャスターが欧州と中東の歴史と関係性について模型を使って解説。

  ・中東とヨーロッパのややこしい関係は100年遡らないと分からない!


   1914~1918年
  『第一次世界大戦
   中東には【オスマン帝国】があり、敵国イギリスと戦っていた。
   イギリスは苦戦していたが、戦況を打破するためにある“はかりごと”を企てる。

   1915年
   「アラブ独立国家の建設」
    【オスマン帝国】内に住むアラブ人に、
    イギリス共に戦ってくれたら勝った暁にはアラブに独立国家の建設を約束する。

   アラブ人は大喜び。一生懸命に戦う。

  ・しかしイギリスは翌年

   1916年
   「仏・露と分割統治案」
    一緒に戦っていた同盟国:フランスとロシアに対して
    【オスマン帝国】を倒した暁には占領した土地はフランスとロシアとイギリスで
    3分割することを約束する。


  ・アラブ人との約束はどうするのか ??  イギリスの二枚舌外交か? ところが更に

   1917年
   「ユダヤ人居住地の建設」
    大財閥のユダヤロスチャイルド氏に対しても勝った暁には【オスマン帝国】に
    在るパレスチナ地域にユダヤ人居住地を建設することを約束する。


   “三枚舌外交”をイギリスは行っていた。


  ・そして【オスマン帝国】にイギリスが勝利した後、
   占領地域(【オスマン帝国】の領地)は、イギリスとフランスで分け合った。


   Q.おかしなところは?

   A.
     ◇長澤まさみ 女優
      「舌の長さが違う」「イギリスの方が領土が大きい」など
      見た目の違いだけを相次いで指摘。あまり勉強してない・興味が薄いことを
      露呈していた。(苦笑) 

          1917年
    ・ロシアは『ロシア革命』が起こり、【ソビエト連邦】という別の国に変わった
     ため、領土分割の対象から外れ、フランスとイギリスの2ヵ国で分割した。

     これが今のシリアとイラクの前身となっている。
          1946年 1932年
          独立  独立

     またこの時、2国間で勝手に引いたやけに真っ直ぐな国境線は
     「民族」「宗教」「文化」を全く無視して引かれてしまった。
     今も国境として残ったままとなっている。

     ◇伊集院光 タレント
      子供の頃、世界地図とかのパズルとか買って貰って「ココとかココとか
      変じゃね?」とか一杯あって。それで後で「そっか要するに会議で都合で
      決まったことだから真っ直ぐなんだ。まさに地図の上でこうやって決めた
      ヤツなんだ」。


    ・約束を守られず、無秩序な国境線も引かれ、アラブ人の中で深い憎しみが
     生まれることとなった・・・

     これが今も続く中東とヨーロッパとの火種となっている。


     ◇小野文恵 キャスター        ◇長澤まさみ 女優
      如何でしたでしょうか、長澤さん。  凄くいい勉強になりました。(苦笑)


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆欧州・中東「100年の因縁」?


 ◇小野文恵 キャスター
  根深いですね。歴史は変えられないじゃありませんか?


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  いやそうなんですよ。でもこれは別に例えばヨーロッパとかの大国がアラブとかに
  関してだけ(約束を)反故にしたわけではないんですよ。でね、結構マレーシアでも
  中華系の人と見たら虐殺したり、共産党ゲリラを虐殺してきたりしたんだけれども、
  なんで中東だけこの問題をね、100年前に原因を遡らなければならないような事態
  になっているのか。
                    ◇大越健介 MC
  そう。                なぜ今も引きずっているのか?


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  そこにですね、実はこのイスラム教の中での宗派対立が折り重なって来ちゃっている
  っていうのが問題をまた複雑にしていると思うんですよね。よく言われるシーア派
  スンニ派の対立という風に言われますけど、ちょうどあの地帯は2つの宗派の分割
  ラインに当たるんですよ。ちょうどこうシーア派とスンニ派が入り乱れている所で、
  イスラム教の中でも宗派の対立がもの凄く激しい、潜在的にはもの凄く対立している
  所なんですよね。それがまだ重なって、さらにそこに今色々な外国勢力が各々支援を
  していって内戦が国際化しちゃったと。


 ◇大越健介 MC
  私もね、フランスにズッと長く住んでいる友人が言うには、やっぱりその
  「ヨーロッパは特に中東に対して歴史上罪なことをしてきたんだ」と。
  もちろん『テロリズム』を認めるわけじゃないけれども、それを彼らの口実になって
  いるのは「歴史上ズッと我々を搾取し続けてきたヨーロッパに対する報復」なんだと
  そう言って彼らは正当化している。


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  その「搾取」っていう言い方なんですけれども、別に搾取しているのはあの地では
  自分達の民族を自分達が搾取しているんですよ。(「同じ民族の中での搾取」)

  例えば、本当にシリアでアサド大統領というのは自国民を強制収容所に入れて、
  拷問して虐殺してます。だけど中東の中では民衆の力がドンドン強くなっていって
  もうちょっと「独裁国家は嫌だ」という気になっている。


 ◇大越健介 MC
  結局そうした色んな鬱屈した感情がね、ヨーロッパという所を舞台に今炸裂している
  感がありますよねぇ。


 ◇小野文恵 キャスター
  でもさっき自分でも模型を説明しながら、100年前の因縁がこんなに響くとはって
  思うと同時に、でもやっぱりズーッと移民を受け入れ続けてきたヨーロッパで、その
  ヨーロッパで暮らす人達の中にはちゃんと“心の変化”が起きる人もいるじゃあり
  ませんか。なんかこれから新しい力になっていく、いくんじゃないのって。


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  その疑問って本当もっともだと思うんですよ。私達ってともすると、こう移民が来て
  ですね、ヨーロッパの国の都会に住めば、段々*2近代文明に馴染んでいってですね、
  近代社会の・民主主義のルールに馴染んでいくんじゃないかっていう風に思うじゃ
  ないですか? で、フランスなんかはズッとそう思ってきたわけですよ。でも実際は
  「移民で行く」そうすると存在としてはマイノリティー(少数派)ですからどうしても
  その同じ境遇のコミュニティーにずっぽり嵌まっちゃうんですよね。

  で、イスラム教を信仰していると、そういった宗教団体が生活の世話もしてくれると
  いう形になると、ドンドンとこの“イスラムの存在感”というのが移民をする前より
  も強くなったりもするんですよね。エェ。


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  あのコレは、やっぱり急激に進め過ぎて『同化政策』を怠ったんですよ。
  で、それはやっぱり(移民を)経済力として利用しようというのが先だったから
  やっぱり「労働力」だったんですよ。で、労働力の先に「市民」になっていくって
  いうのは、それは自然になっていってくれるわけじゃないんですよ。で、この人達は
  自由を勝ち取った人達じゃなくて、だからフランスの建国からの理念を理解せずに、
  豊かさを求めて来た人達(移民)ですよ、ね。

  だからそのフランスが「何を信じているのか」「何を大事だと思っているのか」って
  いう定義をこれからフランス、そういった国々でやっていかなければいけないんです
  よ。そこで今かなり揺れている。


 ◇大越健介 MC
  今【EU】という大きなプレイヤーがですね、どうも大きく揺らいでいる。
  まっその中でと言うんでしょうか。“台頭してきている国”。私はあると思って
  取材してきているのですが、どこだと思います? 伊集院さん。


  ※伊集院光長澤まさみに絡めて次の問題へ。        思わず
   長澤まさみは自分に問いかけるなと思ったでしょと指摘されて苦笑いしていた。

 

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┣<3> “大国”復活? プーチン率いる【ロシア】


 ◆アメリカが「世界の警察官」を止めた裏で“独自路線”を打ち出し始めている

  2014年
 【ウクライナ・クリミア】
  強行に併合した。


 ・【アメリカ】や【EU】との対立を物ともせず、力による現状変更に踏み切った。


  去年2015年9月
 『ロシア軍がシリア空爆
  同じく空爆をする【アメリカ】や【EU】と対【ISISイスラム国で一致団結・・・
  するかと思いきや、

  去年2015年10月
 【ロシア・モスクワ】
  【アメリカ】などが退陣を迫るシリアのアサド大統領と会談。連携を強めている。

  アサド政権を支援する    :【ロシア】や【イラン】
  反アサド政権の勢力を支援する:【アメリカ】【EU】【トルコ】
  【ISISイスラム


 ・【ロシア】は【アメリカ】や【EU】との対立が益々深まっている・・・


  去年2015年11月
 『トルコ軍がロシア爆撃機を撃墜』

  去年2015年12月
 ◇プーチン 露大統領
  我々はトルコがしたことを何度も思い出させてやる。
  トルコは後悔し続けるだろう。


 ・欧米とは一線を画し、独自の価値観で突き進むプーチン露大統領。
  その強気な姿勢は止まりそうになり。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆ロシア国内での問題


 ・実際にロシアに取材に行くと、国内で多くの問題を抱えていることが明らかになった

  欧米からの「経済制裁」に加え「原油価格の低迷」「ルーブル安」
  物価が上昇し市民生活は逼迫していた。

  ◇ロシア市民 30代半ばの女性
   食料品も、服も、靴も、信じられないスピードで値上がりしています。


 【老人福祉施設
  制裁の影響はお年寄りの生活を直撃している。
  この施設では医薬品やおむつなどが不足する事態に陥っている。


 ・さぞかしプーチン大統領への不満が高まっているかと思いきや !?

  ◇ロシア市民 80代とおぼしき女性
   プーチンを辞めさせてはいけません。
   この先も彼に全てをやらせるべきです。正しい方向へ向かっています。

   ロシアは無敵です。かつてのような大国に返り咲きます。 ※両人差し指を立てて
                               力説する老女。(怖)

  プーチン露大統領への支持率は約90%! 信頼は絶大!

  生活が大変なのにどうしてプーチンを指示するのだろうか?


 【モスクワ市内】
  『テロをテーマにしたアート展』にそのヒントがあった。
   地元の若手の画家達がテロをテーマに描いた作品展。

   「プーチン大統領が15分でテロなどやっつける!」軍機を背景にしたものや
   「ストップテロ!世界はプーチンを尊敬している」
   「プーチンが赤ん坊に扮したオバマ、オランド、メルケルに説法している」

  プーチン露大統領はロシア国内では「ツアーリ」=皇帝と呼ばれているという。


 ・圧倒的人気のプーチン露大統領が率いる【ロシア】。
  次はどんな一手で世界に挑むのか?


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 ◆どうして大人気? プーチン【ロシア】の謎


 ◇伊集院光 タレント
  ちょっと意外でしたね。今、恵まれていない人は現政権のことを
  あまり良くは思わないと思っていたので・・・


 ◇長澤まさみ 女優             ◇小野文恵 キャスター
  やっぱり疑問が生まれますよね。(苦笑)   そうですよね。この国の政府は
                       何をやっているんだと・・・

 ◇大越健介 MC
  取材をしていますとね、あのその疑問は疑問としてあるんだけれども
  「でもやっぱりプーチンさんは必要なんですよ」って冷静に答える人が
  意外と多かったんです。


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 ◆小野文恵の模型劇場「プーチン【ロシア】の謎」


 ◇ロシアの人々
  実際に「プーチン大統領、万歳!」と叫んでいるが、別にプーチン露大統領が
  強面だから叫んでいるわけでもない。

  ロシアの人々は「夜も眠れない・・・ 」という悩み事を抱えている。


 【ソビエト連邦】時代 “冷戦”
  アメリカを中心とする【NATO北大西洋条約機構という軍事同盟が
  仮想敵国【ソビエト連邦】に銃口を向けていた。

  そこで対抗すべく軍事拠点を【シリア】と【クリミア】に築いていた。

  今でもその軍事拠点を守ろうと欧米とは違う独自路線を歩もうとしている。

  【シリアの】軍事拠点はアサド政権の管轄内などにあるため、
  【ロシア】はアサド政権を支持している。

  【ウクライナ】領土であった【クリミア半島】を強行併合したもの軍事拠点を守る
  ためだった。そのために『経済制裁』をされてしまう。


 ・【ソビエト連邦】時代の国民は【NATO】がさぞかし“恐怖”だっただろう。

  しかしその頃、【NATO】と【ソビエト連邦】の間には、
  【東欧社会主義国家】いわば【ソビエト連邦】の子分みたいな存在がいた。

  二重の国境線があることで、当時の【ソビエト連邦】時代の国民は安心できた。
                               「夜も眠れた」。


 ・“冷戦”が終わると【ソビエト連邦】と同じ社会主義の流れを組んでいた
  【東欧社会主義国家】はアメリカらが掲げる資本主義へと変わっていった。

  【ソビエト連邦】も崩壊し、領土もだいぶ小さくなってしまった。


  【ロシア】の人々の気持ちとしてはどんどん壁が薄くなっていき・近づいて
  【東欧社会主義国家】だった国の中には【NATO】に加盟する国まで現れた。
                          ※ハンガリーポーランド

  【ロシア】の人々にとっては「ウチの庭」的に感じていた隣国【ウクライナ】まで
  アメリカを支持する政権が誕生した。

  このままではクリミア半島にある軍事拠点まで危ない。「もう我慢できない」という
  【ロシア】の人々の気持ちに応えて、プーチン露大統領は【クリミア】を併合、

   「誰が何と言おうと【クリミア】は譲らない」
   「誰が何と言おうと【アサド政権】を支持する」

  国際的な批判に決してめげることなく、我が道を進み、譲らないものは譲らない。
  守るものは絶対に守る!というプーチン露大統領を【ロシア】の人々は「万歳!」
  と叫んで支持している。

 

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 ◇大越健介 MC
  ただいくら【ロシア】が広い国だと言っても、意識としては【ソ連】時代の領土と
  いうものがあって、ドンドン追い詰められていく。で、そのことを理解しないと
  今のプーチンさんの強気の気持ちって理解できないんだって僕は感じたんですけど。


 ◇長澤まさみ 女優
  そうですね。誰かがそうやって守ってくれないと安心できないですもんね。ハイ。


 ◇大越健介 MC
  それがプーチンさんなんですよね。


 ◇川上量生 IT企業経営者 ※ドワンゴ会長『ニコニコ動画』の仕掛け人
  実際あの【ロシア】をいじめ過ぎているんだと思うんですよね、西洋の、冷戦以降で
  ハイ。これまで。それで怒っているわけで、向こう側の立場になってみれば、例えば
  生活が苦しくなったらプーチンへの批判が増えるだろうっていうのを凄く僕、傲慢な
  考え方だなと思っていて。だって経済制裁したからですよね? 経済制裁をしたのは
  プーチンじゃなくって西側諸国が経済制裁をしたのだから、普通はそれでプーチン
  恨めって思うのって西側諸国の凄く傲慢なところで(苦笑)、殴っといて(笑)、それで
  「おまえボスを変えろ!」って言っているわけでしょ?(笑)


 ◇伊集院光 タレント
  なるほど。いやいやなんかね。やっぱりどっかで僕はそうなった経緯も含めて、
  アメリカ側というか、反ロシア側の考え方ですよ、きっと。(笑) 恐らく。
  だから今みたいなことを思うんですよ。

  「プーチンがシッカリしていれば飢えないのに」って思っちゃう。(苦笑)

  そんな感じ。でもそうやって聞かされるとそりゃそうですよね。

 

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 ◆知の巨人が予測 世界の3大プレーヤー

                政治学者
 ◇ドミトリー・トレーニン 所長 カーネギー国際平和財団 モスクワ・センター
  今、世界では国力には差はあるものの、私は3つのプレーヤーがいると思っています

  まず第1の大国がアメリカです。第2の大国は今上り調子の中国。そして第3が
  かつてソ連だったロシアです。

  今、ロシアは“神出鬼没”な動きでライバルを翻弄しようとしています。

  米中露、この3つのプレーヤーが近い将来の主人公です。

  最高峰リーグで戦うことになるでしょう。


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 ◆どうなる?世界の勢力図


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  あのぉ言い得ていると思いますが、もう少し3ヵ国よりももうちょっと増える
  可能性はありますね。つまり3ヵ国だけで世の中が変わるというのではなくて
  それぞれの主張する領分があって、そこから外れたところにまた小っちゃなパワー
  が生まれて、これをまさに「勢力均衡」と言うのですよ。


 『新・勢力均衡』
  世界地上で9ヵ国が綱を引っ張り合って均衡を保っているイラスト。

  アメリカ/カナダ/フランス/イギリス/ドイツ/イタリア/ロシア/中国/日本


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  これが「良い形」って言うよりも「これになる」。

  なぜならば、アメリカが1国で全てのことを決めなくてもアメリカはある程度の
  経済力を維持していくと。だけれども自分達の利害と関わる所だけに手を伸ばす。

  そうすると他の所、地域ごとにですね、どこの国が強いか決まっていく。

  今アジアでは中国だと。それからロシアが極東に降りてくる部分と。
  ヨーロッパで言えばロシア、そしてイギリス、ドイツといった風にまっ
  組み合わせが変わってくるんですよ。

www.sankei.com


 ◇小野文恵 キャスター
  ちょっと「未来予想図」を考える前にですね、もう一つの気になる国。
  そうです、中国です。

 

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┣<4> “大国”【中国】 驚きの思惑とは?


 ◆GDP世界第2位の経済大国


 ・“大国”の自信が国民の意識にも表れていた。


  ◇中国人男性 40代半ば
   中国の目覚ましい成長に誇りを感じています。


  ◇中国人男性 10代後半
   将来中国は間違いなく世界のリーダーになるでしょう。


  中国はその力を“外へ・外へ”と張り出そうとしている。


 『海洋強国』
  中国政府が宣言している、海の権益を広げようという戦略。

  思い起こせば沖縄県の【尖閣諸島】を巡る争いや、去年2015年【南シナ海】に突然
  人工島を造ったことは記憶に新しい。

  そのすぐ側をアメリカの軍艦や爆撃機が通過。“米中対立”の緊張が高まった。


  2014年11月
 ◇カーター 米国防長官
  【南シナ海】でのこれ以上の埋め立てや軍事化はあってはならない。


 ◇華 中国報道官
  航行の自由を名目に、他国の主権を損なうことに断固として反対する。
  いかなる国が企む挑戦に対しても断固として対応していく。


 ・軍事力を背景に各国と対立を続ける【中国】

  南シナ海のこんな広いエリア(別名:「中国の赤い舌」)を自国領土だと主張。


  2014年7月
 【北京】
  『米中戦略経済対話』
  ◇習近平 国家主席
   広大な太平洋は米中両国を受け入れる十分な大きさがある。


 ・【中国】と【アメリカ】で太平洋を二つに分けて管理しようとしている?

  影響力をドンドン増していく【中国】。日本は一体どう向き合っていけば良いのか ??


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 ◆どうして海洋進出? 【中国】の真の狙いは?


 ◇伊集院光 タレント
  【アメリカ】と【中国】、両方「受け入れる用意がある」って堂々と言われても、
  我々は、そこにあるわけだし。他の国々もね、あるわけで・・・
  あの『人工の島』造っちゃうじゃないですか。「オイ、勝手なことすんな!」って
  思う。その横に今度【アメリカ】が、イージス艦通った時に【アメリカ】が無視して
  いるのも困るけど、行くのもちょっとドキドキするなっていうみたいなのが
  僕の柔らかい部分、漠然とした意見ですが、アレは「どうなるのが正しい形になる」
  のですか ??


 ◇小野文恵 キャスター
  その「答え」は持っていないのですが「地図の見方」。私達がよく見る地図の形って
  こんな形ですよね。日本がココにあって。この地図こうやってみるんじゃないんです
  って、中国の人は。※ほぼひっくり返してみる。『東アジア地勢図』

http://memo-memo-blog.tumblr.com/post/68255656639/なんで中国があれほど尖閣に固執するのかとっても分かりやすい中国側から見た地図南沙諸島や北方領土の意

memo-memo-blog.tumblr.com

  日本列島・台湾・フィリピンを結ぶ『第一列島線』アメリカの影響を強く受けている

  中国側からこの図を見れば、やかん(中国本土)の蓋(『第一列島線』)の様なもの

  「蓋があったら取りたいな」。それが人情なんじゃないかなという仮説が立つんです
  けど。

              ※ちなみに長澤まさみは「やかんの湯気」と回答。(苦笑)

 ◇伊集院光 タレント
  こうやって見ると、【中国】がそこを突破したい気持ちは分かりますわ。(苦笑)
  出口無いんだもの。海の方に向かって出口がないんだもの。
  コッチ(日本)は困りますけれども。


 ◇大越健介 MC
  【中国】から見ると「圧迫されている・蓋をされている」。
  だけどそこまで広げるかなぁ。(苦)
  僕は、もう一つ分からない。なんででしょう?


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  【中国】が言うのは「アジアの平和はアジアで守る」と言うんですよ。
  要はコレ【アメリカ】はもうアジアのことに介入しないで欲しいんです。
  私達で決めさせてくれと。で、アジアのことはアジアで決める。私達だけで決める
  となれば、【中国】の圧倒的な優位性ってありますからね。

 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  つまり【中国】が【アメリカ】と対等になるために、一生懸命、自分達が
  “新しい大国関係”を築きたいっていう風に言っていて【アメリカ】が今拒否してる
  っていうのが現状なんですけれど、【アメリカ】の中ではタカ派はやはり【ロシア】
  を見ている人が結構いて、実は【中国】をあんまり見ていないんですね。

  【中国】がしようとしていることは【極東】に於いてやっぱりその『地域覇権』。

  ココは【中国】を筆頭とする地域ですよと。だからその下に日本がいて、韓国がいて
  その下に【ASEAN】がいるっていう、こう「ヒエラルキー」って言うんですけど
  階層的なね。


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 ◆“中華民族の復興”どういうこと?

  ◇習近平 国家主席
   「中華民族の偉大なる復興」


 ◇呉建民 委員 中国外務省 外交政策諮問委員会
  かつて毛沢東の通訳も務め、中国外交の歴史を知り尽くした人物。

  「“中華民族”の偉大なる復興」とは「“中華文明”の復興」です。

  数千年の歴史を持つ中国は長い間繁栄し、日本などの周辺国にも利益をもたらし
  ました。しかし近代になると大きく出遅れました。この百年ちょっとの間、
  中国は列強に虐げられてきたのです。長い歴史の中で初めての経験でした。

  これは中国人のとって決して忘れることのできない、恥ずべきことなのです。

  「中華民族の復興」とは何か。

  それは私達にとってアジア自身によるアジアの再建に他ならないのです。


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 ◆どう付き合う? 隣の“大国”【中国】


 ◇大越健介 MC
  あのぉ「アジアの再建」が【中国】の覇権の元に行われるっていうのは
  コレはやっぱり問題だと思うんですよね。やっぱり【国】対【国】で見ると
  「【中国】って脅威だよね」っていうことをやっぱり意識せざるを得ないんです
  けれどね。

  あの長澤さんはね、【中国】の映画にも出られているし、【台湾】のドラマにも
  出られてますよね。そういった人達と交流する中で率直にどんなことを感じられます


 ◇長澤まさみ 女優
  あの一緒にお仕事をさせて貰った中国の、中華圏の方々とはもう本当に日本に居る
  一緒に仕事をしている人達と変わりないっていうか。パートナーとして普通に向き
  合える人達でした。ハイ。優しいですし、家族も大事にしている民族だと思いました
  から。撮影スタッフが一つの家族となったら、私もその一員として迎え入れてくれる
  ような人達でしたけどね。*頷く*


 ◇小野文恵 キャスター
  結局【ロシア】の人だって【中国】の人だって、その【ヨーロッパ】の人だって
  一人一人で見ればきっと皆いい人で、皆「平和がいいな」って思っていますよね?

  どうしたら皆の願いが叶うんですか?   ◇長澤まさみ 女優
                       ウゥン。*ニコニコ*


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  それはより多くの人が日本に対して利益を持っている状況にしていけばいいんですね

  日本に会社があって日本の従業員を抱えているとか。
  日本の製品を買いに年に2,3回、日本に来るとか。
  日本に自分達の親戚が居て、それで日本によくしてもらっているとか。

  そういった人・物、全てにおいて「何か利益があるね」っていうところから
  信頼って生まれるので、だからもう少し交流を分厚くしていく。そこで日本の最大の
  強みは、その分厚い“成熟したマーケット”ですから、日本がそのマーケットをもう
  少し開くとかね、そういった貢献が実は日本の平和のために役立っている可能性が
  ある。


 ◇川上量生 IT企業経営者 ※ドワンゴ会長『ニコニコ動画』の仕掛け人
  それで一つ、あのぉ去年2015年経験したことで、その中国の映画をね、どうやって
  見て貰いますか?ってみたいなものがあって、色々な売り込みがあるんですよ。
  でー、正直言ってそれを日本でネットで流してもあんまり見る人はいないかなーって
  要するに思うんですけれども、あのその彼らにとっては「中国の文化」って「誇り」
  なんですよね。是非日本にも見て貰いたい。面白いと思っているんですよ。ところが
  あのぉ我々はそれに興味を持っていない。で、これってある意味日本人が持っている
  潜在的な「奢り」だと思うんですよね。「中国の映画なんて興味ない」っていうね。

  中国が大きな糧になるので、このぉそのぉ文化な面に対してもこういう日本人の奢り
  みたいなものを捨てないと多分「危険」は僕は凄く高まってくるんだろうなとは思い
  ましたよね。


 ◇大越健介 MC
  萱野さんなりに、日本が今の複雑に入り組んだ世界の中で“果たせる役割”って
  何だと思いますか?


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  あの例えば、今までは【アメリカ】が中心となって世界の秩序が出来てた。
  でもそこに【新興国】がドンドン力を付けてきたから、

  「自分達の意見をもっと聞いて欲しい」「自分達の権益をもっと拡大したい」

  って言ってくるわけですよね。そうなると、じゃあ彼らを交えてどうやって
  新しいルールを作らなきゃいけないのかってことを考えなければいけなくなってくる
  と思うんですよ。その時に【先進国】の主張とそういった【新興国・途上国】の主張
  を上手くこうすり合わせていくような役割っていうのは【日本】は結構できるんじゃ
  ないかなっていう風に思うんですよ。


 ◇大越健介 MC
  こうやって細かい仕事、好きですからね。


 ◇伊集院光 タレント
  分かんないけど僕の個人的な思いとしては、日本って「利口な国」だって
  自分で思って生きていきたいですね。強いとかそういうんじゃなくて。
  「利口だな俺達」って思って生きていたいんです。

  で、そうすると「利口なやり方」ってどうなんだろう?って一番最初に僕の一番近い
  喩えで言うと、リーダーシップを取りたがる人が「ちょっとリーダーシップしんどい
  んだよ」と言い出した時っていう、どうやるのが利口に、そして平和に【日本】が
  生きていけるものなんですか?


 ◇大越健介 MC
  【日本】は外交っていうものを、まあ「【アメリカ】に寄っかかり過ぎだ」っていう
  ものがズッとありましたけれども、やっぱりもうちょっとこう自分自身の声っていう
  ものをシッカリ投影させて・その代わり相手の意見を聞くっていう、本来の姿を
  取り戻すべきなんじゃないでしょうかね?


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  そうですね。【日本】って「外交が下手だ」って言われてましたけれども、決して
  そうじゃないと思うんですよね。今まで【アメリカ】が強くって、その下で
  その方針に従っていれば良かったので、外交力を発揮する場がなかっただけ、だって
  いうところもあると思うんですよ。

  ですので今後【アメリカ】の影響力が少し低下することによって、【日本】もこう
  外交的な選択肢とか自主性というのが求められてくると思うんですよね。
  それが広がってくる中で【日本】のその外交力を発揮するチャンスも増えてくると
  思うんですよ。で、実際に去年2015年大筋合意した【TPP】もまあ交渉の過程を
  見ていると、【日本】がもし参加表明しなければ多分【アメリカ】とそれ以外の国で
  意見が分裂してまとまらなかったんじゃないかという風に思えるような局面、沢山
  あったんですよね。


 ◇大越健介 MC
  川上さん、その「国と国の垣根」とか「相手のことをより理解する」とかいうことに
  今、情報化がこれだけ進んでいる中でどうでしょうか。それはやりやすくなっていく
  と思いますか?


 ◇川上量生 IT企業経営者 ※ドワンゴ会長『ニコニコ動画』の仕掛け人
  あのぉ「やりやすくなる」というよりは、段々その(ネットによって)国家の対立と
  いうのが段々形骸化していく流れがあると思うんですよ。あの実際インターネットを
  通じて、今ひょっとしたら【アメリカ】【中国】と並んで【グーグル】【アップル】
  が世界の運営を決めるような、そういうファクターにならないとも限らないですし、
  今成りつつあると思うんですね。

             ◇大越健介 MC
  そうです*2。      国を超える、凌駕するようなネットワークが出来てくる?
              なるほどぉ。

 

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┗■激動の2016年私はこう見る


 ◇大越健介 MC
  さあ色んな意見が出てきましたよね。
  2016年「一言」でまとめていただきましょうか。
  「私はこう見る」。萱野さん。(笑)


 ◇萱野稔人 哲学者 ※津田塾大学国際関係学科教授
  本当に激動していくんですよ! その変化、に、我々がどこまで長期的な視野で
  対応できるのかっていうのが一番問われてくるんじゃないかと思いますね。


 ◇三浦瑠麗 国際政治学者 東大政策ビジョン研究センター客員研究員
  あの『新・勢力均衡』と申し上げましたけど、その世界っていうのは要は
  楽だった世界じゃない、前の世界に戻るってことなんです。*ニヤリ*
  そういった状況の中で、私達はやっぱりね、こう70年間何にも考えなくていいよ
  という状況はかえって危険なので、ちょっとずつ慣しながらね、
  自分達がやっぱり『普遍的人権』は大事だよねとか、『民主主義』が大事だよね
  っていうこの2つを持っていったらいいんじゃないかなと思う。


 ◇大越健介 MC
  川上さんはその「国という単位を凌駕する存在が出てくる」ということを予測され
  ました。それに我々はどう対処すればいいと思いますか?


 ◇川上量生 IT企業経営者 ※ドワンゴ会長『ニコニコ動画』の仕掛け人
  いや、まっ対処のしようもないところで、ウハハハハハハハ。(笑)
  まあズッとこれまでね、日本って平和だったし、社会性も変わってこなかったんです
  けれども、それが本当に激動で丸っきり変わってしまう瞬間が多分どっかで来るわけ
  ですね。もう来ているかもしれないし。それが今年2016年になるかもしれないなぁと
  いう風には思ってますね。


 ◇大越健介 MC
  今起きていることは、どの座標軸のどこにあるんだろうか。そういうのをシッカリと
  見極めていかないと、本当に僕らは将来後悔することになるかもしれません。

  本当にこの2016年というのは大事な1年だと思います。

  今回は「2016年どうなる?」大胆予測をしてみました。
  そしてさらに具体的なシリーズ、【NHKスペシャル】の『激動の世界』という
  シリーズを我々はお送りしています。


  - 冷戦の終結から四半世紀あまり、世界はどこへ向かうのか -

    【NHKスペシャル】シリーズ『激動の世界』
                   The Era of Disorder

     第1回 テロと難民    ~EU共同体の分断~
     第2回 大国復活の野望  ~ロシア・プーチンの賭け~
     第3回 超大国なき世界  ~アメリカの苦悩と模索~


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◇大越健介 MC
  さあ長澤さん、色んなことが起きそうな2016年ですが、
  どんなことをしたいと思いますか?


 ◇長澤まさみ 女優
  そうですねぇ。不安なこととか心配なこととか沢山ありますけど、
  私自身もなんか元気良く毎日過ごせればなぁと思ってますし、
  今年2016年はあの『真田丸』っていう大河ドラマも始まりますので
  それを頑張りたいなと思います。(苦笑) *頷く*

         ◇小野文恵 キャスター
          今日は皆さん、どうもありがとうございました。<(_ _)>

  ありがとうございました。<(_ _)>  ※他一同も<(_ _)>

 

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・疲れたぁ。メモするの止めときゃ良かったかも。(^^ゞ

┣・やはり際立った発言で目立ったのは ◇三浦瑠麗 女史ですかね。既にあちこちで
  発言していたりするもののようですけれど、聞き手をカチンと意識させて主張を
  シッカリと語る話法は大したものです。米政府からの使者とも言われておりますが
  「もう楽な生活は出来ないんだよ」ということでしょうか。肝に命じましょう(笑)

┣・“激動”突然ガラッと変わるのは【中国】の勢力拡大による紛争ごとでなのか、
  それとも気候変動による生活基盤そのものの変化なのか、色々と考えられますね。


┗・当番組のメモに気を取られ、うっかり年頭の【クローズアップ現代】をメモし損ねた
  のは痛かったなぁ。【EU】の移民政策で結構いい話してたんだよね。*大失敗*