2015/12/27(日)<内部を独自取材“日本最大”の護衛艦『いずも』>
【報道ステーションSUNDAY】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst-sun/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓立入禁止 <内部を独自取材“日本最大”の護衛艦『いずも』>
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今年2015年配備されたばかりの日本最大の護衛艦『いずも』
2015年は「中国の海洋進出」など“安全保障上の危機”を取り上げてきた。
今回は防衛の最前線に付く護衛艦『いずも』の内部を独自取材した。
訓練を終えた『いずも』は今後どのような任務に就くのだろうか。
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┣■中国の海洋進出にどう対応?
◆独自・・・ 護衛艦『いずも』徹底解剖
2015年12月26日
【海上自衛隊・横須賀基地】
◇長野智子 MC
直撃取材。護衛艦『いずも』を目の当たりにして「大きい」と思わずつぶやく。
地上から見上げた高さは「マンションの10階くらい」だと言う。
「もう圧倒されます」。
『いずも』
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◆外観
・海上自衛隊・最大の護衛艦。
建造費約1200億円。今年2015年3月に配備されたばかりの最新鋭の船。
・ヘリコプターを搭載し、任務を行う同艦。
ヘリを運ぶ巨大なエレベーターでヘリが離発着する飛行甲板へ。※高さ約16.5m
飛行甲板から隣接する他の護衛艦を眺めると、明らかに『いずも』の方が
凄く高いのがよく分かる。船の大きさ・甲板の広さの全てが巨大なのが実感できる。
・全長248m/幅38m。一般的な「乗用車1千台」が甲板の上に乗る計算だという
・対潜哨戒ヘリ7機/救難輸送ヘリなど2機 → 合計9機が運用できる。
そしてこの飛行甲板からは5機のヘリが同時に離発着できるという。
・さらにこの甲板にはある“秘密”が・・・
他の護衛艦と比べて特別に滑り止めの加工がされている。
『オスプレイ』も離発着が可能。
・また甲板上には、
『ミサイル連装発射機』(SeaRAM)
『いずも』にしか装備されていない。飛んできたミサイルを自動的に撃ち落とす。
『高性能20mm機関砲』
前方に配備。1分間に約4千発撃てる。撃ち漏らしたミサイルを撃破する。
・乗員は約470人。今月2015年12月、様々な訓練を終え(消防訓練など公開)、
今では命令があればすぐに任務が就ける状態だという。
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◆“中枢”と”頭脳”
『航空管制室』
『いずも』の高さは約49m(船底から)。内部は13階建てとなっている。
ここは同艦ならではという場所で、ヘリの全ての離発着を管理している。
空港と同じ機能を持つ、洋上の管制塔の役割を果たす。
※「飛行長Air Biss」「飛行甲板管制官DECK」など席が用意されている。
◇長野智子 MC
(「飛行長Air Biss」席に座りながら)ちょっと高くなっているんですけれども、
本当に確かにアレですね。甲板の艦尾から艦首まで全部この椅子だと見渡すことが
できます。
『艦橋』
航空管制室の向かい側にある区画。ここで指揮を執り、全ての指令が発せられる。
飛行甲板を広くするため、これまでの護衛艦より中は狭くなっているという。
◇吉野敦 艦長 護衛艦『いずも』
艦長席(赤い生地に覆われていた)の前にあるモニターの一部は“真っ黒”。
普段は機密情報が表示されているという。(「目標情報」と表示されていた。)
「自衛隊の遊軍の部隊の情報だとか、そういう情報などが出せるんですね。」
Q.そもそも護衛艦とは何をする船なのか?
A.
◇吉野敦 艦長 護衛艦『いずも』
いろんな機動性に富んだミッションに当たれるのが、一括りに護衛艦としています
Q.その中で護衛艦『いずも』というのはどういう役割を与えられているのですか?
A.
◇吉野敦 艦長 護衛艦『いずも』
この形の通り、飛行機を沢山扱うための航空機の運用中枢として造られた船なん
ですね。この船は「ヘリコプターを沢山使う」ということで設計されたものです。
・想定されているのは『哨戒ヘリ』を使っての潜水艦への対応。
だが、任務はそれだけではない。その理由は「大きさ」にある。
◇長野智子 MC
廊下が凄いですね。廊下がもう真っ直ぐ向こうまで延びてて。
なんかその不思議な感じですね?
◇松村誠也 航空管制長 護衛艦『いずも』(広報係)
そうですね。“合わせ鏡”を見ているみたいで。
管がむき出しとなった長い通路を抜け、急な階段を何段も上り下り、
まるで“迷路”のような艦内を行く。
ちなみに「人用のエレベーター」は無いという。
『居住区』
飛行甲板のほぼ真下に位置する。一番大きい居住区には新品の三段ベッドが並ぶ。
同艦にあるベッドは1000床。乗員の他に約500人の輸送が可能となる。
◇松村誠也 航空管制長 護衛艦『いずも』(広報係)
大規模震災等で被災をされた方が一時的に身体を休める場所としてご提供できる
かなという風に考えてます。また邦人輸送、どうしても海を使わなければならない
そういった時に我々のような船を使って頂く。
『格納庫』
大型トラック50台を収容可能な巨大な格納庫。
『医務室』
手術室も完備。集中治療室や歯科治療室、隔離病棟を設置。
任務の際には自衛官医師2人が乗る予定だという。
◇長野智子 MC
普通の病院ですね?
◇松村誠也 航空管制長 護衛艦『いずも』(広報係)
そうですね。我々は職業柄、怪我をすることも考えられますので、
艦内には複数箇所、そういった治療ができる場所を設けています。
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◆“海の司令塔”
『多目的区画』
船の前方に位置する。会議室のような広い空間。大型モニターを3台完備。
部屋の一角には「戦時治療所」も備えられている。
・またここは有事に、陸自・海自・空自が共同作戦を行う際の“統合司令部”などに
なる想定がされている。※100インチの巨大なモニターを見ながら作戦を練る。
◇松村誠也 航空管制長 護衛艦『いずも』(広報係)
陸海空の部隊を一緒に動かす時の指揮所・司令部として、
この船を機能させようというのも一つの狙いです。
Q.日米共同作戦だと米軍も来る?
A.
◇松村誠也 航空管制長 護衛艦『いずも』(広報係)
そういったものも調整はされるものかと思います。
・護衛艦『いずも』に課せられたもう一つの任務。
それは「他の護衛艦を指揮する役割」もあり、
そのため船の至る所に通信用アンテナが設置され、これまでの護衛艦よりも
通信機能が大幅に向上されているという。
ヘリを使っての「対潜哨戒」能力。
自衛隊最大の船としての「輸送力」。
最新の通信設備を搭載した“海の司令塔”。
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◆“初公開”巨大艦内の生活
『風呂場』
◇松村誠也 航空管制長 護衛艦『いずも』(広報係)
海の上に出ますと「真水」は大切なものになります。
(浴槽は)海水を使っています。
◇長野智子 MC
アッ、温かい。ぬるま湯ですね。*指をペロリ* アッ、しょっぱいです。
海水です。
風呂32ヵ所/トイレ44ヵ所、あるという。
・「女性の区画」もあり、約40人の女性隊員がいる。
洗面所もトイレも風呂も女性専用に設けられており、浴室の入り口には
ピンク色の暖簾「出雲温泉 IZUMO 女性」が飾られていた。(笑)
『食堂』
艦内後方中層階に配置されている。一度に300人が食事できるという。
この日は海上自衛隊の名物となったカレーだった。
Q.隊員達に聞いた、護衛艦『いずも』での生活は?
A.
◇20代半ばの男性隊員
広いですね。(笑) 最初はだいぶ迷いました。
◇20代半ばの女性隊員
最新鋭の船ですので、新たな任務というか、またこれからまたドンドン増えていく
任務の中で自分ができる限りのことをシッカリとできるように毎日勉強して、ハイ
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◆“中国の海洋進出”
【海上保安庁】HPより(2015年12月24日現在)
・尖閣諸島の接続水域に侵入した中国公船 → 238日703隻(2015年)。
東シナ海を巡る危機に、果たして【自衛隊】はどう動くのか !?
Q.“中国の海洋進出”で求められる役割や任務は変わってきているのか?
A.
◇吉野敦 艦長 護衛艦『いずも』
いや、あの~それは変わらないと思いますね。
【海上自衛隊】というのは、元々「日本の領域警備をしなさい」と。
何かあったら「それに対応するようにしなさい」という
大きなミッションがありますから。有事の時だけじゃなくて、災害救助の時だとか
色んな任務がありますよっという部分は何ら変わりはないと思いますね。
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┗■スタジオにて
◇長野智子 MC
この『いずも』なんですが、東日本大震災の時に自治体のお役所が壊れてしまって
復興の障害になるということもありましたが、その代わりもできるようになっている
ということなんですね。
改めてその大きさなんですが、全長248mです。どのくらいかって言いますと、
東海道新幹線のN700系に喩えてみました。10両分に当たります。大体分かり
ますか? ねぇ、本当に巨大です。
で、これまでの護衛艦とこの『いずも』。何が違うのか改めて見てみたいと思います
『オスプレイ』
構想上はオスプレイも搭載できて、これまでにない航空機運用ができる。
『PAC3』
格納庫が本当に広い。弾道ミサイル防衛システムを乗せることができる。
物資の輸送能力がかなり上がっている。
『給油・医療』
これまでの護衛艦には無かった給油の装置であるとか、病院なども兼ね備えている
Q.これから安全保障上のこの『いずも』なんですが、
どういった位置付けになってくるんでしょうか?
A.
◇後藤謙次 ジャーナリスト
そうなんですよね。当初この『いずも』が構想されたのは今年2015年、
「日米新しいガイドライン」が出来ましたけれども、その前の1997年に
【橋本内閣】当時にガイドラインが改訂されているんですね。
それを受けてこの『いずも』が構想されてますから、
「設計まで10年掛かって、さらに建造まで5年も掛かる」という意味では
かなり古い発想だったんですけれども、出来上がったモノが非常に優秀なので、
これ【防衛省】幹部によるとですね、
「運用の幅が極めて広くなった」と。つまりこれからいろんな想像的な問題に
対応してキチンと出来る。とりわけ“潜水艦の機能が上がった”ために、この
『いずも』が必要になったと言いますね。「対潜哨戒機」みたいな任務を担う
こともできるという意味では非常に幅広いそして「米軍との共同運用」というのも
十分考えられるんですね。
ただ今『参議院選挙』があるものですからね、『安保法成立』を受けた【自衛隊】
の対応っていうのは“控えめ*2”。ただ指揮官についてはですね、新たな対応を
するために「教育」をしているはずなんですね。となるとこの『いずも』の中でも
ですね、【自衛隊】本来の任務に加えて「日米の防衛協議の範囲」をどこまでする
のかという、当然そういう教育も行われているわけですね。
そこをこの2016年1月4日に招集される『通常国会』できちっと政府案を説明して
貰いたいと。あの石破大臣もですね「まだまだ政府の説明は足らない」と先週
言ってましたからね、これもキチッとやってもらいたいと思いますね。
◇長野智子 MC
やはり能力が高くて運用の幅が広がっていく分、では「歯止めをどうするか」
この辺はやはり来年2016年かなり議論になっていく。
◇後藤謙次 ジャーナリスト
なると思いますねぇ。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・久しぶりに同番組の濃い取材が見られた。危うく見逃すところでした。(^^ゞ
軍事関係の取材は本当に強いですよね【テレビ朝日】は。(笑) 別に軍事モノだけ
じゃなくて、良い取材してたんですけどね。今年は春以降めぼしいモノが無かった
ので正直失望していたんですよね。この暮れに放送した内容は充実度満点でした。
┣・ポスト【報道STATION】の候補に挙げられてもおかしくない◇長野智子キャスター。
女性に絞れば彼女が筆頭でしょうね。若さにこだわらず・中味を取るのであれば。
出身母体フジテレビからの脱却・奮闘ぶりはお見事です。「女性活躍」と謳う現政権
の意向も踏むという意味でも無難な線だと思いますけどね。どうでしょうか?(笑)
┣・軍事マニアなら専門誌でこのくらいの情報は得ているとは思いますが、一般への
これだけ内部を公開したのは初めてじゃないかと。軍事衝突のみならず救助活動も
シッカリと完備されているところに、見ていてすごい安心感が得られました。
そうか、構想・建造から15年も費やしているんですね。「空母だ」と進水式では
揶揄されましたが、あれだけの建造物、すぐに作れるもんじゃないですからね。
中国は2隻目の空母を建造中ですが、ウクライナから偽って購入して何年経つ ??
2002年に遼寧省大連の港に入港か。2012年に改装が完了し『遼寧』と改名したと。
まあ2隻目の空母が完成してもおかしくない頃合いですかね。。。
┣・でも建造費が約1200億円って安くないですか? 海に面する各都道府県に1隻
常備させても良さそうな気がします。『オスプレイ』はぼったくられて1機200億
とかで購入したって話ですものね。まさに『ドロン』みたいに急に落っこちる機体に
そんなに払って。米軍の失敗作の開発費を補ってるんじゃないよって言いたいです。
┗・こういう【自衛隊】の報道はもっと伝えるべきだと私個人的には考えます。女性の
自衛官が40名も護衛艦『いずも』に乗船しているという事実。女性の中にも憧れる
者がもっと出てくると思いますね。経済的な理由から【自衛官】を志すのではなくて
やはり強い信念を抱いて任務に就いてもらいたいですから。 *敬礼*