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究極のデフレファイターは?

2015/09/28(月)<究極のデフレファイターは?>
【Newsモーニングサテライト】 http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/

www.tv-tokyo.co.jp


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓特集  <究極のデフレファイターは?>
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www.tv-tokyo.co.jp

 

 『消費者物価指数』CPI
  2015年8月は生鮮食品を除く総合で前年比-0.1%と2年4ヵ月ぶりの下落。
 ※2015年3月に2%超え。翌月2015年4月に0.3%と急落し、また0%、デフレへ。


 『日経・東大日時物価』(1週間平均)
 ※2015年8月は1.5%。2015年4月半ばからこちらはジワジワと上昇している。
  食料品を中心に値上げが続いていて、しかも品目毎を見比べても広がりが段々と
  出て来ていることがこちらの数値からは覗えるという。


  ◇池谷亨 MC
  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 Q.CPI消費者物価指数は下がっている。下押しの圧力は何かがあったはず?

 A.
  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。

   『電気』とか『ガス』とか。『エネルギー』関連のものが値下げをしております
   ので、それがCPIの下げを生んでいるわけですね。

   あの元々『食料品』が高めに出ていて、それから『エネルギー』関連が弱いという
   傾向はあったわけですけれども、ここに来てそのコンストラストがさらに強まって
   いる、ということだと思います。


  ◇池谷亨 MC
   消費者物価指数が思うように上がらないのは、どうやら日本だけではないよう
   ですね。


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 【韓国】

 『消費者物価指数』(総合 前年比)
  今年度2015年は、ギリギリ0より上といった感じ。0.7%程度。
 ※1999年の0%台から2~6%の上下動を経て、2012年以降は下降の一途。


  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   韓国も実は最近のところは、2012年ぐらいからのところで物価指数は下がって
   きてですね。今ちょうど0~0.7%ぐらいのところまで下がってきてますと。


  ◇池谷亨 MC
   う~ん、で、コレ。物価が下がっていて、いわゆる消費者物価って指数があって
   いろいろ項目があるわけですけれども、「下がっている」んだから
   「値段が下がっている物」が増えているんだろうなって思うじゃないですか?

   これ見るとね、不思議なんですよ。足元をご覧下さい。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 【韓国】

 『上昇・不変・下落品目の割合』

  2012年以降、
  『不変』の割合は伸びていて、『下落』はあんまり変わっていない。
  つまり『上昇』していた物が減ったということを表している。

 ※1999年~2003年は『下落』『不変』で半数を超えている。デフレ下ということ。


  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   『上昇』している物は2012年以降減ってきていて、
   一方で『下落』はほとんど変わっていませんでの、
   その差として『不変』が増えてきているんですね。

   ちょっと「不思議な現象」のように思うわけですけれども、ちょうど日本でも
   実はこういう現象がこの10年くらい発生してきておりますので、その中で、
   「緩やかに物価が下がる」ってことが起きてきているわけですね。


  ◇池谷亨 MC
   コレ見ると【アジア通貨危機】の直後なんてここら辺ですけれども1997年7月~
   やっぱり「『下落』している物が増えるから下がるんだ」は意味が分かるわけ
   ですよね。ただここら辺は2012年~はなかなか理解がしにくい・・・


  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   そうですね。この当時(1997年)は景気がものすごく悪くてですね、その中で
   価格が『下落』する品目も一杯あったわけですけれども、今回は(2012年~)
   そうではなくって、もう少しこう“真綿で首を絞める”ようなですね、
   “ジリジリと物価が下がる”ということが起きてしまっているんだと思いますね。


  ◇池谷亨 MC
   だから日本でもあった「緩やかなデフレ」みたいなことになると抜け出すのに
   日本苦しんでますよね? 韓国もそうなるってことですか? *小声で*

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   ハイ。そうですね。ゆっくりなので“そんなにそう痛みは無い”わけですけれども
   これが長引いてしまうっていうのが日本の傾向でしたので、
   まさに同じようなことが韓国でも起きつつあるように思います。


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  ◇池谷亨 MC
   あの「日本のデフレ」って、“日本特有の理由”だって考えていいんですか?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   あのぉそこもいろいろ議論があるわけですけれども、例えば日本の労働市場
   ある程度の特性を持っていて、という説明があるわけですが、

   こういう風に他の国でも同じ現象が起きてくることをみるとですね、
   そうではなくてもう少し普遍性がある、例えばその世界全体で趨勢的に成長率が
   低下してるとかですね。そういうものが背景にあって、それが日本には少し早めに
   出て来て、それが少し遅れて韓国のような国にも出て来ていると。そういう風に
   見るのが良いんじゃないかと思います。


  ◇池谷亨 MC
   となると「日本のデフレ脱却」も、日本だけで考えるのではなくて
   世界でそれが起きている。ってことを考えると世界的にヒントがあるかもしれない
   ということですね。

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   そうですね。あまり日本の特殊性だからという風に“凝り固まる”のは良くない
   かもしれませんね。

 

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┣■世界的“低インフレ” 処方箋は・・・


  ◇池谷亨 MC
   その“処方箋”として、渡辺さんはどんなことを提案したいんですか?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   えぇ、私はやはり日本でもよく言われますけれども、この「インフレ期待」という
   のを高めていく。で、その為に「インフレ目標」というのを高めに設定していく
   というのが大事なんじゃないかっていう風に思ってます。

   あのぉ韓国ではその「インフレターゲティング」っていうのが既に採用されて
   まして、インフレの目標値というのを「3年間毎に見直す」という、そういう
   仕組みになっているんですね。

   実は来年2016年がその目標値を見直すタイミングでして、現状今3%って発表値
   なんですけれども、それをどうしましょうかってところで議論をしているところ
   なんですね。


  ◇池谷亨 MC
   日本でもあるように「2%はちょっと諦めていいんじゃないか」って議論がある
   じゃないですか。韓国もやっぱりあるんですか?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   (苦笑)。そうですね。あのぉ3%の目標に対して先程申し上げたように0に近い
   ところしか実現出来ていないので、ちょっと「3%は難しいのではないか」と
   少しその「目標が高すぎるのではないか」というようなこと。

   あるいは「高齢化」が当然韓国でも進んでいますので、そうすると
   「高齢化が進む中でデフレをある程度避けられないのではないか」という
   昔日本でも聞いたような話ですけれども(苦笑)


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  ◇池谷亨 MC
   でもそれが「普通の考え方」ですよね? 目標を下げれば達成するんじゃないの?
   っていうことなんですけれど、渡辺さんは、?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   私はもう少し厳格でして(笑)、やっぱり目標を実績に合わせるのではなくって、
   やっぱり目標はある意味を持って目標が設定されているわけですんで、
   貫くべきだと。逆に私は「インフレ目標」をさらに引き上げるべきだという風に
   実は思っているんです。(笑)


  ◇池谷亨 MC
   「引き上げる」んですか? だって日本だって「2%目標」で“量的質的緩和”を
   やって2年間くらい?目標にいってないのに、「高めて大丈夫ですか?」って話に
   なりません?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   もちろんそういう問題があるので韓国でも心配している人が多いわけですけれども
   しかしやっぱり各国の中央銀行が目標値を高めに設定することによって、
   「デフレは断固としてこう防ぐんだ」という意志を示すってことが大事だと思うん
   ですね。そうすることによって人々の「期待」っていうのは変わっていきますので
   日本のような状態にならないためにも、是非今のタイミングでそれをすべきだと。
   ある意味、大事な“分岐点”に来てると思いますね。


  ◇池谷亨 MC
   ダイミングがね。ちょうど先週末ですか、安倍総理と黒田さんの会談があって、
   「また追加緩和の期待だ」みたいなことがありましたけれども、でもその追加緩和
   もし目標を高めたら、追加緩和もさらにやらなきゃいけないじゃないですか?って
   いう理屈でいいんですか ??

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   そうですね。ある意味では「アベノミクス・第二ステージに入る」って言っている
   わけですので、そう考えるとこの物価、「デフレ脱却」ということについても、
   新しい局面に入るんだと、いう仕切り直しっていうのはあり得るだろうと思います


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  ◇池谷亨 MC
   じゃあ今の日本、具体的に何かを買うとして「お金」を出す代わりとして、
   何を買うんですかね?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   やっぱり『国債』をこれ以上買うのっていうのは、財政規律とかいろんな意味で
   やっぱり私は問題が大きいと思っています。そうなると残るは例えば『REIT』
   (不動産投資信託)ですとか『ETF』(上場投資信託)とかってなるんですけど


  ◇池谷亨 MC
   規模が小さいからね。一杯になってしまいますね(?)。(苦)

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   マーケットが小さいですからね。その中で私が「あり得る」と思うのは、やっぱり
   【日銀】のよる「外債のオペ」ということだと思います。


  ◇池谷亨 MC
   それはルール上、大丈夫なのですか?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   えぇあのぉ、もちろんそのぉ【財務省】との関係で【日銀】は出来ることと
   出来ないことがありますので、そういうことってなるんですけれども、

   しかしまぁあの『アベノミクス』という国全体の政策ですので、そういう組織間
   のことを言っていてもしょうがないですので(笑)、もうちょっと思い切ったことを
   考えるべきじゃないかと思います。


  ◇池谷亨 MC
   (苦笑)。「一緒にやっていく」って、アコードですもんね。アレね。

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   さらにそういうことが出来れば、さらにインパクトとしては大きいんだと思います


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  ◇池谷亨 MC
   で、先程にちょっと話は戻りますけれども、CPIって構成する項目があって、
   さっきみたいに『エネルギー』関係はしょうがないとしても、下がっている物を
   上げるっていう努力も大事ですよね?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   そうですね。あの韓国の例で、実はあの「動かない品目が多い」って話をしました
   けれど、日本はまさに同じでして、『サービス』特に『個人向けのサービス』。

   特に『床屋さん』ですとか、そういうもののハードルっていうのは上がってきて
   いないんですね。で、それが日本でいう価格が据え置かれている品目として
   ズーッと残ってしまっているんです。『食料品』なんかは上がってきているわけ
   ですけれども。

   なのでその『サービス』も『食料品』のように上げられるような環境を作るって
   いうのがこれからの大事な課題だと思います。


  ◇池谷亨 MC               ◇林克征 キャスター
   そういうサービスを請け負うものの     ・・・
   “インセンティブ”は何だろうね ??     ウ~ン、難しいです。(苦笑)


  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   えぇ1つは「賃金」だと思いますね。(笑) もちろんサービスを享受する方の賃金
   も大事ですし、それからサービスを供給する側の賃金ていうのも増やしていくって
   いうのが大事だと思います。


  ◇池谷亨 MC
   なるほどなるほど。だから「目標に達しないから目標を下げる」のではなくて、
   渡辺さんは「さらに引き上げる」ことによって、もっとこう物価を上げていく?

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   そうですね。あのぉ先程韓国の話をしましたけれども、日本も実は、あるいは
   アメリカとかでも事情は同じでして、

   アメリカもその【ボストン連銀】のローゼングレン総裁なんかは、アメリカでも
   目標値を上げるべきだという議論を展開してますので、まさにそのいろんな国で
   「インフレの期待」を上げていこうという努力が始まっているのだろうと思います


  ◇池谷亨 MC
   『金融政策』も続きではなくて「第二ステージ」なわけなんですよね、これからは

   ありがとうございました。


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┗■おまけ


 ◆きょうの経済視点


   「 政府の BigData 活用を 」


  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   あのぉ『成長戦略』の一環として【政府】がビッグデータを活用して、
   【政府】自身の活動を効率化したりとか、あるいは新しいデータと統計を
   民間に出していくというようなことを考えているわけですけれども、

   その研究会とかそういうものっていうのがこの2015年10月くらいからちょうど
   本格化するっていう、そういう段階になりつつあります。


  ◇池谷亨 MC
   なるほどね。ビッグデータはいろんな所で使われて戦略を立てなきゃいけない。
   今世の中が変わってきて「使える情報」も一杯あるんだから、上手く利用した方が
   いいですよねぇ。

  ◇渡辺努 教授 東京大学大学院 ※専門はマクロ経済。日本の金融政策を分析。
   そうですね。特に【政府】が発信するってところが意味が大きいと思いますね。


  ◇池谷亨 MC
   だから今『日経・東大日時物価』も利用し始めていて、もっと細かく
   「何を引き上げたらいいか」ってことが分かるわけですね。

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・うーん、疲れた。景気回復にはやはり「デフレからの脱却」が大事だと考えて
  面白そうだったのでメモったのだけれど、やっぱり貧乏人には「インフレ」は
  どうにも心地良くないですね。(苦笑) メモし終えれば同じことに繰り返しで
  あったりもするし。この教授、インフレ狂信者だったのか。忘れてたなぁ。

┣・ちょうど別の特集で、米国内にて時給15ドルという最低賃金引き上げを行い
  今後どうなるかっていう話が放送されていたのだけれど(そっちをメモった方が
  面白かったなぁ。(^^ゞ)、高すぎてそれらの仕事が自動化=機械に置き換わり
  雇用がいずれ失ってしまうという結末でしたね。割とよく言われていることだし
  今週号の【週刊エコノミスト】でも『AI:人口知能』特集で、機械に雇用が
  奪われる業種の確率なんて一覧も掲載されてました。東大の教授も言うように
  「賃上げ」が一番インセンティブが高まるはずなんだけれど、高めてしまうと
  雇用そのものが失われてしまうという“ジレンマ”とでも言うのでしょうか。
  難しい話です。いっそのこと「みんな壊れてしまえ!」というオチになりそうで
  ちょっと怖いですね。(苦笑)

┗・最後のおまけは相変わらずの「これから本格化します」という、計画倒れへの
  予告?がされておりました。いいよなぁ、結果が伴わなくても会議に参加して
  お金が貰えるんだから。私も末席でいいから参加させてくれないかしら?
  筆記くらいならできますけど。(^^ゞ まっこのままでは「破綻」でしょうね。
  一応いざという時に備えて、食料品はたんまりと買い込んではいるんですけど。