2015/02/05(木)<イスラム国の残忍な映像で日本人が危機心理学的リスクを負っている>
【バラいろダンディ】 http://s.mxtv.jp/barairo/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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苫米地英人の言わせろ!ダンディ
┏┓『イスラム国の残忍な映像で日本人が危機心理学的リスクを負っている』
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◇苫米地英人 認知科学者
私はあのぉ、例えば昨日2015年2月4日は、【ヨルダン】のパイロットが
焼かれた映像が、24分間の映像で1ヵ月くらい掛けてCGまで作って、
アレを流すことが目的で、日本人まで拉致したのではと思われるくらいの
こういったことを、恐怖の映像を世界に流していく。これがテロリストの
やることなんですよ。
そういった状況で我々が特に必要なこと。『危機心理学』これをやるべき
だと思うんで、私が言わせてもらいたいのは、まさに日本人はこのような
危機的な状況下で、こういった危機心理学を知らずに、巻き込まれていく
ということが、それがテロに屈することだと考えてます。
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┣<1>『危機心理学』とは
・米国の【CDC】(疾病予防管理センター)がズーッと研究している。
◆国民社会レベルで共有されるような
“災害、戦争、テロなどの状況下での心理学”
例.
【東日本大震災】
メディアが自粛してもネットなどで危機心理反応に対処しなければ、
“大きな心理的問題が国民に起き得る”
結果.国民社会経済全体にもネガティヴなインパクト
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◇苫米地英人 認知科学者
【東日本大震災】の時は、私自身も『危機心理学』のレポートを当時の
【官邸】に出してアドバイスをしたことがあるくらいです。
なぜかというと、それが国民経済にとって長い間もの凄いインパクトを上げて
います。実際【震災】の後は全然【震災】とは全然関係ない地域でも、
旅行であったりとか経済が落ち込んでいる。一年以上に渡って日本の経済が
停滞しました。そういった大きなネガティヴなインパクトが予想されます。
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┣<2>典型的危機心理反応
◆不必要な治療等の要求・・・ “慢性的不安”など
・特別な「人間関係に依存」。
・低リスク地域でもビジネスや旅行に心理的制限が働く。→“震災後景気悪化”
・身体的兆候・・・ 否定、恐怖、逃避希望喪失、弱気、パニック。
・心理的リハーサル。ソファ被害者 Armchair victim “特に動画映像が影響”
※ソファーに座ったままTVなどを見て犠牲者になっていく。
・震災時も津波被害などが放映され「離れた地域でも危機心理被害者が出た」。
※映像を見ることによって自分があたかもその現場にいる様な
被害者と同じような心理を長期的に持っている。
今回の(【イスラム国】)なんかはまさにそういった映像を
TVが自粛したとしてもネットであるし、そういったものを
見てしまいますし、本当に25分間の映像を見てなかったと
しても、その一部を見るだけで十分想像が付いてしまう。
・“fight” of “fight”心理の継続 - 前頭前野が働かず大脳辺緑系優位状態が継続
※大きな熊が出た時、戦うか/逃げるかを一瞬で判断するのは
大脳辺緑系が働いて前頭前野が思考しなくなるからなんです。
そういった思考しない状態が長期的に継続してしまう。
これは日本という国にとっても大きなリスクになる。
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┣<3>危機状況での状況開示ガイドライン - 政府、メディア
◆高い危機評価を先に、それが徐々に下がるように
後から危機評価が上がってはいけない。
◆危機が去ってないことを先に伝えてから、
状況が良くなっている情報更新を頻繁にする。
◆結果を約束するのではなく、状況不確定性を伝え、
問題解決のプロセスに対する革新を伝える。
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◇苫米地英人 認知科学者
米国【CDC】(疾病予防管理センター)は、こうしたガイドラインを
【政府】や【メディア】に出しています。
危機評価を先に出す。今回であればどんな危機があるが先に出してしまう。
高めに出すのはいいけれども、後から危機評価が上がっていくのは困る。
【原発】の時はちょっとそれがあったので、それは問題だったんですけれども。
そして危機が去っていない事実は先に伝えてから、状況が良くなっている情報を
できるだけ頻繁に更新していくってことが重要です。
それと解決の約束はしない。ただし状況が不確定性であるということを
まずしっかり伝えた上で、問題のプロセスに対する確信を伝えていくってことが
重要になっていきます。
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┣<4>危機心理を和らげるコミュニケーション
『象徴的行動』 キャンドルサービスなど
『準備行動』 水や乾電池の購入
◆重要行動を3ステップで伝える
・行動により不安が和らぎ、状況コントロール感が生まれる。
You must do X
You should do Y
You can do Z
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◇苫米地英人 認知科学者
これは【メディア】の方々、もちろん【政府】にもお伝えしたいことですけれども
危機心理を和らげるコミュニケーション、いろんなのがあります。
これは「批判しない」ように。
例えば、今回であれば「I AM KENJI」っていう映像を皆で流してみたり、
米国だったら「Candy Light ????」って言いますけど皆でキャンドルを持って歩けば
「そんな無意味なことはするな」とか言わない方がいいんです。
そういった行動に出ることが、我々の危機心理を抑えていくんです。
ですから『準備行動』で水や乾電池を買ったりします。トイレットペーパー、
ありますよね? あーいうことは批判しないように。あーいった行動をすると
いうことが、実は重要なんです。『危機心理学』では。
そうしてそういったことを【政府】側として、もしくは【メディア】側として
重要行動を3つのステップで順番に伝えていく。
まずは「必ずやるべきこと」危機下で。そして「やった方がいいこと」。
そして「これが出来ますよ」と。
こういうことを伝えていって、実際に行動を起こしていく。
何でも、意味が無い行動でもいいんです。
それによって不安が和らいで、自分の状況をコントロールしているような
感覚が生まれてくる。
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┣<5>危機における恐怖克服のルール ※一般の人達
◆恐怖を感じることを妨げない。
・何らかの行動を起こし、 ← ドーパミン
恐怖心を和らげる。 ← セロトニン
◇苫米地英人 認知科学者
恐怖を感じてもいいが、何らかの行動を実際に起こす。
行動を起こすことで、ドーパミンが出てセトロニンが出てくるので
それによって大脳辺緑系優位な状態から前頭前野が優位な状態に戻る。
◆文脈情報などで抽象思考を促す。 ← 前頭前野優位に。
◇苫米地英人 認知科学者
私【震災】の時に当時、モーメントマグニチュードっていうのは何?
【気象庁】発表のモーメントマグニチュードと西洋のモーメントマグニチュードの
違いをいろんなログ方程式とか出して説明して、意味が分からない人が多かった
んですけど、そういった数字を見たり式を見たりすることによって、前頭前野が
活性化し始めるわけです。そういった文脈の情報を、例え理解されないことでも
いいので正確に伝える。そういったことで、
大脳辺緑系優位な状態から、前頭前野が優位な状態に戻りますので。
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<結論>
テロリスト映像などが拡散されている状況下で
国民全体でPTSD(心的外傷ストレス障害)の発生を防ぐことが
日本の健全な未来のために重要
◇苫米地英人 認知科学者
そういった意味でテロリスト映像なんかは、インターネットなんかで勝手に
TVが自粛しても流れます。そういった状況下、国民全体がPTSD的な問題に
ならないように。そういったことをこれからは抑える。そうしないと5年後、
10年後にも出てくる話でもあり(子供達も見ますからね。)まさにそうです。
日本の経済も2,3年と停滞する可能性があります。
そういう意味で日本の健全な未来のために極めて重要なことだと思っています。
◇今井雅之 俳優
今回のテロはそれが目的みたいなところがあるのね?
◇苫米地英人 認知科学者
テロリストってそうなんです。“恐怖を世界に広げる”ことが目的なんで。
もちろん彼らはそれを広げることによって、我々は原理主義者の象徴になり
リクルートも成功するし、離れた所でドンドン味方が増えていく。で、それが
自分達の陣営に対するメッセージで、対する相手の陣営にはとにかく恐怖に
させてパニックにさせて、相手が冷静な行動をできなくし、経済的にも落ち
込んでいくことを。
今回の【イスラム国】は野蛮なことをしているし、頭がおかしい人だと思うのは
もちろん当然だとは思いますけど、“頭が悪い”人達だと思わない方がいいです。
彼らは映像を作るところから結構自分達で時間を掛けて、そういった危機心理
なんかを理解した上でやっていて、それを彼らが日本や世界に仕掛けている。
日本がその犠牲者にならないためにも、こういったとにかく前頭前野を働かせる
ということ。それが極めて重要なことだと思います。
*力説* 終わり
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◇今井雅之 俳優
変にオロオロしないってことですね。 ◇苫米地英人 認知科学者
向こうが喜ぶってことですね。 そういうことです。
政治が揉めちゃったり、国論でね。
始めから返す気なかったんだよね。 もちろんそれが
元々だと思いますけどね。
◇梅沢富美男 俳優・歌手
そうだね、心理作戦から来てるね。
*う~ん* 全員が深くため息をついた。
おまけ
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◇阿部哲子 MC ◇梅沢富美男 俳優・歌手
ありがとうございました。*お辞儀* それでは、*壇上へ*
アッと残念なんですけど梅沢さんの時間
無くなっちゃったんですけど。 !? ※思いっきりズッコケる
(苦笑)。 *スタジオ内大爆笑* 無くなったじゃないだろう、お前!
申し訳ありませんが、以上、 3人でやる順番、俺だろう?
「言わせろ!ダンディ」でした。(苦笑) こらぁ宮崎。(呆れ顔)
※ディレクターかな?
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・【IS】イスラム国により日本人が2人殺害され、「I AM KENJI」追悼から
早くも半年経ちましたか。「人の噂も七十五日」とはよく言ったもので
かなりの部分が思い出すレベルにまでなってますね。確かに根っこの部分で
“消せない記憶”として残っておりますけれど。
┗・【阪神淡路大震災】の時点から日本はこうした危機心理的なリスクの対処を
ほとんどやって来なかったように思いますね。一部のNPO法人や積極的に
ボランティア活動を行う人々くらいでしょうか。危機的情勢に左右されない
冷静な行動・判断力を各自で養っておきたいものです。