米 製薬業界の思惑は・・・ 【TPP】で日本の「薬価」どうなる?
2015/07/09(木)<米 製薬業界の思惑は・・・ 【TPP】で日本の「薬価」どうなる?>
【報道STATION】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓ <米 製薬業界の思惑は・・・ 【TPP】で日本の「薬価」どうなる?>
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◇古舘伊知郎 MC
【TPP】交渉を大詰め大詰め大詰めと、ずっと我々も言い続けてきて、
暗礁に乗り上げたりしておりましたが、本っ当にTPAというアメリカで
議会通過して大詰めを迎えようとしている事実に突き当たっております。
そういう中で自動車も米も、それから牛肉も豚肉も、いろいろありますが
今日はですねコチラ(「内用薬」の大袋)、我々にとって特に・・・ 薬です。
薬価、クスリの値段に関して【TPP】が動いてくると、どういう懸念が
あるかということを日本はもちろんですけれどもアメリカ・オーストラリア
いろいろと取材、調査しました。
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┣■【TPP】で薬の価格どうなる
横浜市
【汐田総合病院】
毎日多くの患者で混雑している。 ※座れなくて立っている人も大勢映る
◇医師
動機、息切れとかを感じている?
◇中村さん(71)
朝、突然呼吸ができなくなるような息苦しい状態になって、こちらの病院に
来て、(今も)時々苦しくなったりする。するんで今も・・・
・心臓に持病がある中村さんは去年ペースメーカーを着ける手術を行い、
今は月に2回、血圧を下げる薬などを処方してもらっている。
◆日本では薬の価格は【国】が決めている。
【厚労省】
2年に1度、病院や薬局などが薬を仕入れる値段を調べ(実勢価格を調査)
原則、薬の価格を引き下げていく。
◇薬剤師
いつものお薬ですね。朝晩の薬56日分と、夕方いつもの薬も56日分ですね。
◇中村さん(71)
ハイ。・・・ ハイ。
中村さんの場合、医療保険で7割が賄われ、薬代はひと月9000円ほど。
(ペースメーカーの手術後は医療費免除。)
・あまり知られていないが、日本には薬の価格を抑える様々な制度がある。
『外国平均価格調整ルール』
海外の薬より1.25倍以上高ければ引き下げる。
逆に0.75倍以下なら引き上げる。
例.今年2015年に新薬として認められた
『メチレンブルー』 ※農薬などの中毒症状の解毒剤として使用。
10ml 約34万円が → 約12万円に引き下げられた。
『市場価格再算定』
予想よりも多くの人が薬を買い、製薬会社の儲けが大きくなった場合
通常より多めに引き下げられる。
・このように日本の薬は高くなりすぎないよう調整されている。
◇中村さん(71)
保険料の負担だとかそういうことはありますけども、そういうことがあってもね
やっぱりあのぉ病気になったり怪我したりした時に、安心して医療を受けられる
っていうね、そういう点ではとてもいい。今の日本の制度は。
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┣■米製薬業界 狙いは日本 !?
先月2015年6月29日
『貿易促進権限法案』成立
◆貿易交渉を一任する権限がオバマ大統領に与えられ、今後大詰めを迎える
【TPP】交渉。
◆薬を巡っては、新薬の“特許”と“データ保護期間”をどのようにするかが
焦点となっている。
◆一方【TPP】によって日本独自のルールが変わられ、今後薬の価格が高くなる
のでは?という懸念もある。
◇小澤仁 院長 汐田総合病院
・間違いなく高くなると思います。【厚生労働省】がキチキチッと2年ごとに
(薬価を)下げてくれているわけです。「医療費を上げちゃいけない」ということで
2年ごとに見直しをしているわけです。
・しかしアメリカの企業が入ってしまうとそれが無くなってしまう。
日本は世界で2番目のマーケットなんです。アメリカに次いで。
もう非常に美味しい市場なわけです。
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【アメリカ・ノースカロライナ州】
◇デボラさん(61) 女性
・10年ほど前、突然激しい下痢と脱水症状に見舞われた。
『膠原線維性大腸炎』と診断された。
その薬は呆れるほど高く、笑うしかなかったという。
・薬局に最初に行った時、ひと月2500ドル(約30万円)になると
言われてました。(大笑) 「他にないの?」と言ったわ。*AHHHHHHH*(笑)
倒れそうになったわ。*AHHHHHHH*(笑)
◆アメリカは日本のように【国】が薬の価格を決めるのではなく、
【製薬会社】が決める。上限もない。
・全ての国民が入る公的な保険制度もなく、医療費は個人に重くのしかかる。
・デボラさんは民間の医療保険に入っているが「高額な薬」は適用外だった。
◇デボラさん(61) 女性
・【保険会社】から「それは支払いません」と言われると、*Paid Out*
私たちは【製薬会社】が求める額に従うしかありません。*お手上げポーズ*
でもそれは私の月収の3倍以上です。とても支払えません。*I can do it.*
・デボラさんは一人暮らし。頼ったのは薬価がアメリカの30分の1以下という
外国の薬だった。(カナダの通販会社と通じてインドから薬を購入。)
個人の輸入は法律で禁じられているが、
デボラさんのように外国から処方薬を買う人は400万人近くいるという。
※米政府は黙認状態。
・私の気持ちとしては「アメリカ国内で作られた薬」を使いたい。
でも3ヵ月分で6000ドルはあり得ません。1年で2万4千ドルですよ。
(約300万円)
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◆オバマ大統領はこうしたとにかく“金が掛かる”アメリカの医療を変えようとした。
◇オバマ大統領
今こそ『医療保険制度』を実現させる時です。
我が国は先進民主主義国家でありながら、しかも豊かな国でありながら
(高額な医療に)苦しむ何百万人もの国民を放置している。
“オバマケア”
・国民に『公的な医療保険』を義務づけることで、
支払い可能な医療を受けられるようにする。
・国民のために【政府】が「薬を値下げできる」仕組みをつくろうとした。
この試みが成功すればデボラさんも、
アメリカの薬を買えるようになったかもしれない。
・だがそうはならなかった。
米【製薬業界】の激しい抵抗を受け、オバマ大統領は妥協せざるを得なかった。
◇シェリー・グリード 教授 ニューヨーク大学 ※オバマケアの立案に携わった
アメリカの医療関係者、特に【製薬業界】はとても儲かっていて
自分たちの利益を削りたがりません。政府が医療制度の中で大きな役割を果たす
ようになると、【製薬業界】は自由に価格が付けられなくなります。その結果、
自分たちの利益が減ることを恐れたのです。
・結局、【製薬会社】が自由に薬の価格を決める制度は残された・・・
◇ローズマリー・ギブソン 医療ジャーナリスト
【製薬業界】や【保険業界】は非常に強い力を持っているのです。
彼らの支持を得るために、法案は彼らに好意的なものにしなければなりませんでした
ですから“オバマケア”では薬の価格や患者の支払額に“上限”を設定していません
つまり「医療費は上がり続けています」。
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◆大統領の政策を変えるほど力を持つ【米医療業界】。【TPP】交渉でも
活発に動いている。
今年2015年2月【ワシントン】
「医療機器メーカー」重役の会合にて
◇ステファン・ウーブル会長 先進医療技術工業会
・【TPP】のカギは、我々にとって手続きが「公正」かどうかです。
【政府】が医療費の補助をする場合は透明な方法でやるべきです。
【TPP】には我々が支持する“手続き的公正性”の条項が入っています。
<【米医療業界】の狙い> こんなことを口にした
・【日本政府】ができる一番いいことは、医療に関する規制を改めることです。
現在の日本の規制は「市場原理」に基づいていません。
・日本が設けている『外国平均価格調整ルール』は、アメリカや日本とは
直接取引がない国の薬の価格まで対象にして比較しています。
ちょっと言い過ぎたかもしれません。交渉は正しい方向に向かってますよ。
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◆アメリカは表向き【TPP】によって日本の『医療制度』は変わることはない
としている。(【TPP】閣僚会合で交渉する甘利明 経済再生担当大臣。)
◇【厚労省】幹部
【TPP】交渉で基本的に大きな影響はない。少なくとも今の時点で
具体的に医療分野で問題が指摘され、議論されていることはない。
・だが【自由貿易協定】で薬価制度が変わった国もある。
日本と同様、国が薬の価格を決めてきた【オーストラリア】だ。
アメリカとの貿易により変わったという。
◇トーマス・フォンス教授 オーストラリア国立大学
アメリカと結んだ貿易協定によって、オーストラリアの薬価制度のいくつかは
根本的に変わってしまいました。
かつて私たちには「新薬の価格」を既存の薬のレベルに引き下げるというシステムが
あったんです。アメリカの交渉担当者はそれを標的にしました。
・オーストラリアの国内産業を守る政策が狙われた結果、アメリカが強い競争力を持つ
“新薬”については、高い価格のまま維持される制度に変わった。
代わりに新薬の特許の後に作られる、値段お安い『ジェネリック医薬品』の価格に
ついては更に価格を引き下げたという。
打撃を受けたのはジェネリックを主に造っているオーストラリアの製薬会社だった。
経営が苦しくなり、アメリカの製薬会社に買収される企業も出てきた。
◇薬剤師 オーストラリア
今はジェネリックの価格が下がって利益の出ない薬は造られなくなっています。
実際国内では一部の薬品はもう造られていません。
Q.交渉内容は国民に説明があったのか?
A.
◇トーマス・フォンス教授 オーストラリア国立大学
いいえ。当初オーストラリア政府は「薬価制度は貿易協定には含まれない」と
言っていました。その後突然「協定に含まれることになる」と言い出したのです。
別の国の薬価制度を変えるために貿易協定が使われたのです。
・新薬開発企業にとって不利な、オーストラリアの制度のようにはなってはいないが
日本も薬の価格を抑える独自のルールがある。
【TPP】締結後、そうしたルールも変更が迫られ、薬の価格が高くなるのではと
心配する医療関係者もいる。
◇住江憲勇 会長 全国保険医団体連合会
透明性が全くアメリカに対してなされていないという理由で、(日本の)薬価制度
また薬事行政に介入してきて、とりわけアメリカからの薬について薬価をもっと
吊り上げていく。そういう要求が当然予想されます。
・【TPP】で日本の医療はどう変わるのか。この問題にももっと注目すべきだと
別の医療関係者は指摘する。
◇牛越博文氏 ※神奈川県で病院経営に関わる
医療の現場の人も患者さんも含めて、【TPP】で医療が変わるかもしれないと
可能性でも構わないわけですよねー。そういう可能性があるんであれば、
それに対してどう考えるかという議論はすべきだと思いますね。
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┣■スタジオにて
◇古舘伊知郎 MC
あのショーンさん、【TPP】の中で薬の特許に関してはですねぇ、
日本とアメリカは共闘する形で「特許の期間を長く保つ」というようなところで
足並みを揃えちゃってるんで、それと合わせて今日の話と合わせると、
私は非常ーに危機感を感じるんですね。ところがショーンさんは少し違いますね?
◇ショーン・マクアードル川上 経営コンサルタント
・そうですね。一定の危機感と一定のチャンスっていうのは常に両輪であると
思うんですけれども、オーストラリアの場合は先ほど仰ったまさに参照価格制度
というのがあって、新薬が非常に高い場合というのはその代替医療というのが
あった場合、代替療法よりも有効性があるという場合に関しては一定程度その価格が
維持されるという、その薬価の収載が行われるということなんですけれども、
日本にも基本大きく3つあったと思うんですよね。
・新薬の価格を維持させるという「加算率」の上限というものがあって、
これは試験的に導入されていたものが、アメリカ側が恒久的にというお話があると
いうことと、今お話の通りVTRにあった外国の薬価と平均的した時にどうなのか
という「調整をする」と、そういうものがあったと。それから市場が一定程度拡大
したものに関しては、まぁ「もう一度計算をしなさいよ」ということで、
・大きく分けてアメリカが言おうとしていることは『公定価格制度』に対して
物言いということと「権利」。「権利」というものに関しては日本もアメリカと
歩調を揃えていこうという動きが確かにあるんですが、この『公定価格制度』と
いうのは先ほどの「市場原理」に基づいていないというコメントがありましたが、
人の命というのは市場原理に基づいては私はいけないという立場にあるんですね。
・エーやっぱりその“国の成熟度”っていうものと、“医療の格差”っていうのは
非常に直結している部分があって、これは日本が誇る『国民皆保険』っていうのは
世界に誇る制度であると思うので、これはあのぉ聖域無き関税撤廃というのが前提
ではない、とはいう風にオバマ大統領が【TPA】大統領が貿易促進の権限が
得られる前に仰ってましたが、今少しずつですね、スピードを上げていかなければ
ならない段階の中にあって、しかもオバマ大統領が【TPA】大統領権限を持った
時に、どちらかというと『公定価格制度』というものに対して賛成気味である彼が
やるということの中において、聖域無きというその聖域がだいぶ出来てきていると
いう風に想像はされるんですよね。ですからそこは日本は強かにシッカリと
2015年7月28日からハワイで行われる【TPP】閣僚会合、70%程度は大筋で合意
していると甘利経済再生担当大臣は仰ってましたが、ここは本当に医療費、
これから15年から今後ということになりますと、日本の医療費も15兆円から
30兆円くらいに増えていくという、年金の問題よりも大きな問題になっていく
ということを抱えている中で、あのぉシッカリと交渉に当たってもらわなくては
いけないなと思いますね。
◇古舘伊知郎 MC
日本はちゃんと交渉して闘って、日本のいいところは維持してもらいたいってことに
希望を繋げますが、まっ反面で私が懐疑的なのは、そういうこの薬に関しては上手く
やれたとしてもアメリカと、気が付いたら「日本の医療制度も限界でしょ?」って
ところを見計らって、「アメリカの大手の保険」が入ってきて、さぁここでフォロー
アップしますよ!ってなったら日本ガタガタになるんじゃないかって怖さも感じる
んです。
◇ショーン・マクアードル川上 経営コンサルタント
これは企業と企業が今、保険業界それから生保業界が相当海外企業との連携・提携を
始めていますので、こういった企業間、民間企業同士が連携・提携・共同研究開発と
みたいなところもですね、大きく関係してくる。これも大きな枠組みで少し捉える
必要があると思いますね。
◇古舘伊知郎 MC
この話はまだまだ続くと思いますけれども・・・
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・アメリカの医療制度の問題に関しては既にベストセラーとなった
ジャーナリストの堤未果女史の書籍によって知っている人も多いと思う。
┣・こうしてオバマ大統領の政策を見ると、ミシェル夫人の「児童の肥満撲滅
キャンペーン」なども含めて志すものは素晴らしいのだけれど、ことごとく
既得権益層への説得に失敗し、かえって悪化・混乱させていたりする。
支持率は低下していく上に、たまに軽率な行動をパパラッチされたりも
するのだから、まさに形骸化された大統領。失われた8年間という世界に
与えた時間の浪費は大きかったと言わざるを得ない。キューバも果たして
巧く行くのかどうか・・・ 。いくら優秀な者でも単騎では大群には勝てない
という話。『戦国無双』じゃないんだからさ。(苦笑)
┗・私は自衛に努めるしかないと考えている。薬に頼らない生活をもっと考える
べきだ。何のために生きているのか? 贅沢品を買うために働くのか。
家族のために働くのか。家族の理解・協力は得られているか。資本は身体か
お金か?など。 壊れてから考えていたのでは手遅れだ。
とりあえず独り身の自分の場合は突然死した際の対処なのだが、、、。