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中古車解体業に革命を!“車の後始末”で世界を変える町工場

2014/09/04(木)<中古車解体業に革命を!“車の後始末”で世界を変える町工場>
カンブリア宮殿】 http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/

 

*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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 “循環する社会”を日本からつくる
   <中古車解体業に革命を!“車の後始末”で世界を変える町工場>
┏┓  http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20140904.html
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┣■企業プロフィール

 【会宝産業】(かいほうさんぎょう)

  売上げ :27億円(2013年12月期)
  従業員数:85人
  販売先 :74カ国


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┣■ゲストプロフィール

 【会宝産業】社長
       近藤 典彦(こんどう のりひこ)

 ・1947年石川県生まれ。高校卒業後、東京の自動車解体業で修行を積む。
  その後石川県に戻り、22歳で『近藤自動車商会』を設立。92年に社名を
  『会宝産業株式会社』に改めてから、使用済みのエンジン、部品を再生させて
  国内外で販売するビジネスで業績を飛躍的に伸ばしてきた。自動車リサイクル
  を通じた環境保全への貢献を目的とするNPO団体RUMアライアンスを
  立ち上げ、18の同業者と共に環境保護の思想を広める啓蒙活動を行っている

 

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┣■4000人が殺到! 意外な“解体ショー”


 ◆加賀100万石の城下町、石川県金沢市の今や夏の名物行事。(3年前から)

 ・目の前で乗用車が僅か5分ほどでサイコロ状の小さなスクラップに。
  子供から大人まで驚きを隠せない。感動

 

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┣■タダ同然の車が7万円に!“高額査定”のワケ


 ◆日本国内で年間に販売される新車の台数は約530万台。
  その一方で廃車になる中古車は約340万台に上る。
  そのほとんどが国内に約2500あるという解体業者によって解体され、
  鉄くずや使える部品として仕分けられる。


 【会宝産業】
  国内に約2500あるという解体業者の最大手。
  会社の敷地内には解体を待つ廃車が1000台以上待機している。

 ・解体ビジネスはいわば“もう1つの自動車産業”なのだ。


 ・【会宝産業】は廃車となる自動車を引き取ることから始まる。
  個人、カーディーラー、中古車販売からお金を払って引き取っている。

 ・買い取る際は「走行距離」と「シートに着いているタグ」を見る。

 ・20年乗った車、二束三文かと思いきや7万5千円に!
  他の業者の査定では5千円にしかならなかった。

 ・廃車は工場へと運ばれて、
  タイヤ、部品などをネジ1つから丁寧に外していく。
  ほとんど全ての部品が売り物になる。

  ボンネット2千円、テールランプ1千円、ハンドル2千円、
  一番高いエンジンは5万5千円   ※車種や状態によって当然異なる
  残った車体ボディー1万7千円    各部品が細かく記述されている

  7万5千円で買い取った車が、締めて11万円になった。


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 ◆しかし20年以上も前の部品を誰が買うのか・・・


 ・今その中古部品に注目しているのが海外の自動車部品バイヤー達。
  海外での日本車の人気は高く、新車だけでなく中古車需要も膨らむ中、
  修理するのに必要な部品の需要も高まっている。

  日本の部品は海外では引っ張りだこ。高く売れる。


 ・いち早く良い部品を手に入れようと、泊まりこみでやってくる
  海外中古車部品バイヤーも多く、専用の寝泊まり施設まである。
  長い人で3ヵ月滞在するという。

  ロシアのハバロフスクカリブ海トリニダード・トバコ
  パキスタンなど。

  いい部品は直接来なければ手に入らないし、細かい部品も欲しい。


 ・【会宝産業】は世界74カ国と取引。海外売上比率は75%に上る。
  リーマンショックも乗り越え、この10年ほどで売り上げは4倍の
  27億円に。業界最大手に成長した。
  (年間1万4000台の自動車を解体している。)

 

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┣【RYU'S EYE】

  なんでこれワクワクするのかなあ。
  なんか物を分解するだけでも面白いですもんね。

  中古車が動かなくなった時に、エンジンを換えて乗る、というような
  途上国の常識というのがね、俺あんまり知られていないと思うんだよね。

  どんだけこの人のやっていることが偉くて可能性があるかっていうのを
  しつこく、あのぉ訴えた方がいい。キッパリと


  地球上に11億台 ニッポンの技術で挑む 解体革命!

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┣■日本の“中古品”を世界に! 解体ビジネスを変えた男


 ◆解体業を誇りあるビジネスに!


 ・今から45年前1969年、社長の近藤は22歳で同社を設立して以来、
  裸一貫で町工場をグローバル企業へと成長させた。
      ※(有)近藤自動車商会
         朝の5時から夜更けまで身を粉にして働いた。
         当時は廃車を屑鉄として売るよくある解体業者だった。


 ・1991年、転機が訪れる。

  ある日、中東のクウェートから一人の男が訪ねて来て

  「ここにある部品、全部売ってください!」

  男はなんと200万円で買い取って行った。

  近藤典彦社長
  これはビジネスになる! 近藤の目が世界に向いた瞬間だった。

  「これは面白いな。こんなものが売れるんだなと。
   日本だとスクラップにしかならないのに中古部品が確実に売れる。
   『これは海外は面白いな』ってことで海外の貿易を始めた。」

 

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┣■解体ビジネス大改革


 ◆独自のシステムを構築


 ・『美しき陳列』
  それまで床に直置きしていたエンジンを倉庫の棚に整然と並べた。
  まるでホームセンターの商品棚のように一目瞭然、綺麗に並べられている。


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 ・『品質の“見える化”』
  それまで動かさないと分からなかったエンジンの品質を
  1つ1つタグを付けることで容易に見える化した。

   品質を保証したタグ(六角の性能グラフ)※自社で独自に性能を検査
   5段階評価で、6項目を
   「圧力」「走行距離」「始動状態」「さび」「加熱」「油汚れ」
   業界初の試み。


 ◇近藤典彦 社長
  「何でもいいから持って行ってよ」と言うのは楽ですよ。
  だけどそんな商売はいつまでも続くことはないと思っている。
  我々は「商品にしたい」という強い思いがあった。


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 ・『ITで在庫管理』
  中古部品の在庫情報をネットで公開。エンジンだけでも1200種類以上。
  業界初の試み。海外のどこからでも発注できるようにした。


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 ・『多言語に対応』
  海外からの注文に対応するため、語学に堪能なスタッフを揃えた。
  「スペイン語」(南米ボリビアなど) 「ロシア語」「英語」「中国語」
  などにも対応できる、知られざるグローバル企業。

  今や世界74の国と地域に中古部品を販売している。


 ◇近藤典彦 社長
  自動車部品はある意味で、経済発展してきた象徴みたいなものですから
  その象徴の自動車を再資源化する、綺麗にリサイクルする。

 

  地方から世界へ。自動車解体事業に革命を起こした
  小さな地方企業の大いなる挑戦 !!

 

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┣■スタジオにて 村上龍小池栄子と歓談


 ◇近藤典彦社長
  (実際の自動車中古部品を手にしながら)

  『サンバイザー』(日差し避け)は100円くらい。一番よく売れるのは
  『ホーン』なんですよ。途上国に行くとスゴく鳴らすから結構故障する。
  これも我々のところから出るときには100円くらいで売れる。

  『トレジャーチェア』4万6080円  ※リサイクル商品
  車のシートにキャスターと肘掛けを付けた物。リクライニングも可能。
  バランスも取ってあるので後ろにひっくり返ることはない。


 ◇村上龍
  車のシートって人間工学的に作られていて、形もそうだけど長時間運転しても
  疲れないようにクッション弾力性などもすごく計算されている。

  『エコバッグ』     3070円  ※リサイクル商品
  エアバッグの生地。 ※沢山入れても丈夫。

  『トートバッグ』    9720円  ※リサイクル商品
  シートベルトで制作。※綺麗に縫い合わせており見た目も綺麗。


 ◇小池栄子
  通販の番組みたい。ずっと見ていられる。(笑)

 

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 <小池栄子の質問 1>

 Q.費用をもらって解体している?

 A.スクラップが非常に安い時はそういうことがあったが、今ではない。
   ちゃんと鉄は鉄として売れるし、材料として売れる物は沢山あるから
   お金を出して我々は車を買ってくる。

   我々はリサイクル事業者として廃車を査定する仕組みを作っている。
   だからお客様に情報を提供して、適正価格で我々は買い取る。
   そうしないと“グレーゾーン”になってしまうんですね。
   「黙っていれば儲かる」というのは商売じゃないですよね。


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 <村上龍の質問 1>

 ・近藤さんのゲスト資料を見てビックリしたんですけど、
  日本の中古車がこんなに海外で人気があるってことを
  なかなか知られていないんですよね。


 Q.日本の中古車(部品)はそんなに人気があるんですか?

 A.ありますね。日本の車は性能がいい。自動車メーカーが12社ぐらい
   あるが、しのぎを削って“いい物”を作ってきた。

 

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 【村上龍の視点】

  自動車メーカーがない国の「中古車人気」

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 ・自動車が中古・車種ともに豊富な日本にいると、
                 諸外国の人たちの気持ちがよく解らない。


 ・自国に自動車メーカーがある国の人は、
           他国から中古部品を手に入れようなど、まず思わない。


 ◇近藤典彦 社長
  壊れたら乗れなくなる。1ヵ月、2ヵ月放置して待ってでも部品が欲しい。
  日本だとそんなことはしない。だから日本はそれだけ豊かな国なんですよね。


 Q.日本だと売れず二束三文のものが、海外の人は高く買ってくれるんでしょ?

 A.いやそうじゃなくて、日本の場合はいい中古品であれば売れるんです。
   日本国内でも流通する。ただそれは年式の新しいもの。
   年式が古くなったものは、日本にその車が走っていないから部品として
   売れない。ところが海外に行くと10年20年経った車の部品でも欲しい。
   10万キロ走った日本のエンジンが、海外でまた30万40万キロ走る。
   それが1つの大きなビジネスになっていく。

 

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┣■“中古品”満載のコンテナを追跡! 行き着いた先は・・・


 ・バイヤー達は コンテナの中に出来る限りの部品を詰め込み、少しでも
  お金に変えようと必死だ。

 ・日本からのコンテナを追って行き着いたのはロシアのウラジオストク
  街を走る車の9割が日本の中古車だ。      ※夏は30℃になる

 ・街には車の中古部品を扱う業者が200近くも点在する。
  そこでは驚くべき光景が。日本から仕入れた中古部品が仕入れ値の
  3倍近くの値段で売られているにも関わらず、現地のドライバーは
  次々と部品を買い求めていた。

  ※シールは剥がさない。日本製品の証しとしてかえって好都合。
  ※日本人は丁寧に扱うので部品の状態がいいと広く認知されている。


 ・さらになんとロシアではエンジンを丸ごと積み替えて再利用している。
  日本でゴミとされる部品が海外では宝へと姿を変える現実がある。

 

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┣■『宣言!あいさつ日本一!きれいな工場日本一!』


 ◆世間から冷たい目で見られてきた自動車解体業の現実を味わいながら、
  常に近藤の心の中にあったのが「誇りある仕事」として解体業を認知して
  ほしいという思いだった。

 ・22歳で会社を立ち上げ、裸一貫で毎日汗だく・油まみれでなりながらも
  一生懸命に働いてきた。そんなある日、廃車を引き取りに自動車販売店を
  訪ねた際、心ない店員に「フン!解体屋か。トットと持って行け!」。
  この一言に言いようのない屈辱感を覚えた。


 ◇近藤典彦 社長
  人の要らなくなったものを持っていく。買ってきても屑屋みたいなイメージで
  「ここにある物持って行け!」みたいな悔しい思いをしたことが何回かある。


  “解体業を誇りある仕事にしよう”と誓った。


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 ◆徹底的に社員教育に力を注いだ。


 ・まず取り組んだのが「挨拶」の徹底。接客業のように教育をする。

 ・さらに「工場をピッカピカに」。ホウキで取れないゴミは手で拾う。
  今では塵1つ落ちていないほどピカピカになった。

 ・極めつけは「トイレ」。便器まで素手で洗う徹底ぶり。


 ◇男性社員
  油を使う業者が清掃してもお客様は「どうせ汚い」と思う感覚があるかも
  しれないが、いつも以上に気持ちよく使える(トイレだ)と思う。


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 ◆8月に行われる『会宝リサイクルまつり』では、一般市民の皆さんに
  日頃知らない車の解体の身近に感じてもらうとともに
  リサイクルにも貢献していることを伝えるために始めた。※親子に大好評
  解体業を誇りある仕事にするため、様々な取り組みを実践し続けている。

 

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┣■解体業界全体を変える!


 【RUMアライアンス】
  全国18の自動車リサイクル業者が近藤社長の呼びかけで加盟。

 ・自動車の解体、リサイクルを通じて環境保全に貢献しようというもの。


 ◇近藤典彦 社長
  日本の自動車リサイクル事業は素晴らしい仕事を「静脈産業」として
  作り上げた。それを世界に広げていきたい。このメンバーで。

   製造・加工は、   「動脈産業」
   解体・リサイクルは、「静脈産業


 ◆自動車タイヤの再利用
  細かく砕いたタイヤはそのままの状態で業者が買い取ってくれる。
  タイヤは熱量が高いため、製紙工場や発電所などで石油の代わりに
  活用されている。


 ◇加盟業者の声

 ・考え方が全然変わる。「車を壊して、ただ儲ければいい」という
  発想から離れる。

 ・協調、協力。みんなで力を合わせて業界を盛り上げるという考え方が
  すごくこの【RUMアライアンス】のメンバーは浸透している。

 ・茨城の解体業者は会宝産業と部品の在庫を共有することで約2億円
  売上げを伸ばした。

 

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┣■スタジオにて 村上龍小池栄子と歓談


 <小池栄子の質問 2>

 Q.社員教育で大切にしていることは?

 A.我々の仕事は「リサイクル業よりもサービス業」という観念を植え付けたい
   ということで、皆が「お客様のために何ができるか」を考える会社にしたい

   そのためにはまずお客様が安心するのは「挨拶ができる」こと。
   当たり前のことだが、なかなかできない人が多い。

   エンドユーザー個人のお客様に来てもらうためには「キレイな工場」を
   作らなければならない。汚い工場に誰も来たくない。だから汚いものを
   扱っているからこそ、キレイな工場を作ろうと。キレイな工場にすることで
   事故もなくなる、働いている人も気持ちがいい。
   一つ一つの小さな積み重ねが大きいことになっていくとの思いでやっている


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 <村上龍の質問 2>

 Q.「動脈産業」と「静脈産業」をどう理解・説明すればいい?

 A.人間の体と一緒で、正常に生きていくには「動脈」と「静脈」がうまく
   循環するのが大事。

   新しいものをつくる           「動脈産業」と
   要らなくなったものをキレイに再資源化する「静脈産業」。

   この循環がこれからは必要になってくるだろう。

   今までは「環境を悪くして経済を成長」させてきた。

   今度我々がやらなければいけないのは
   「環境を良くすることで成長する経済」をつくっていかなければならない。

   ただどれ1つ欠けてもマズい。

   バランスを取っていかないと人間の体が保たないように
   地球環境もそうだと思う。


 ◇村上龍
  結局それまでは『プロダクツ』ということが主で、物を作って送り出すと。
  それはそこで循環させるという概念がなく、そこで朽ち果てるというか、
  捨てられてて、また『プロダクツ』してドンドンどんどん送り出していく
  ってことですものね。

  リユースしたり、リサイクルしたりしてもう1回戻ってくるってことですね。


 ◇近藤典彦 社長
  循環型です。そうしないと地球は保たなくなると私は危惧しています。

 ◇村上龍                   ◇近藤典彦社長
  「動脈」しかなかったら死んじゃいますもんね。 そうそう。(笑)

 

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┣■ニッポンの解体技術で環境汚染の街を救え!


 ◆【会宝産業】の視線は海外にも向けられている。


 ・途上国で廃車が不法に山積みにされている現実を知った近藤は、
  日本の進んだ自動車解体技術を海外の途上国に伝えようと考えた。

 ・アフリカでも最も人口の多い国ナイジェリア。首都アブジャ
  国を走る約3割の車が中古の日本車。

 ・この国では使われなくなった車は、鋼をハンマーで叩いて壊すという
  原始的な解体方法で、エンジンなど一部のみを欲しがり、あとは廃棄。
  自動車部品がゴミとして山積みになっている。放置された部品はやがて
  朽ち果て、サビた鉄やプラスチックや油が環境を汚染している。


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 ◆【会宝産業】は事態を憂慮したナイジェリア政府の要請を受けて
  この地に解体工場の建設を計画。


 ・解体するだけでなく、最後のリサイクルまでいって初めて業として成り立つ。
  1人でも理解してくれる人を築くのが目的の1つ。


 ・実際に彼らの目の前で日本式解体作業を披露。部品がお金になることや
  どんな資源が含まれているかなど教える。丁寧にバラすことで見えない
  箇所にも売れる部品があることを知る。ゴミから出てくるお宝にビックリ。

   銅線15kg 約4800円。 シートのウレタンでさえ売り物になる。


  彼ら自身がリサイクルを回していかないと意味がない。
  我々が彼らに仕組みづくりを伝えていって
  彼ら自身がリサイクル「静脈産業」を回していけるようになっていくのが願い

 

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┣■村上龍の疑問


 Q.「ボランティア」と「ビジネス」のバランス

 A.部品は必ず売れる。ウチは日本にある部品を向こうで販売し利益を出して
   その利益が出た中で、指導・研修をする。

   日本の【JICA】(国際開発機構)とつながりを持っているので
   【JICA】と協力しながら、日本の国が世界の国々に貢献できることも
   一緒になって民間企業としてやらせてもらっている。

   要らなくなったゴミをどう再利用するか。エネルギーにして発電するとか
   そういう技術をどう海外へ持っていってあげるか。


 ◇村上龍
  そうやっていくとなんだか「立派なことをやらなければいけない」という
  イメージに捉えられるが、そうではなくて「経済的に成功する」ためにも
  準備期間とか、信頼感を高めていったりしていくと・・・、考えていくと
  近藤さんがやっていることは、“無限大のマーケット”があるってことに
  なりますからね。世界中に。 そうなんですよ(近藤典彦社長)


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 【村上龍の視点】

  「循環型 解体ビジネス」は 次世代モデル

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 ◇近藤典彦 社長
  日本には素晴らしい技術がいっぱいある。世界にもある。
  その技術のいいところを上手く噛み合わせて、つなぎ合わせていく。
  つなぎ合わせることで新しい技術や商品を生み出していくと考えれば
  無限に組み合わせができる。
  循環すれば無限なんですよ。それをどう作り上げるか。


    “循環する社会”を日本からつくる

   『地球上を走る11億台の車を
    無駄無く再利用できるビジネスモデルを構築する』。

 

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┗■村上龍の編集後記


 ◆こちらはサイトで直接ご覧下さい。とっても充実したサイトです!

  

www.tv-tokyo.co.jp

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・かなりサイトが充実してましたので、メモするのは止めようかとも考えた
  のですが、久しぶりに感動した話だったので記録に留めようと思った次第。

┣・解体業者のイメージは確かによくありません。汚いというよりも仕事が雑
  だという印象の方が個人的には強いです。家の解体作業など皆さん酷いと
  思いませんか? ゴミの回収リサイクル業は需要が高まっている様子で、
  かなり丁寧な応対のように感じます。

┣・再生紙とすべく古紙の回収が当初の思惑通りに進まず、リサイクル工場が
  稼働していないNewsを耳にしました。ただやみくもに実行に移すのでなく
  「確実に売れる・確保できる」ものがないと何事も続きません。そういう
  ことが本当に日本の行政はゴテゴテで見ていて嫌になります。で、誰しも
  責任を取らないし、説明すらしようとしない。行政に携わる連中は額に
  「行」とか焼き印を押して身分を明らかにすべきだと思うんですよね。
  キン肉マンみたいになるけど。(笑) 公僕なんだから焼いてもいいじゃん?

┗・まっ民間業者は「確実」なことを確認してから行動に移します。実はそれが
  一番大事で肝心なことだと考えます。

  超長ぇ 本当に疲れたぁ。(^^ゞ


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┗・約1年ぶりに読み返してみても面白かったので再掲してみます。
  志の高い企業は強いことを証明していると思います。恐らく今も健在のはず?