若年性認知症4万人 早期発見のカギは
2015/04/10(金)<若年性認知症4万人 早期発見のカギは>
【特報首都圏】 http://www.nhk.or.jp/tokuho/archives/index.html
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓若年性認知症4万人 早期発見のカギは
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┣■認知症だと気づかない
『若年性認知症』
平均発症(推定) 42~61歳
・働き盛り。本人や家族に大きな影響が出るとして国は今年2015年4月
若年性認知症の支援策を強化していく方針を打ち出した。
・根本的治療法が確立されていないものの、早期に発見し適切な治療を行うことで
進行を遅らせたり、病状によっては改善にもつながり、いかに早く見つけるかが
重要。
・受診/診断までの期間(『認知症の人と家族の会』調べ)
気づいてから受診するまで、平均 9.4ヵ月
診断後、実際に治療するまで平均17.7ヵ月 ※高齢者の認知症と比べ3ヵ月遅い
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┣■実例1 南田さん夫婦の場合
・夫が56歳の時に若年性認知症と診断された。現在63歳。白髪に。
妻の支えなしには身の回りのことは何もできない状態。
・飲食店を経営し、寝る間を惜しむほど仕事熱心だった夫。50歳を過ぎた頃から
これまでにない異変が現れるようになった。
小さなことでも過剰に反応し、不安を訴える。
これまで出来ていたことに手間取るようになった。突然操作が分からなくなる。
・この時点で妻はまだ認知症だとは気づかなかった。
「鍵が開けられなくても次の日には出来るんです。
たまたま分からなかっただけよね。そうだよ。の繰り返しだった。
周りに人も大丈夫だと言ってくれたし、認めたくない自分もいた。」
・夫も妻に心配掛けまいと、内緒で漢字やひらがな、数字の書き方をノートに大量に
繰り返し練習していた。自分や妻の名前を毎日のように書き留め、忘れないように
努めていた。
「言い出せなかっただろうし、認めたくなかっただろうし。
とにかく必死になって保とうとしていた。
人一倍、私のいないところでやっていた。」
・認知症だと確信したのは、落ちたタオルを掛けるよう頼んだときに
じっとタオルを持って眺めて数分後「わからないんだよ、タオルの掛け方が」
このとき初めて認知症だと確信した。
・すぐに病院に連れて行き、精密検査を受けた結果『若年性認知症』と診断。
最初の異変から治療に至るまでに3年も経っていた。
「もっと早く病院に連れて行って、病院で訴えて早く治療を受けるべきだった。」
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┣■実例2 齋藤さん夫婦の場合
・57歳の時に夫が若年性認知症と診断された。現在66歳。
日々判断力が鈍る夫を車いすの妻が支えている。
「大変ですよ。1回教えたのに次やるとき忘れてますから。」
・異変は仕事中に脳内出血で倒れたことがきっかけで始まった。
活動的だった夫がその後、部屋に閉じこもりがちになった。
・不安を感じた妻は夫を連れて近所の精神科を受診。
しかし問診をした医師からは「特に異常はない」と伝えられた。
・その後も夫の異変は続き、総合病院へも行ったが
しかしそこでも「様子を見ましょう」と告げられたという。
「これだけ(部屋に)籠っているのに“異常なし”であるわけがない。
この人壊れていくのに、どうしたらいいんだろう・・・ 」
夫が『若年性認知症』と診断されたのは最初の病院を訪れてから半年後。
別の病院の『脳神経外来』で脳画像や心理テストを受けた結果ようやく判明した。
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┣■なぜ病院は見逃してしまうのか?
・片山禎夫医師 認知症専門医
困っていることが精神的なことなのか、認知機能が低下してなのか。
困っていることをちゃんと知るのかが重要。
早期にもっともっと診断できるように、見逃さないようにしていかないといけない
・発見が遅れることで、
本人や家族が深刻な状況におかれていることが浮かび上がってきた。
54歳で診断:若年性認知症になるとまず一番に“経済的”に困る。
58歳で診断:どこにも行き場が無くなり、孤立している。
仕事を失い追い詰められる生活や、介護生活への苦悩など切実な声が綴られる。
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┣■スタジオにて 新井平伊 順天堂大学大学院 教授
・医学的には“医師の認識不足”それから“診断の難しさ”があると思います。
どんなドクターにも40代、50代の患者に認知症を結びつけて考えるという
傾向はないですね。それから初期には鬱病と認知症が一緒に存在する場合があって
鬱病という診断で終わってしまうこともあります。
初期の場合は認知症の方が悩んで鬱病に陥る場合が少なからずあってですね
そうすると鬱病の治療を受けて、しかしそれがなかなか良くならずに
実は認知症だったということが少なからずあります。
・もう1つは高齢者の方は脳の画像検査でハッキリとした所見が出たりしますが
若年性認知症の場合はそうした特徴が出ない、画像検査の難しさもあります。
・よく病院でどの科に行けばいいのか迷うといった声を聞きます。その場合は
物忘れとか認知症といった専門外来を持っている病院。
それと今は認知症疾患医療センターといったものが各地区に増えています。
ただそういったものの普及・啓発活動がまだ不足しているんだと思います。
・物忘れと認知症の見極めのキーワードは「変化」
頻度 :元々忘れやすいことも考慮しつつ、その程度が増えたかどうか
、程度 :単なるド忘れではなくて、大事な用件をすっぽかすしてしまった
広がり:物忘れ以外に、計算ができない、道に迷う、道具が巧く使えないなど
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┣■予防のカギは、認知症の“前段階”
・病状の進行
正常 :生活支障無し
認知症:生活支障有り
生活支障無しだが『軽度認知障害』(MCI)状態が判ってきた。
今最新の検査法を用いて、この領域の段階で認知症を予防していこうという
動きが始まっている。
<最新の検査法>
・ランダムに選ばれた単語を一緒に復唱し、何個覚えているか。
→ 個数・順番・時間・年齢・学歴などを考慮して判断する。
この検査方法はアメリカで75万人の調査データを元に生み出されたもので
極めて高い精度で『軽度認知障害』をすることができる。
<『軽度認知障害』が見つかった場合>
・生活改善:食生活や運動などを指導。症状によっては進行を遅らせたり改善する。
この検査方法と従来からの脳画像とを組み合わせることで
認知症を未然に防ぐ効果を高めようとしている。*予防* やっと出始めてきた。
・電話で判定する検査方法『頭の健康チェックセンター』
テストの時間は10分ほど。
従業員の健康管理に生かそうとする企業や、人間ドックのオプションとして
利用が広がっている。
・『軽度認知障害』を40歳以上の市民を対象に無料で始めた自治体もある。
前年と比べてどうだったか、保健師が具体的な改善アドバイスをしてくれる。
検査を始めた結果、100人以上の軽度認知障害の疑いのある市民が見つかった。
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┗■スタジオにて 新井平伊 順天堂大学大学院 教授
・多忙、寝不足、飲酒だった人が生活改善をして『軽度認知障害』の症状から治り
元気に働けるようになった患者さんも実際にいます。
・『アルツハイマー病』などは今の段階で発症させないということは難しいけれど
生活改善することによって発症を遅らせる、進行を遅らせるという早めの対応が
できることが重要ですね。
・“治る認知症”というのがあるんですけれども、正常圧水頭症(?)ビタミンの欠乏
そういうのは早めに見つけて治療をすれば認知症にならない。いろんなケースが
軽度認知症にはあって、それぞれ重要な意味を持っている。
・スクーリングテストはあくまでも入り口。正確な診断は医師による診察、血液検査
画像検査、そして認知機能の検査。複合的に判断することがあるというのも重要。
<『若年性認知症』どう向き合うか>
・身体は元気で社会にとっても働き盛りの人ですから、非常に重要な存在ですね。
その方たちに発症を遅らせる、進行を遅らせるのはとっても重要です。それを
国も重要な課題として挙げている。我々は今できることで認知症の方に対応して
個人で、地域で、そして国を挙げてやはり取り組むべき必要があると思います。
・『若年性認知症』に対して「怖い」「人間が全部ダメになってしまう」という
誤解があるんですけど、実はそういうことではなくて脳の機能はほとんどが正常で
人間としての豊かな感情の世界、ご家族を含めて病気を持ちながら日々を非常に
輝いて過ごしていらっしゃる方も沢山いるんですね。そういう風にですね、やはり
病気を怖がらずに前向きに我々医療者も一緒になって取り組んでいく、そういう
思いを大切にすべきだと思います。
・長い人生、『若年性認知症』の経過は15年から20年と非常に長い経過ですので
その途中・段階でですね、いくつでもやることがあります。それをみんなで重要に
考えてですね取り組んでいく試みが必要なんだと思います。
症状がどんどん進んでいくわけではないので、長い経過の中でその方の人生を
もう一度考え直す機会になるんだと言えると思います。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・昨年2014年辺りから急にメディアで取り上げられるようになった認知症。
徘徊者の増大ぶりに、さすがに目を向けざるを得なくなったのでしょう。
┣・今日たまたま図書館で、予約した書籍を棚から探し出せず、もしかしたら
自分も『軽度認知障害』かと思い、一生懸命メモ取りしてみたわけですが
対応方法としてはそんなに目新しいものはありませんでしたね。最新だと
いう検査法も【任天堂DS】『脳トレ』の一部にしっかりとあったし。(笑)
DSの教育ソフトは認知症予防にちょうど良いアイテムと言えそうです。
┗・説明を聞いていると働き過ぎや怠けすぎで、脳がプッツンまたプスプスと
切れる・とろけてしまうのが認知症という感じを私は受けました。満腹で
ボーとして眠気を誘うのと似たようなものなのかもしれません。最後に
教授がおっしゃった「人生をもう一度考え直す機会になる」という言葉を
噛みしめ、これからじっくりとラストに向けて考えて生きたいと思います。