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“北の大地”に鉄道は残るのか・・・ 全線路の半分が「維持困難」/民営化30年 瀬戸際の【JR北海道】

2016/11/18(金)<“北の大地”に鉄道は残るのか・・・ 全線路の半分が「維持困難」>
報道STATION】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/
2016/11/18(金)<民営化30年 瀬戸際の【JR北海道】>
時論公論】 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/

 時論公論 | NHK 解説委員室 | 解説アーカイブス


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓特集  <“北の大地”に鉄道は残るのか・・・ 全線路の半分が「維持困難」>
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報道STATION】 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/

 


   早くも雪に覆われた【北海道】 走るのは『JR札沼線
                       札幌から北東に延びていく路線
                       地元の方々にとっては貴重な交通手段

   今日2016年11月18日
  【JR北海道
   管内の“ほぼ半分”の路線が「単独で維持していくことはもう難しい」と発表した


   なんとか“維持していく”ことはできないのか・・・

 

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  北の大地に鉄道は残るのか・・・
┣■全路線の半分が「維持困難」


  *ファアァンン*          ※月形町を走る『札沼線』の写真が放映された

  車窓を流れていく四季折々の自然

  私達が暮らす町や故郷を『鉄道』が走る-

www.youtube.com

www.youtube.com

 

  そんな“ニッポンの原風景”が失われていくのだろうか?


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆赤字路線の見直しを進めてきた

 【JR北海道

www.jrhokkaido.co.jp


  今日2016年11月18日
 ・本社において「当社単独では維持することが困難な線区について」と題して
  その該当する路線を発表した。

  ◇島田修 社長 JR北海道
   13線区1237kmについて、当社単独では維持することが困難な線区と
   せざるを得ない-

www.asahi.com

rail.hobidas.com

  <【JR北海道】維持困難な「13区間」>

   ・見直されるのは「乗客が減っている」10路線13区間

    ①『札沼線』 (北海道医療大学新十津川: 47.6
    ②『根室本線』(富良野新得      : 81.7
    ③『留萌線』 (深川~留萌       : 50.1
    ④『日高本線』(苫小牧~鵡川      : 30.5㎞)※まだ通勤・通学圏
    ⑤      (鵡川~様似       :116.0㎞)※乗客疎ら・一人旅満喫
    ⑥『宗谷本線』(名寄稚内       :183.2
    ⑦『根室本線』(釧路~根室       :135.4
    ⑧      (滝川~富良野      : 54.6㎞)
    ⑨『室蘭本線』(沼ノ端~岩見沢     : 67.0㎞)
    ⑩『釧網線』 (東釧路~網走      :166.2㎞)※一直線に感動。(笑)
    ⑪『石北本線』(新旭川~網走      :234.0㎞)※峠越えてから長かった
    ⑫『富良野線』(富良野~旭川      : 54.8㎞)
    ⑬『石勝線』 (新夕張~夕張      : 16.1


    これらは同管内のほぼ半分に当たる距離。

   ・その内、①~③の一部区間では『鉄道』を廃止し
    『バス』などへの転換について沿線自治体と協議していくことを発表した。


 『札沼線』が走る
 【月形町】では
 今日2016年11月18日午前8時半
 【JR北海道】本社の会見に先立ち、同社の常務が同町役場へ説明に訪れていた。


 Q.『バス転換』となった場合、「地元合意」というのは必須条件なのか?

 A.
  【JR北海道
  ◇小山俊幸 常務
   それはこれからまたご相談させて頂く話になると思います。(^_^;) ・・・ 。

  【月形町】
   JRの対応に憤りを露わにした
  ◇上坂隆一 町長
   一方的にね(^o^;)、会社の理屈・理論でね、無くなるなんてことをね(^o^;)-

   病院に行ったり、それから障害のある人がね。通勤に毎日使っているものをね
   やむなく止めなきゃいけない状況にあるとかってね、“ありき”でね・・・
   そのことが私は納得できないし、怒りを覚えてますけどねー。( ̄ω ̄ ブーッ


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 ◆町から『鉄道』が無くなるかもしれない-

  午前7時半
 【石狩月形駅】

www.youtube.com ※【石狩月形駅】から出発しています。(笑)


  突き付けられた現実に利用者は-

  ◇札沼線の利用者 50代後半の女性
  (無くなると)困ります。*コクリ*
  (車で)通勤できませんから、仕事を辞めなければなりません。。。

  ◇札沼線の利用者 50代後半の女性
   年取ってるから車も乗れなくなりますからね、今度ね。*コクリ*
   ねー、危なくてね。
   どうしてもダメなら(苦笑)、やっぱり、、『バス』でも仕方がないかなーと
   思います。*コクリ*


 ・町内にある
 【北海道月形高校】では
  3分の1の生徒が通学で『鉄道』を利用している。

  ◇男子生徒2人組
   *互いに見つめ合い、思わず(苦笑)*

   「まあ、、、寂しいッスね」

   「(乗車時間は)1時間ぐらいですね。
    【JR】が無くなるんであれば、ちゃんと『バス』の方をしっかりとして
    欲しいですね。*コクリ*」


 ・これまでも一部区間の廃止が取り沙汰されてきた
  『札沼線
  【月形町】など沿線の町は存続を願って利用者を増やす取り組みを続けて来た。

   本名「札沼線
   愛称「学園都市線
   JR札沼線で行こう。

http://www.town.tsukigata.hokkaido.jp/secure/8833/jrposter_print.jpg

www.town.tsukigata.hokkaido.jp

  互いの町の幼稚園や保育園の児童が鉄道に乗って交流したり-

  前月形町長が観光客向けに『町内の名所を案内するツアー』をしたり-

  ◇上坂隆一 町長
   私は『鉄道』は!絶ッ対守らなきゃならないね(^o^;)“先人の遺産”だし、
   大事な宝だと思っている。*ウンウン*


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 【JR北海道
 「単独で維持できない」路線沿線の56自治体にアンケートしたところ

  → 49自治体が「『鉄道』は欠かせない」と回答した。

   【稚内市
    『高速道路』も整備されていない。『鉄道』を失うと自治体は衰退していく。

www.city.wakkanai.hokkaido.jp

   【南富良野町
    『バス』は冬が心配だ。道路が雪で塞がれたり、事故も起きやすくなる。

南富良野町/北海道空知郡南富良野町、イトウと暮らすまちづくり -


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 ◆こうした存続を求める地元の声も根強い中
  【JR北海道】が今回の発表に至った理由-

  寒さが厳しい北海道では元々「線路の保守」に費用が嵩む上、「人口減少」などで
  昨年度2015年は“全路線が赤字”に。

  そして
  今年度2016年は夏の“台風被害”も重なり、営業赤字は発足以来最大の440億円
  になるだろうと予想している。

  ◇西野史尚 副社長
  【JR北海道】も最大限の努力を行います。
   合わせて皆様からも「一緒に取り組んで頂けないでしょうか」と。
   そのための「ご相談をさせて下さい」と-
                              ※力強い言葉だった


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 ◆【JR北海道】の提案


  『札沼線』など①~③の一部区間で『鉄道』を廃止する3路線以外

 ・『日高本線』『宗谷本線』『根室本線』『室蘭本線』『釧網線』『石北本線
  『富良野線』『石勝線』では

  → 「運賃の値上げ」などに加え、『上下分離方式』を提案。

     沿線自治体と協議する方針を示した。


 『上下分離方式
  線路などのインフラ  ・・・ 【行政】が負担。
  車両の運行やサービス ・・・ 【JR北海道】が担当。


 ・詰まるところ
  インフラの維持管理は『税金』を使って賄い「路線を維持する」ということになる。

  【関西大学
  ◇宇都宮浄人 教授
  『道路』を考えてみたら、別に県道も国道もいろんな市道がありますけれども
   これは別に全て『税金』で賄われているわけですから

  『鉄道』だけ民間事業でインフラまで抱えているっていう方が“むしろ不自然だ”
   っていうのが今の世界の常識的な考え方です。

   あくまで土俵は行政が支えて、その上で民間の力で鉄道サービスをより良いものに
   していく。こういうことが『上下分離』ではできるわけですねー。


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 ◆『鉄道』を残すのか? それとも他の交通手段を選ぶのか?


 ・皆さんはどう考えますか ??

 


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┗■スタジオにて


  ◇富川悠太 MC
   ウーン、中島さんはあの、【北海道大学】でも教えてらっしゃいますから
   『札沼線』は乗ったことは?


  ◇中島岳志 教授 東京工業大学 ※専門はアジア近代政治、日本思想史。
   そうですね。いや大変身近な路線でしばしば乗ったことがあるんですけれども
   まあ「寂しい」と言うだけでは済まされない問題がありますよね。

   あのVTRにも出てきましたけれども、なかなか車の運転のできないっていう
   ご高齢の方や、あるいは免許を取る前の高校生なんかはですね、直撃する問題
   ですよね。

   で、コレそもそもやはり【国鉄】の民営化の時の「分離をしていく」っていう
   そういう問題になって、【北海道】だけでなかなか黒字を『鉄道』で出すって
   いうのは相当難しいですね! これだけ広くて・人口の規模も考えると難しい。

   まあこういうようなことはやっぱり【中央】からちゃんと【地方】に対してですね
   様々なことを補填していく。先生の話にもありましたけれども【国】がシッカリと
   やるってことが重要だと思いますねぇ。。。

                  ◇富川悠太 MC
                   赤字路線とは言っても住民の皆さんにとっては
   そうなんですよ、ハイ。     “とっても”大切な路線なんですよね。

 


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┏┓  <民営化30年 瀬戸際の【JR北海道】>
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www.nhk.or.jp

 

 ◇松本浩司 NHK解説委員
  多くの赤字路線を抱え事業の抜本的な見直しを検討していた【JR北海道】が、
  「単独では維持できない」とする区間を発表しました。その距離は路線全体の
  約半分に上り、地元に衝撃が走っています。国鉄の分割民営化からまもなく
  30年になりますが、【JR九州】は先月2016年10月、悲願だった株上場を果たし
  『国鉄改革』の“光と影”が表に現れた形です。


 【JR北海道】は「なぜここまで追い込まれてしまったのか」。
         「地域の足をどう守っていくのか」を考えます。


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 Point1
┣■【JR北海道】が追い込まれた理由


   2016年11月18日
  【JR北海道】が発表した内容

  ▼1km当たりの1日の平均利用客が200人未満と特に利用が少ない
   赤色で示した区間は「鉄道を廃止してバスなどに転換する」ことを検討する。

  ▼利用客が2000人未満の路線の内、
   黄色で示した区間は「単独では費用を賄えない」として「地元と費用負担」の
   検討を始めたいとしている。


  ・これら二つを合わせて見直しの対象は1200km余り、全路線の約半分に当たる


  ▼さらに青色の区間についても「費用を確保できない」としており、
   今後対象が広がる可能性がある。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 Q.【JR北海道】は、なぜここまで厳しい状況に陥ったのか?

 A.
   ◆30年前1987年の【JR】発足以降、

   ・【札幌】周辺以外で人口が大きく減少したことに加えて

   ・『高速道路』が整備され、多くの人が『鉄道』を利用しなくなった。

    【札幌圏】以外の路線では1km当たりの利用客が「3割~9割も減少」した。


    もうひとつの背景は
   ◆経営を支える『基金』の目減り


   ・民営化の際、【JR北海道】は赤字路線を抱え、収入が足りないことが分かって
    いたため、【国】から6800億円余りの『経営安定基金』を受け取り、その
    運用益で不足分の500億円を補うスキームが組まれた。

   ・しかし、その後の「低金利」で運用益は半分程度に目減りし、
    労働組合の試算ではトータルで4500億円収入が少なくなった。

    これに対して【国】から様々な追加支援が行われてきたが、
    その額は【会計検査院】の試算で、返済が必要な無利子融資を含めて
    4200億円で、マイナスを補うことはできなかった。

www.fromhc.com

biz-journal.jp ※車内*ガラガラ*で走っているんでしょうかね・・・ (悲)


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆こうした厳しい経営環境の中、【JR北海道】は経費削減に努めてきた-


 ・社員は13,000人から7,000人へと半減。
  ベースアップは15年間なく、定期昇給も抑えて人件費を4割減らした。
  また設備投資も抑え続けた。


 ・しかし、安全に関わる投資まで抑えたため「列車火災」など事故・トラブルが続発。
  レール検査データの改ざんなど事件・不祥事も相次ぎ、【国】から前例のない処分を
  受けた。まさに“負のスパイラル”に落ち込んだ状況だと言える。


 ・会社の建て直しを検討してきた【JR】は、
  「このままでは数年後には会社そのものが存続できなくなる」として
  赤字路線の抜本的な見直しに踏み切った-

 

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 Point2
┣■『【国鉄】分割民営化』の光と影とは


  1987年(昭和62年)
 『国鉄改革
 【国鉄】の『分割民営化』は「やみくもな路線拡大」や「非効率な運営」で
  巨額の赤字を抱えた【国鉄】を分割し、【民間企業】として経営の自主性を確保する
  ことで立て直すことが狙いだった。


 ・まず全路線2万kmの内、利用客が少ない3千kmを切り離し、身軽にした上で
  旅客部門を6社に分割した。

 ・37兆円に上る借金は、国民が負担するほか体力のある本州3社も一部を背負った。
                    【JR東日本】【JR東海】【JR西日本

 ・一方、赤字路線が多い【JR北海道】と【JR四国】【JR九州】は
  借金を背負わないだけでなく『経営安定基金』を与えられ、赤字を補うことになった

toyokeizai.net

暴かれた「国鉄改革」の真実 ※元国鉄職員の抗議活動を首相官邸前でよく見掛けました。


 ・その後、本州3社は予想を大きく超えるV字回復を果たし、早々に株を上場して
  完全民営化を果たした。今では大きな利益を出す高収益企業となっている。

 ・また『経営安定基金』を受けた【JR九州】は、【北海道】に比べると面積は半分で
  人口は2倍という利点を生かし、駅ビルやマンションなどの関連事業で大きな黒字を
  上げるようになり、先月2016年10月、悲願だった株式の上場を果たした。

 ・皮肉なことにその1ヵ月後の今日2016年11月18日
  【JR北海道】は路線の維持に「白旗」を上げ、
  【JR四国】 も厳しい経営が続いている。


  光と影がハッキリしたわけで「国鉄改革はまだ終わっていない」ということを示した

 

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 Point3
┣■地域の足をどう守るのか


 【JR北海道
  今後、区間毎に『協議会』を作って市町村と協議を始めたいとしている。

  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆そして「鉄道を残すため」の手段として提案をしているのが
  『上下分離』という方法。

  「下」の部分、つまり土地や線路など鉄道施設を【自治体】などが保有し、
  「上」の部分、つまり列車の運行などサービスを【鉄道会社】が受け持つもの。

  『鉄道』は「下」の部分に大きな費用が掛かることから、それを【自治体】などが
  持ち、【鉄道会社】の負担を軽くする方式。

  全国で6つの地方鉄道において既に『上下分離方式』が導入されている。

 

上下分離という考え方 | いすみ鉄道 社長ブログ

www.isumirail.co.jp


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆問題は50を超える沿線の【自治体】が引き受けることができるのか


 ・いずれも「人口減少」が進み厳しい財政状況にあり、
  今日2016年11月18日の発表を受け、市長から「容認できる内容ではない」と言った
  反発の声も挙がっている。

 ・ただ【鉄道会社】が路線を廃止するためには、地元に十分に説明をした上で
  1年前までに「届出」をすればよいことになっており、
  【自治体】側は“弱い立場”に置かれている。


 ・【国鉄】末期に示された
  『鉄道廃止の基準』は、1km当たりの利用客が4000人未満で、
  今回【JR】が『上下分離』などを提案した2000人未満の区間はそれを大きく
  下回る利用状況にある。


 ・しかし地元側は「利用者数では測れない価値がある」と訴える。

  「『鉄道』は高校生やお年寄りなど交通弱者の足であり、
   大雪のときに『高速道路』よりも強いライフラインである。
   また【観光ルート】としても重要なインフラだ。」     というのが理由。


  「【国】は『リニア新幹線』を支援する前に『ローカル線』を支援して欲しい」
  「儲かっている【JR】本州3社にも協力して欲しい」

                            という声も挙がっている。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆今後の議論では「何が重要になるのか?」


 ・まず【JR北海道】は、結論ありきでなく地元が納得のできるまで丁寧に話し合う。

 ・沿線の【自治体】にとって厳しい話し合いが予想されるが、『交通インフラ』を中心
  とした町づくりを考える機会でもある。


 ・『公共交通の在り方』について
  【国】は3年前2013年に基本法を制定。

公共交通政策:地域公共交通の活性化・再生への取組みのあり方 報告書 - 国土交通省

  「地域の交通」については【地方自治体】が中心になって
   交通機関や住民などと協議の場を作り、市街地のコンパクト化など
   町づくりと一体となった交通インフラの再構築を進め、それを国が支援する
   という考え方を採っている。


 ・『鉄道』を「上下分離」した上で「新駅を作る」など地域を上げて再生に取り組んだ
  ことで利用客が2割増えたという例もある。

  『公共交通』を運営会社に任せきりにするのではなく「地域で支え、育てていく」
  という考え方が求められている。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ◆そして【国】の役割。


 ・【国】は「地域の取り組み」を『補助金』などで支援する仕組みを整えてきたが、
  まだ十分とは言えない。

  【北海道】の現状は『国鉄改革』の影の部分であり、
  これを進めた【国】も大きな責任を負っている。

  【地域】と【JR】の取り組みを【国】が積極的に後押しをしていくことが
  求められている。

 

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗■まとめ


 ◇松本浩司 NHK解説委員

 ・民営化時などに【国鉄】【JR】から切り離された多くの『地方鉄道』は
  廃線が相次いだ一方で、厳しい環境の中で工夫と努力を重ね、鉄路を守っている
  ケースが少なくない。

 ・【国鉄】の『分割民営化』から来年2017年で30年(1987年【JR】発足)。
  【北海道】だけではなく、『地域の公共交通』を誰が支え、守っていくのか。
  改めて考える時期を迎えていると思います。

 

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・同日に放映された【JR北海道】の“ギブアップ宣言”。速報で詳細に伝えたのは
  この2局でした。内容が被る部分が多いですが、その問題を十分に認識する意味で
  併記してみました。後半のNHKに関してはサイト上にて既に文字起こし&画像が
  貼られてあります。万が一、削除されてしまった時のことを考慮し、勝手にコピペ
  編集しました。お許し下さい。<(_ _)>

┣・競馬にドップリと嵌まった人生を過ごした私は、馬産地【日高地方】をその中心に
  【北海道】北部を除けば、ほぼグルリと『鉄道』で回りました。ギブアップ宣言に
  至るまでの経緯を知れば『鉄道』をこよなく愛する利用者ならば納得できる部分も
  きっと多いことだと思います。厳寒の時期が年間の約半数を占める極東北域ですから
  どれだけ保守管理が大変か・費用が嵩むか、容易に想像できると思います。

  言ってしまえば『国鉄民営化』の時に「不良債権」扱いされたわけですよ、本州に
  ある【JR】3社以外はね。まっこれから『大災害』に襲われて壊滅的被害を被る
  可能性が本州3社にはあるんですけど。(爆) 


┣・早々と黒字化に成功した【JR】本州3社に関しても、運賃に関して日本の大動脈が
  分断されてしまったとも言えます。『基本運賃』(乗車券&特急券)は共通・通しで
  購入可能ですが、“お得な切符”では『青春18切符』以外では「エリア限定」が
  蔓延ってしまい、特に【JR東海】の“融通の利かなさ”が東西分離を推し進めて
  しまったことは否めないと思います。“特急の全エリア乗り放題”が無いことから
  『飛行機』や『高速バス』がより発展を遂げ、交通機関のライバルを強化させたと
  も言えますね。まっ様々なインフラがあることは危機管理面としてはいいんだろう
  けど。私は「貧乏旅行」(節約するのが大好き(笑))が性に合っているので、本当
  【JR東海】は好かんのですよ。脅迫されていても同情する気も起りません。(爆)

┗・“腐れ外道”に対して思わず愚痴ってしまいましたが(^^ゞ今回の『上下分離方式
  なる手法は『鉄道』のみならず、公共事業に関する意味合いが今後益々強まることを
  暗示しているわけでして、地方税で賄いきれないインフラ整備に対してギブアップ
  宣言を今度は【自治体】から発せられるのだと思います。先達者【夕張市】のように
  若い市長(ご夫婦)に“おんぶに抱っこ”しますか? 少しは自分のことだと思い
  真剣に考えられることを切に願うばかりです。

  今回のこの問題は大事なことだと思い、詳細にメモさせて頂きました。<(_ _)>