『毎月勤労統計調査』とは
2015/10/02(金)<『毎月勤労統計調査』とは>
【Newsモーニングサテライト】 http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/
*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓モーサテ WORD BANK <『毎月勤労統計調査』とは>
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◇黒田東彦 総裁 日銀
企業収益はものすごく改善しですね、
完全雇用と言ってもいいぐらい、いいところになっているにも関わらずですね、
それを反映したように、まっ賃金の上昇とかそういうことが起こってないと-
◆今週、企業経営者に異例ともいえる一段の「賃金引き上げ」を求めた
日銀・黒田総裁。
・このところの物価や消費の弱さにも上げられる「賃金上昇」の鈍さ。
今回は賃金の指標『毎月勤労統計調査』に注目し、
隠された“賃金の弱さ”の要因を探る。
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┣『毎月勤労統計調査』
・略して『毎勤調査』とも言われている。
・【厚生労働省】が「賃金」を始め「労働時間」「雇用」の変化を把握するために
行っている調査。
・大正時代から約90年続く“歴史ある”統計。
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◆しかしこの調査、回答するのにも様々な苦労がある・・・
◇甲康枝さん 特定社会保険労務士
・『毎勤調査』の対象となった中小企業の事業所からの要請で、調査報告をまとめる
ことがあるという。
信頼がおけるような方が(社内に)いた場合でも、
あのぉ「この給与額はちょっと教えられないな」っていうのが
エー、普通はどの会社にもあるのではないかと-
そういうところからみると、こういう(毎月勤労)統計もなかなか難しい業務の
部類に入るような、ね。*何度も頷く*
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『毎月勤労統計調査』
・調査票(マル秘)は細かく
「労働者数」:前調査の期間末日の人数
採用・転勤等による増加
解雇・退職・転勤等による減少
本調査の期間末日の人数(うちパートタイム労働者の人数)
「労働時間」:出勤日数
実労働時間数(所定内労働時間/所定外労働時間。休憩時間は除く)
「給与額」 :現金給与(基本給総額/超過労働給与総額/賞与またその名称も。)
の内訳などを記入。
またそれぞれの項目に変化があった場合、
その理由も細かく報告することが求められる。
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◇甲康枝さん 特定社会保険労務士
働いている人達の「労働時間」とか「日数」を正確に把握してないといけない。
30人未満のところでね、そういう風に(自力で)できるのかなぁって(苦笑)
自分でもやりながら思ったりもするわけなんですね。(笑)
※確かにコレ大変だわ。
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┗■スタジオにて
◇池谷亨 MC
本当は自分達の会社の中でデータをまとめなきゃいけないんでしょうけど、
日々の仕事の中でこれもかなり“重労働”ってことですよね。
『毎月勤労統計調査』
毎月調査されるのは約3万3千事業所。
現在の産業構造を反映した形で、中小企業への調査も行っている。
ちなみにこの調査は『国勢調査』と並ぶ、期間統計調査という重要な調査として
位置づけられており、もし報告義務を怠ると50万円以下の罰金規定もあるほど
大事なものとなっている。
市場が注目しているのはこの統計で分かる「実質賃金」の伸び。
<「実質賃金」とは>
所定内給与:基本給など
所定外給与:残業代など
特別給与 :ボーナスなど
これらを合計した給与総額の増減に、物価の変動を考慮したもの。
<実質賃金指数>
2013年半ば以降急落し、2014年4月期には前年比約-4%を記録(消費税の影響)
その後は回復し始めて、2015年4月期にようやく0%、7月に0.5%を記録。
2年3ヵ月ぶりに前年比プラスに転じた。
◇池谷亨 MC
これ「弱い」んでしょうね。去年2014年は消費税増税で「実質賃金」は下がったん
ですけど、ただボーナスの増額ですとか、2年連続のベースアップもありましたから
もう少し勢いがあってもいいのかなって思うんですけど、市場では「期待外れ」とも
言われているみたいですね?
正社員が多く含まれるフルタイム労働者に関しては、実はそこそこ基本給が上がって
いるわけですね。エー、7月時点で言うと前年比+0.8%、ベースアップ分が主に
反映されて上がってきていると。
ところが1990年代後半からズッと非正規社員の活用が続いて、実は雇用に占める
パートの比率はまだ上がり続けているんですね。
その結果、非正規社員の方がですね、賃金水準も低いですので、その割合を企業が
高めることで「1人当たりの賃金を抑制している」というのがあるんですね。
・さらに足元の弱さは『特別給与』の影響が大きいという・・・
6月の数字が実は非常に弱かったんですね。(特別給与は)前年比で-6.7%
ということで、賞与を含む特別給与が急落していたと。
で、7月の特別給与は+1.7%と多少増えたんですけども6月の大幅減を補うには
至っていないんですね。
(夏期賞与は)製造業は強いけども、非製造業が弱いという可能性が考えられますね
例えば【経団連】の調査ですと、大企業の製造業のカバーが非常に大きいですので、
製造業が円安効果もあって非常に業績好調・賞与も好調ですので、その数字が
【経団連】の調査等では表れやすいんですけれども、
『毎勤』(毎月勤労統計調査)の場合はですね、やはり大部分が非製造業ということ
になります。そっちの弱さに引きずられているという可能性があります。
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◇池谷亨 MC
つまりその「パート労働者の増加」ですとか、「非製造業のボーナスの弱さ」これが
全体の伸びを抑えているみたいですね。
森田さん、この指標って、やはり「賃金」を見る上では大事なんですよね?
◇森田京平 バークレイズ証券 ※国内経済を中心に分析
そうですね。あの~非常に重要な統計と位置づけていいと思います。ちょっと発表の
タイミングが他の統計と比べると1週間ほど遅いので、それはあの残念なところです
けど(苦笑)、重要な統計ですね。
◇池谷亨 MC
結局「賃金を上げる」ために、今何が求められるんでしょうね?
◇森田京平 バークレイズ証券 ※国内経済を中心に分析
そうですね。やはり政策的な対応があって、
1つはやはり「労働力の移動」を促すような政策が必要なんだろうなと思います。
特に非製造業などでは人手不足って声も強いですし。
あともう1つはやっぱり「就業形態」。いわゆるその「正規/非正規」という差が
賃金の水準に影響を与えないようなですね、「労働価値と賃金を連動させる」ような
対応(政策)が必要なのではないかと思います。
・来週月曜日2015年10月5日には『毎月勤労統計調査』8月分が発表の予定。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・簡単に「起業」と言うけれど、実は陰ではいろいろと面倒なことを課せられても
いるわけで、人事や経理など生産性を直接には生まないような業務が、実は大変
だということが分かるお話でした。(笑) 『マイナンバー』で納税がほぼカバー
できたらば、こうした統計は多少は簡略化されるんですかね ??
┣・私も10年以上、非正規社員・期間雇用を続けてきましたが、確かに給与格差が
大きすぎます。解雇されるリスクが高い方を本来であれば高く設定すべきです。
小さい会社などでは雇用主が自分の取り分を減らしてまでも、従業員を守ろうと
したりしてますでしょ? アレと理屈的には同じにすべきです。ここまで優遇・
雇用を確保したけれど不景気でこれ以上は無理だ、という姿勢が分かれば非正規
側も納得できると思います。「安月給で働かされているから」と心情的にも手を
抜きがちになってしまうし、また能力不足の正規社員を「虐める」事態にも発展
する悪循環が生まれるばかりだと私は思いますね。虐めてたから私は。(^^ゞ
┣・【ユニクロ】などでは既に正規採用で囲い込みに奮闘してますが、有能な者だと
正規という枠組みに囚われることを良しとしないでしょう。ここは逆発想をして
ちょっと能力は足りないけれど止めない・休まない者を正規社員として安月給で
雇用(解雇基準は現状通り)。非正規は募集要項に値する能力さえ提供するなら
給与水準を高く設定する(各社の奪い合いで自然とつり上がると予想します)。
┗・これを国策として動かすのであれば、社会保障の100%企業持ちですかね(爆)
さすれば何としてでも「使えない正規社員」など斬り捨てたくなるでしょうし、
人数減らしに躍起となるはずです。まぁ非正規社員はかなり揺り動かされるわけ
ですが・・・ 。とりあえずは正規社員を削ぎ落とさないと経済は回らないのではと
今パッと考えつきました。(苦笑)
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┣・5日に発表された結果を見ると僅かながらプラスみたいですね。
┗・地デジのアンケート調査では「給与が下がった」人が圧倒的だったけどなぁ。
この調査の対象自体、末端企業は考慮されていないってことなのかな?(苦笑)