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“戦場の極限状態”を描いた映画 若者はどこに惹かれるか

2015/08/27(木)<“戦場の極限状態”を描いた映画 若者はどこに惹かれるか>
【NHKニュースウオッチ9】 http://www9.nhk.or.jp/nw9/

www9.nhk.or.jp


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓特集 <“戦場の極限状態”を描いた映画 若者はどこに惹かれるか>
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www9.nhk.or.jp


    ◇10代の男性
     血の気がひいた。

    ◇20歳前後の女性
     つらかったけど、見てよかった。

    ◇20歳前後の男性
     戦争の過酷さ、知ったほうがいい。


   この夏、上映されている「ある戦争映画」を見たあと後に、
   若者たちが語った言葉。


  2014年9月イタリア
 【ベネチア国際映画祭
  最優秀賞を競う部門にノミネートされた映画『野火』。
  監督は塚本晋也

  この映画のどこに若者たちが引きつけられているのか。
  河野キャスターが塚本監督に話を聞いた。

 

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┣■若者はどこに惹かれるか


 ◆“戦場の極限状態”を描いた映画

 ・若者が集まる東京都渋谷。
  街中にある映画館のロビーは人で溢れかえっていた。 ※本当に凄い入りです。

  客席は満員。立ち見席も二列ビッシリに並ぶほどだった。(驚)
  

www.eurospace.co.jp

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 『野火』監督:塚本晋也/原作:大岡昇平
  

nobi-movie.com

 ・作家・大岡昇平の原作を元に、戦争体験者の取材を加えて製作。
  太平洋戦争末期のフィリピンの戦場、日本兵の姿が描かれている。


  「しかしまあ、食料も銃もねえし、困ったもんだよな」

  「俺達はニューギニアじゃ人肉まで食って苦労してきたんだ」

  「俺がお前を殺して食うか、お前が俺を殺して食うか!」


 ・生と死の狭間の極限状態に置かれた人間を通して【戦争】が描かれている。


 ◇20歳前後の男性
  なんかその、その、その場でなんだよと。*苦笑・困り顔*
  本ッ当にもぉ、いやぁ、つらかった。  *苦痛の表情*

 ◇20歳前後の女性
  なんか極限状態になった時に、どうなってしまうのかって何か凄く
  ちょっと想像させられて、結構衝撃的でした。*驚き顔*

 

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┣■監督の思い・・・


 ◇河野憲治 キャスター
  すごくこうリアルな映画を、
  (若者達が)見に来ているっていうのが、凄く驚きだったんですね。


 ◇塚本晋也(55) 監督
  本当に嬉しいと思ったのは、皆さんもだから何かこういろんな危機感とか
  “いま考えなければいけない”ことっていう問題意識みたいなものを
  若い人達もこう感じ始めたんだなぁと強く感じたんですけどねぇ。


 ・独特の映像で“人間の心に潜む闇”を表現してきた塚本監督。

  体に異常をきたす男や、恋人が自殺した男などの苦悩を描いた。
  1989年『鉄男』    1998年『バレット・バレエ』


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 ◆今回の映画の撮影に取り掛かったのは2年前。2013年
  映画会社の支援を得ず、費用は自己負担。
  主役を自ら演じ、多くのキャスト・スタッフをボランティアで集めた。


 ◇塚本晋也(55) 監督
  なんか戦争への方向が、また浮上してくるような感覚が自分の中に実感として
  こうあったものですから。本当にそういう時代になっちゃったら大変だというんで
  その時代になってしまう前に“こういう映画をボンと、お客さんとか皆さんに
  当てないと大変”という気持ちが強く沸き起こって・・・


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 ◆映画では「派手な銃撃」よりも
  「日本兵達のやりとりの描写」に重きが置かれている。


 ・飢餓状態にある日本兵達が、僅かな芋を取り合う。


 ◇河野憲治 キャスター
  “死にそうな人の芋を取ってでも自分は生き残ろう”という人間の「醜い」部分。
  表現は「醜い」とは言うんですけど、こうもっと言うと人間的な「動物的」な部分が
  すごく描かれていて、やっぱりそうだよね“人間はこうだ”と思う部分が
  正直に描かれているのかなと僕は思ったんです。


 ◇塚本晋也(55) 監督
  そうですねぇ。あまりにその“極限の状態”なので、あそこまで極限の状態ですと
  なんかこう「本能的」なものがむき出しになりますので。


 ◇河野憲治 キャスター
  “人間ってそういうものだよね”という共感できるものがあることをですね、
  なんかそういうのに気付いた若い人達がいるのかなって思ったりするんですけどね。


 ◇塚本晋也(55) 監督
  自分もそういうところまで描けたのかというと、逆に自分で“描けたー”(苦笑)
  むしろ“そういうところまで描けたのだ”ってという感じなんですけれど。

  でも恐らく戦争の本当の状態の、本当の本当にだったら、
  “こういうこと出たんじゃないかな”ってというようなリアリティーなんですけど。

 

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┗■映画の評判、口コミで広まる


 ◆この映画の評判は、若者たちの間で、インターネットやツイッターなど
  口コミで広まっている。


  ◇河野憲治 キャスター
   なぜこの映画みようと思ったの?


  ◇20歳前後の男性
   ネットでYouTubeとかで見て、ちょっとあの、気になって見たという感じですね。

   映画を見て「どれぐらい戦争が過酷なのかを知った方がいいのでは」と思って。

  ◇10代の男性
   既に一度もう見に来ていて、友達を連れて。
  (2回目?)ハイ。(へぇ~)

  ◇10代の男性
   近くの映画館でやってなくて、それでわざわざあのぉ電車で40分ほど掛けて。


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 ◆映画がどのように伝わっているのか知ろうと、
  塚本監督は全国約40ヶ所の映画館に直接足を運んだ。


 ◇塚本晋也(55) 監督
  “若い方に見て頂きたい”というのが、だんだん大きなテーマになってきましたね。
  (劇場に)かなり小さい方もいらっしゃるので、本当に嬉しいです。


 ・映画を見終わった若者達が次々と塚本監督に話し掛けた。 ※長蛇の列!


 ◇20歳前後の男性
  すごい素晴らしかったです。最初から全く救いがなくて。*涙声*
  あらゆる感情が吹っ飛んでしまって・・・ *何度も頷き・感涙*


 ◇10代の女性
  何か感想を言いたいんだけど、言葉が出てこないといいかぁ。
  本当に口を噤みたくなるような体験というのは「こういうものなのか」っていう。
  人間は何をするか分からない(戦争になる)状況を引き寄せないようにするのが
  大事なんだなっていう。*感涙*


 ◇塚本晋也(55) 監督
  戦争を引き寄せないのは確かに大事ですね。
  今はまだ間に合いますから。意識の持ち方でね。


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 ◆上映が続いている映画『野火』

 ・インターネット上には、若者達の言葉が次々と発せられている。

  「きのう見た映画『野火』
   まだ心の整理がつかないでいます」

  「考えずにはいられない
   考えなければならない」

  「根っこから
   戦争が嫌になる映画です」


 ◇塚本晋也(55) 監督
  皆さん恐らく言葉を失って、しばらく考えたと思うんですね。
  でも「しばらく考えちゃう」ってことが、自分にとってはとっても大事で。
  2日とか3日とかズーッと「感想が出ない」とかって考えて下さって、
  人によっては1ヵ月後に「やっと少し言葉が整理できました」というのを
  (映画を)見た時にやっぱり衝撃を受けて傷が付くんですけど、その傷が
  でも本当の戦場で味わった傷じゃないので。あのぉ変な言い方をすると
  “よいトラウマ”と自分は言ってるんですけど。

  本当にこう自分が“皆さんに目を覚ませ”ではなく、
  “自分も目を覚ますので、皆さんも一緒に目を覚ましてみましょうよ!”っていう
  気分もあって作っているんですけどねぇ。。。


 ◇河野憲治 キャスター
  そしたらなんか若い人から“目が覚めましたー”って返事が来ると、
  自分もなんかうかうかできないっていうなんか・・・ (笑)

 ◇塚本晋也(55) 監督
  そうですよね。自分もうかうかできないっていう。
  本当にまだまだ自分もあのぉ全く勉強不足なので、本当にもっともっと
  いろいろ知らなきゃなーと思って、あのぉ大事なことをもっと知っときゃ
  なきゃなーと思いますよね。*頷く* ハイ。

 

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┗■スタジオにて


 ◆“戦場の極限状態” 若者の記憶に刻む


 ◇鈴木奈穂子 キャスター
  戦後70年が経ち、「戦争をいかに語り継ぐか」が問われていますが、
  若者がこの映画を見た時に衝撃を受けたとしても『戦争の怖さ』を伝えたい
  という監督の思いが強く心に刺さりました。*しんみり*

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・最初この特集を見た時に「【映画】じゃリアルなドキュメンタリー映像に
  敵うわけがない」とバカにしてました。過激な映像はいくらでも作れる。
  恐怖心や涙も案外容易に誘えるだろう。しかし本物と比べてしまうとその
  差は歴然だと思う。疑似・仮想体験ですぐさま感銘を受けてしまうのは、
  非常に危険だと私は考える。

┣・【映画】の本質を見事に突いた台詞があるのだがド忘れした。(苦笑)
  アニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
  第12話「タチコマの家出 映画監督の夢 ESCAPE FROM」の後半に注目。

  「あーなるほどねぇ」と当時妙に感動したものです。(^^ゞ

┣・◇塚本晋也(55) 監督も『鉄男』などで既に一世を風靡したわけですが
  他にも熊切和嘉(41) 監督の『空の穴』や『鬼畜大宴会』などはまさに
  “観客の視線を捕らえて放さない”強烈な作品だと思います。

  そういう意味で【映画】は【書籍】と同じで、ちゃんと身構えてから
  観ないと危ないと私は思うのです。映画監督を批判しているわけでは
  ないですよ。念のため。

  

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┗・ドキュメンタリー映像があるのなら、それと映画を見比べてみるべきだと
  私は思います。そうすることで考えがより正しい方向へと導かれるはず。
  “感情が揺さぶられる”のって、結構危ないことだと私は思う・・・ 冷静に。