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アメリカ“人種差別”の歴史と未来

2015/05/04(祝・月)<アメリカ“人種差別”の歴史と未来>
ワイド!スクランブル】 http://www.tv-asahi.co.jp/scramble/

ワイド!スクランブル|テレビ朝日


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓池上彰 生解説 <アメリカ“人種差別”の歴史と未来>
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┣■黒人男性死亡 警察官を“殺人”で訴追

 ◆1776年 アメリカ合衆国誕生

  「すべての人間は生まれながらにして平等である。」

   しかしその根底を揺るがす事件は今も相次いでいる・・・


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  2015年4月27日
 【米・メリーランド州ボルティモア
 ・フレディ・グレイさん(25) 4月12日に警察官に逮捕され、1週間後に死亡。
  グレイさんの葬儀の日27日に黒人らによるデモ、暴動に発展。
  警察官20人が怪我。放火などで140台の車両、15棟の店舗が略奪され炎上。

  2015年5月1日
 ・メリーランド州検察が拘束に関与した警察官6人を殺人などの容疑で訴追。
  護送中に車内で頭を強打したことが死因と報告。


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 ・これまでにも米国各地で黒人が白人警官らによって不当な暴力を受けて死亡した
  として、黒人らによる抗議デモや暴動が繰り返し起きている。


 ◇デモ参加者 黒人の若い男性
  「アメリカは貧困や殺人の問題を解決すべきなんだ。
   それがこの偉大な国の大きな問題だ。」

 ◇デモ参加者 黒人の若い女性
  「この町の人々は警察を信頼していない。警察は差別的だから。」

 

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┣■黒人が死亡した主な事件


 ・2014年 7月ニューヨーク    エリック・ガーナーさん(43)
                 白人警察官に首を絞められ死亡。

 ・2014年 8月ミズーリ州     マイケル・ブラウンさん(18)
                 白人警察官が射殺。

 ・2014年11月オハイオ州     タミル・ライスさん(12)
                 警察官が射殺。

 ・2014年12月ミズーリ州     アントニオ・マーティンさん(18)
                 白人警察官が射殺。

 ・2015年 4月サウスカロライナ州 ウォルター・スコットさん(50)
                 白人警察官が射殺。


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  1992年
 【ロサンゼルス暴動】
  黒人に暴行をした白人警察官が無罪評決を受けたことに対し、ロサンゼルス市内で
  略奪、放火などで53人が死亡、2千人以上の人が負傷した。

 

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┣■“人種差別”の歴史で読み解く米社会

 『ルーツ』
 ・1977年米でテレビ放映。平均視聴率45%。(日本では23.4%)
  アフリカから奴隷として連れて来られた黒人少年クンタ・キンテとその子孫たちを
  描いた。

 ・西アフリカのガンビアで奴隷として積み込まれた島を『クンタ・キンテ島』と命名
  2011年に世界遺産に登録された。

 ・黒人=人としてではなく、奴隷・商品として連れて来られた。

 ・『大農場経営』当時のアメリカでは煙草や綿花を沢山栽培していた。
  その労働力として『奴隷市場』が生まれ、黒人が商品として取引されていた。

 ・建国の父ジョージ・ワシントンですら、多い時には300人の奴隷を抱えていた。
  遺言では奴隷を解放してくれと言葉を残していたが・・・


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 『アメリカ独立宣言』(1776年)

  「すべての人間は生まれながらにして平等であり・・・
   不可侵の権利を与えられている。」

 ・当時のアメリカでいう“人間”というのは白人のみを指し、黒人や先住民は除外
  されていた。


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 『南北戦争』(1861~1865年)
  南:奴隷制維持(大農場経営主体。労働力として奴隷は不可欠。綿花=人の手。)
  北:奴隷制反対(資本主義が進み、大都市所有で経済が成り立っていた。   )

 ・南部が奴隷制度維持のために独立をしようとしたことが戦争のキッカケ。


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 『奴隷解放宣言』(1863年1月)
 ・北部の指導者だった第16代リンカーン大統領が宣言。

  「人民の 人民による 人民のための政治」

  南北戦争の最中に、激戦地ゲティスバーグにて宣言。
  しかしリンカーン自身、黒人に対しては???

 ・1858年上院議員に立候補した際「チャールストン討論会」にて

  「私は白色人種と黒色人種の社会的・政治的な平等をもたらすことに
   いかなる意味でも賛成していないし、これまで賛成したこともない。」

  人道的な理由から『奴隷解放宣言』したのではなく、
  アメリカの南北分裂を阻止するためには奴隷を解放してもいいとの思いから。


 ・1896年、最高裁判所が後押し
  「分離すれども平等」 白人と黒人は分離してもいいだろう。
             別々の暮らしをしてもいいだろう。平等なのだから・・・

 ・映画『大統領の執事の涙』にて、当時の差別の様子が再現されている。
                 (1960年代)

  バスの待合所、映画館の入り口、水飲み場など分離されていた。

 

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┣■二人の英雄

  1954年
 【米アーカンソー州
  白人と黒人の分離教育を違法とする判決が下されたが、州知事がこれに反発。
  軍隊を出動させてまで黒人学生の登校を阻止した。

 ◇アイゼンハワー大統領
  アメリカは過去のわだかまりを捨てて、ひとつにならなければならない。

 ・この事件以降、黒人だけではなく白人の中からも人種差別を撤廃しようという
  公民権運動が生まれた。アメリカ各地で盛り上がりを見せた。


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 【キング牧師】1929年~1968年 39歳
 ・私には夢がある。いつの日か、この国が立ち上がり
  「すべての人々は平等につくられていることを自明の真理と信じる」という
  この国の信条を真の意味で実現させることだ。 (1963年8月ワシントン)

  キリスト教
  非暴力主義(白人と黒人の融和)
  1964年 ノーベル平和賞を受賞


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 【マルコムX】1925年~1965年 39歳
 ・イスラム教は黒人を浄化し、改善し、再生させ、自立する道を拓く。

 ・非常に貧しい家庭に生まれる。父親を事故で亡くし、母親は入院。
  8人も兄弟がいた。非常に荒んだ生活をしていき、二十歳の時に逮捕・収監される
  そこで初めて図書館に行って色んな事を学び目覚める。

 ・イスラム教の一派、イスラム教の考えとは別の宗派に心酔していく。
  そこの指導者に付けられたのが「X」。
  奴隷として連れて来られ、アフリカでの姓も分からないという理由から。

  黒人優越主義 “白人は悪魔”
  「自衛のための暴力は知性と呼ぶ。」暴力も辞さない構えで黒人の解放を夢見た。


 ・1964年メッカに巡礼へ。そこで本物のイスラム教に接して
  暴力も肌の色の差別も全てがいけない。全ての人が平等だということに気がつく。
  黒人優越主義の考え方が一変する。

 ・モハメド・アリも感化されてイスラム教に改宗。

 

  【キング牧師】と【マルコムX】の会談も予定されていたが、奇しくも2人とも
  暗殺されてしまう。もしも会談が実現されていたら・・・

 

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┗■アファーマティブ・アクション積極的差別是正策)

 ◆大学入学時に「黒人枠」を設け、白人よりも成績が悪くても一定数は入学させよう
  としたが、白人側からそのために入学できなかったと裁判を起こされてしまった。

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 ◆教育が受けられない。その結果、貧しい。貧しい子供がまた教育が受けられない。
  “貧困の連鎖”があるのではないか。なんとか断ち切ろうという取り組みが教育面
  で始まっている

 【ニューヨーク州ハーレム】
 ・黒人街。公立校は荒れ放題だが、

  『チャータースクール』
   公費で住民が運営する学校が設立された。

   「きちんと着席して勉強できる。」と5千人の入学希望者がいる。
    廊下には全米中の大学のペナントが掲げられ、

   「お前たちは大学へ行くんだ。そして世の中を変えていくんだ。」

   白人の校長セスさん(まだ若い。)


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 ◆教育を受けることによって、自分たちで物事を考えて世の中を変えていこう。

  こうした取り組みが、民間レベルで始まっている。


 ◇萩谷麻衣子 弁護士
  人種差別を無すためには“人々の意識を変える”ということが一番大事ですし
  あとは“少数者の人権を守る”ための制度。今でいう大陪審の制度など問題がある
  ものは見直していくことが必要なのではないかと思う。

 ◇川村晃司 テレビ朝日コメンテーター
  州の知事によっても未だに「黒人を共学させない」と訴えている人もいますので
  陪審制度も目撃者がいないから無罪だと白人の陪審員が認めてしまうのが未だに
  ある。「アメリカが自由と平等を叫ぶのは“差別があるからだ”」と私は言われた
  ことがあります。

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・サブタイトルに魅せられてメモ取りしたけど、結局は教科書レベルの内容で
  対して得るものがなかった。(苦笑) 【マルコムX】の「X」由来が分かった
  くらいですか。ともに39歳。偉人の年齢を超えてしまっているのもなんだか
  興味深く思えた。

┣・差別、暴力が良くないことは十分理解できるものの、肌の色よりも気質の違い
  というものは“どうしようもない壁”があると思う。早朝、六本木周辺の
  コンビニでは、図体のでかい酔っ払った黒人が寝転び歩道を遮っていたりするし
  もちろん自分と同じ人種も似たような問題行動を起こすこともあるのだろうけど
  その頻度には人種によって偏りがあると思う。『教育』はお互いを理解する手段
  でもあるけれど、災いとなることには“関わりたくない”という思いは十分
  自分には理解できる。一度でも図々しい輩と接したことがあるならば・・・

┣・壁による「隔て」を平等に設ければいいのではないか。
  白人専用、黒人専用、白黒共用と。お坊ちゃま・お嬢様学校など平然と存在し
  認めちゃっているわけで、必ず対になる存在があれば「可」とする世の中なら
  案外巧くいくのではないかと。

┗・教育格差は“所得分配”の問題とも言えるので、それこそ投票で是非を決める
  べきでしょうね。時勢によって考え方も異なるので定期的に見直し投票をすれば
  よい。


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  → 2ヵ月以上経った今、読み返したが結構辛辣なことほざいてますね>俺。
    己の中にはこうした面もあるのだということを改めて実感できました。

    『ヘイト』(悪意)を持つことは良くないことは理解できる。スピーチ
    すべきではない。しかし実際問題として相手もそのように考慮しなければ
    なかなか譲れないのも事実だと思う。自分の言い分が勝ったのだと勘違い
    する輩がいる。(苦) それは元はといえばお互いの『教育』の違いからだ。

    「歴史」と「道徳・公民(?)」授業を世界統一にできれば一番いいのだが
    それを上の連中はやろうという考えすら述べていない。悲しいではないか。