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戦後70年 歴史家ジョン・ダワーの警告

2015/05/02(土)<戦後70年 歴史家ジョン・ダワーの警告>
報道特集】 http://www.tbs.co.jp/houtoku/

www.tbs.co.jp


*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。


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┏┓特集アーカイブ <戦後70年 歴史家ジョン・ダワーの警告>
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 ◇歴史家ジョン・ダワー氏(76) マサチューセッツ工科大学 名誉教授
  日本の近現代史研究の第一人者。
  1999年著書『敗戦を抱きしめて』が、2000年ピュリッツァー賞を受賞。
  敗戦に打ちひしがれた日本で、民主主義が生き生きと根付いていく過程を記述。


  「戦後70年の節目を迎える日本について」 インタビュー

 

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┣■第1章 戦後70年 戦争の美化

 【第二次世界大戦】(1939年~1945年)
  死者数は6200万人超とも言われる。

 【ベトナム戦争】(1960年~1975年)
  世界規模で反戦運動が起きた。


 ・今年は第二次世界大戦の終結から70周年の節目の年でもあるが、
  アメリカがベトナム戦争に本格介入から50周年の節目を迎える年でもある。


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 ・アメリカ政府はベトナム戦争を追悼するイベントを多く企画しているが、
  戦争を美化しようとしているのではないか。歴史の1頁として見るのではなく
  愛国的な気持ちとして考えている。アメリカでも既に物議を醸している。

  政府は「戦争には意義があった」としている。
  「崇高なアメリカ人が大義を掲げて戦い命を落とした」というのが彼らの解釈。
  しかし悲惨な戦争だった。


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 ・今日の日本についても同じことが言えると思う。
  日本も70年前を振り返り、第二次世界大戦について考える機会だが
  “当時の記憶とどう向き合うか”というのが難しい。

  日本でも保守派は「戦争を美化」しようとしているが、それは
  アメリカの保守派が「ベトナム戦争を美化」しようとしているのと同じこと。

  彼ら日本の保守派は「勇敢な日本兵が自らの命を犠牲にして国を守った」と言う
  でしょう。それこそが【靖国神社】が物議を醸す原因。
  私には【ベトナム戦争の記念碑】と【靖国神社】が重なって見える。

  この両者には自国の戦没者は讃えられているが、対戦国や支配国の戦没者のことは
  度外視されている。

  ですから私たちは戦争をもっと「広い視野」で見つめ直さなければならない。
  それが“真の意味での追悼”である。政治家たち、保守派にはそうした視野が無い
  私たちジャーナリスト、教師、一般市民は「広い視野」で戦争を見るべきだ。


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 ・私が一番興味深いと思っている戦争記念碑は沖縄にある戦没者慰霊碑【平和の礎
  大田昌秀 元沖縄県知事 の素晴らしい発想からできたものだが、   (糸満市
  彼らは戦争の意味をとてもよく理解していると思う。沖縄の慰霊碑には日本兵だけ
  ではなく、亡くなった全ての犠牲者の名前が記されている。アメリカ兵の名前も
  中国人、韓国人など全ての人の名前が記されている。「戦争の記憶」をより広い
  意味で捉えている。

  【靖国神社】に祭られているのは天皇のために命を捧げた人達だ。
  「英霊」という言葉が使われているが、英語では「亡くなった英雄」のこと。
  彼らはある意味で国のために亡くなった崇高な人々とみられている。
  アメリカでは国のために亡くなった人々は全て「英雄」と呼ばれている。
  つまりアメリカでも日本と同じ概念で「英雄」という言葉が使われている。

  つい最近アメリカでリベラルなコメンテーターが
  「戦争に参加した全員が英雄ではない」と発言した。彼ら全員が英雄ではない。
  中には戦争犯罪人も残虐なことをした者もいる。

 

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┣■第2章 戦争責任 日本とドイツ


 ◆今年2015年3月9日 安倍・メルケル会談

  メルケル首相は記者会見で
  「過去に向き合うことは和解への前提条件のひとつである」と強調した。

  それに対して安倍首相は沈黙していた。


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 ・日本人のいうところの「戦争責任」について

  ドイツは
  「戦時中に行った残虐な行為は決して忘れてはいけない。
   そうした残虐な行為は二度と繰り返さない」と言っている。

  またドイツでは国民がその態度を尊重している。


  しかし日本ではそうしたことがとても困難を伴っている。

  実際これまで日本では、戦争中に行ったこと、他所の国で行ったことに対して
  多くの人が謝罪したり反省の念を表明している。


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 ・私は現在の天皇陛下の発言に大変感銘を受けた。

   2013年12月 傘寿(満80歳)にあたっての記者会見
   「前途に様々な夢を持って生きていた多くの人々が、
    若くして命を失ったことを思うと本当に痛ましい限りです。」

   2015年4月9日 天皇・皇后両陛下のパラオ訪問


  天皇陛下は「戦争と平和」について本当に真剣に考えておられると思う。
  ですから日本においても真摯な発言はあった。


  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 ・しかし現在の日本政府とりわけ自民党を見ていると、全く異なる印象を受ける。


  戦後70年となった今、何が起きているのかを考えるために、20年前の当時の
  村山談話を思い出して欲しい。

   1995年 村山談話(戦後50年)
       強烈な印象を残す談話だった。
       戦争だけではなく、植民地支配に関する謝罪も行った。

   2005年 小泉談話(戦後60年)
       本質的には村山談話を踏襲したものだった。

   1993年8月 河野談話
         慰安婦に関するもの。


  日本政府も戦争に関する反省を示す強い発言を残してきてはいる。
  ただ時間が掛かりすぎた印象はあるが・・・ そうした発言はあった。しかし日本は
  そうした発言はしてきても著名な政治家や、特に今は安倍総理自身が
  “過去の談話を後退させてしまう”。


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 ・世界はそれを見て「日本には誠意がない」と思ってしまう。
  今ではドイツと異なるイメージを持たれてしまっている。

  メルケル首相は「戦争で犯した罪は決して忘れてはならない」と明言している。

  しかし日本の一部の指導者達は「そんな出来事はなかった」などと
  様々な形で何でも繰り返している。『南京虐殺』で相手国の発言を認めなかったり
  『慰安婦』についても「まずは検討してからだ」などと発言している。
  公式レベルでの日本のイメージは村山総理以降、重要な談話はあったにも関わらず
  保守派や新たな国家主義者らによって、日本ではそうした談話は後退させられて
  しまっている。実に残念なことだ。

 

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┣■第3章 沖縄の声を聴け


 ◆今年2015年4月28日 「屈辱の日」県民集


 ・私は沖縄の方々が“草の根運動”を通じて自らの声を届けようとしている姿勢に
  心から敬意を表したいと思う。沖縄の人々はあの戦争を忘れることができない。
  「沖縄に軍事基地は要らない」と訴え、戦い続けている。私は基地に関しての
  彼らの訴えを心から尊重している。沖縄はこれまで日本政府の犠牲になってきた。
  同時にアメリカの犠牲にもなってきた。沖縄は他の日本のどこよりも辛い思いを
  強いられてきた。「沖縄は歴史上3回、犠牲になってきた」。

  『沖縄戦
   沖縄では地上戦が展開され、民間人を含む20万人以上が死亡した。
   本土を守るための「捨て石」にされたとも言われている。

   戦争後はアメリカ軍が駐留し、太平洋の軍事主要拠点となった。約12年間
   1951年9月 サンフランシスコ講和条約調印されたが、その条文で
   日本の主権回復と引き換えに、沖縄は事実上、日本から引き離された。


  『アメリカの植民地あるいは新種の植民地』1952年~1972年

   1972年沖縄が日本へ返還された時も、グロテスクな米軍基地はそのままだった。


 ・終戦以来、日本政府とアメリカ政府が沖縄に対して行ってきたこと、
  それは1945年終戦の記憶の一部として私たちは決して忘れてはいけない。
  なぜなら沖縄にとって本当の悲劇は、1945年の終戦の年から始まったのだから。
  70年間搾取されてきた。沖縄の人々が戦争の恐ろしさについて語るとき、そして
  戦争の悲惨な歴史について語るとき、彼らは今も当時のことを非常に鮮明に話す。
  私たちは彼らの話に真摯に耳を傾けるべきだ。

 

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┣■第4章 「普通の国」の正体


 ◆今年2015年4月28日 日米両首脳、同盟関係の強化で合意。

 ◆2007年 イラク・バクダッド ハイテク兵器による無差別攻撃

 ・日本の保守派が日本を「普通の国」にしたいと言うとき、彼らが言う普通の国とは
  憲法を改正することで自ら軍隊を持ち、自ら武器を保有し戦闘に参加できる国
  を意味している。


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 ・今日の世界で「普通の国」とは一体どういう国なのか? 私は自問している。


 ・アメリカは「普通の国」だろうか? 日本の保守派が主張している目標は、
  日本が普通の国となって、海外で軍事行動を展開する際に、
  「アメリカとより緊密に協力できる国」にすること。


  一人のアメリカ人として、今日のアメリカを見たとき、
  とりわけ9.11の同時多発テロ以降はよく使われる言葉だが
  「安全保障国家」になったという。National Security State

  この国はどうかしている。


 ・日本を「普通の国」にという度に彼らはアメリカをモデルに話をしていると思うが
  それは「安全保障国家=監視国家」を意味している。

   2013年12月 『特定秘密保護法強行採決

  「より秘密主義で、透明性が乏しい国家」を意味している。
  また「核兵器近代化ビジネスへと進む国家」を意味し、
  さらに「アメリカ支援」を意味している。


 ・1945年から今日に至る70年間の、アメリカの軍事政策を見ると酷い大失敗だった
  その1つが『ベトナム戦争』で行う必要がない戦争だった。それから9.11同時
  多発テロへの対応、テロとの戦いの名の下『イラク戦争』(2003年~)を行い、
  それらがさらなるテロを引き起こした。『イスラム国の興隆』(2014年~)も米国の
  行動から生まれたもの。


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 ・「普通の国」は今後何をもたらすのか? ドローン(無人攻撃機)『プレデター』に
  よる戦争が起きるだろう。日本の保守派は大歓迎するかもしれない。
  テクノロジーは日本の得意分野だから。強い味方になれると。標的だけを正確に
  攻撃することができるのだと。これなら我々も戦いに参加できると。

  けれどもドローンによる戦争を行えば、テロリストの数はさらに増えるだろう。
  「普通の国」とは「精度の高い戦争をする」ことを意味する。ドローンやハイテク
  を駆使した戦争。私には日本の保守派のこんな姿が目に浮かぶ。この流れに加わる
  んだと。安倍総理がそれについて言及すると、どんな武器なら製造や輸出が出来る
  のか、といった議論が起きている。狂った状況ですよ。しかしその狂った状況は
  アメリカが発信源である。私は日本がそうした意味での「普通の国」になることを
  望んでいない。


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 ・なぜならば日本は様々な意味で素晴らしい国だから。
  日本には戦争を経験したことで学んだことを、戦争の教訓をスポークスマンとして
  広く発信して欲しい。

 ・日本の方々が憲法を変えたいのであれば、それもできるだろう。
  憲法9条だけでなく全文も変えることができるだろう。
  けれどもそこに書かれている「理念」は大変に素晴らしい理想である。
  私は多くの日本人がその理想を共有していると思うし、アメリカがとっくの昔に
  忘れ去ってしまった「尊い」ものだ。それを書き換えたいと思うこともいいが
  「憲法こそが先の第二次大戦の財産」。日本の財産でもあり、日本の財産になった

   ※1947年文部省発行「あたらしい憲法のはなし」

 

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┣■終章 日本の若者たちへのメッセージ


 ・私は50年以上にもわたって日本を見つめてきた。日本は素晴らしい国だと思う。
  日本は本当に素晴らしい国で、誇るべきものを数多く持っている。

  伝統文化もそのひとつ。今は経済問題を抱えていても、日本を訪れてそこに暮らす
  人々や彼らに触れるととても心地よいものがあるし魅力を感じることが数多くある

  日本は“終戦当時の感情”を今日まで大切に受け継いでおり、私はその姿勢に
  敬意を表したいと思っている。戦争は本当に悲惨な出来事だった。終戦の時私達は
  その悲惨さを痛切に感じた。私たちはそれぞれが他の国に対して酷いことをして
  きた。あのような戦争は二度と繰り返してはならない。


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 ・私は日本のごく普通の人が書き残した文献や主張について研究したことがある。
  私がいた1960~70年代には『市民運動』が日本各地で起きていた。公害反対運動や
  アメリカのベトナム戦争に反対する市民運動が起きていた。さらに核兵器反対運動
  なども盛んだった。私はそうした運動には敬意を払う。日本がベトナム戦争に直接
  引き込まれなかったことも非常に良かったと思う。 ただ私たち世代が持っていた
  理想は今は亡くなってしまった。日本には行きすぎた愛国主義者達が存在している
  ので、戦争が日本にもたらした結果や、日本人がアジアで行ってきたことを真摯に
  向き合えなかった。そして未だに真摯に向き合えていない。

  戦後70年というこの機会に「あれは酷い戦争だった」と声にもう一度耳を傾ける
  べきだ。かつての日本にあった理想や希望は、今では無くなってきたのでは?と
  感じるときもある。そのことをとても悲しく、虚しく感じる。


  日本には「アメリカのミニチュア版」にはなって欲しくない。 Little America

  絶対にならないで。そうなったら最悪ですよ。(苦笑)

 

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┗■スタジオにて


 ◇小林悠
 ・自分も含めて比較的若い世代は、自分たちの祖父母世代のリアルな戦争体験を
  丁寧に聞かないままでいる人が多いと思う。そこできちんと向き合わないでいると
  ややもすれば「戦争の美化」につながってしまう可能性があるんじゃないかと思う

 ・ジョン・ダワー氏が「あれは酷い戦争だった」と声にもう一度耳を傾けるべき
  という言葉は本当に重いと思う。


 ◇日下部正樹
 ・私は『敗戦を抱きしめて』をだいぶ前に読んだが非常に感銘を受けた。というのは
  敗戦に打ちひしがれてた日本人の姿だけでなく、抑圧から解放された大衆のパワー
  生命力を、闇市から風俗まで欲望がうごめく様を可視化していて本当に目から鱗が
  落ちる思いがした。

 ・ジョン・ダワー氏の主張にはもちろん異論を持つ人もいるとは思うが、これだけの
  長い期間にわたって日本に対して愛情を持って見つめてきた人の言葉ですから私は
  やはり素直に耳を傾けたなと感じた。


 ◇金平茂紀
 ・番組前半の特集で、小池清新潟県加茂市長「自衛隊を“人身御供”にするな」と
  ジョン・ダワー氏の「アメリカのミニチュア版になるな」が非常に響き合っている
  ように感じた。戦後70年で戦争をしない国から出発したが、戦争できる国へと
  どんどん変質していっているんじゃないか。今の若者たちにこうした声が届くか
  どうか分からないが、戦争が始まったときにはそういう彼らが一番に最初に戦場に
  駆り出されることを言っておきたい。

 ・安倍総理歴史認識については歴代の総理とと変わりないとは言ってましたが・・・

 

◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

┣・NHKっぽい作りのインタビューだったけど、NHKより深く本質を突いて
  ましたねー。核心だと言い切ってもいいんじゃないでしょうか? 日本人でも
  このことを指摘する人はいるけれど、なんでだろう、異人さんから言われると
  素直に連ーれられーてぇ行っちゃったぁ♪(苦笑)

┗・ン~、私などがまたグダグダと語っても長くなるだけなので、実際の映像を
  是非見て欲しいですね。こういうのも学校の教師は生徒に授業で見せていたり
  するのでしょうか? 見せてなくて斬首シーンばかり問うているのであれば
  その教師はきっと未熟者なので、適当にあしらった方が時間も無駄しなくて
  済みますよ。生徒諸君!