漂流する民族【ロヒンギャ】“人身売買”の背景
2015/05/26(火)<漂流する民族【ロヒンギャ】“人身売買”の背景>
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*敬称略しています。 また長文ゆえ誤字脱字が多いです。ご了承ください。
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┏┓ <漂流する民族【ロヒンギャ】“人身売買”の背景>
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・マレーシア北部で139ヵ所の墓地、28ヵ所の収容所。
「1ヵ所で何体も埋められている。数え切れない」
・タイ南部で30人以上の遺体、集団墓地。「虐待や衰弱により埋葬されたか」
┣■海を漂流する【ロヒンギャ】
・東南アジアの海を漂流する【ロヒンギャ】 その数約4000人。
・ミャンマーを脱出した少数民族【ロヒンギャ】を乗せた木造船が
東南アジアの海で漂流し、周辺国に相次いで漂着している。
その場で命を落とす者も少なくない。
・ゾーミントゥ氏(42) ロヒンギャ難民 (埼玉県桶川市)
ミャンマーにこのまま住んでいたら
食べ物も飲み物もなくて死んでしまうことが分かって
もう構わない、しようがない
海の中で死んだって同じことだと、そう思って逃げている人たちなんです。
・根本敬 教授 上智大学 総合グローバル学部
ミャンマー政府は、自分たちのミャンマー連邦の国民ではないと決めつけて
ミャンマー国民の中に「135の民族がいる」となっているんですけど
その民族リストの中には入れていないんですよね。
結果的に【ロヒンギャ】は現在どの国からも国籍を与えられていない。
【ロヒンギャ】
軍事政権下の1982年『市民権法』により、ミャンマーの国籍を突然剥奪され
“バングラデシュからの不法移民”という扱いに。
ミャンマーに住んでいてもいいけれども、2つの条件が課せられ
「静かにしていなさい」
「【ロヒンギャ】という名前を使ってはいけません」
自分たちがベンガル(バングラデシュ)から入ってきた不法移民だということを
認めなさい。
この2つの条件を守れば命の保証はしてあげます。
という態度をミャンマー政府は取り続けている。
・政府が決めた居住地に隔離され、移動の自由が認められていない。
・仏教徒が大多数を占めるミャンマーの中で、【ロヒンギャ】=イスラム教徒である
ことも差別に拍車を掛けている。
・ゾーミントゥ氏(42) ロヒンギャ難民 (埼玉県桶川市)
ミャンマーから脱出、難民となることで18年前に日本へ渡った。
買い物に行けない、仕事に行けない。病院に行けない、学校にも行けない。
自分の家の中が“刑務所”になっている。
人間がそういう厳しい状態を1日だったらなんとかなるけれど
何年間も我慢することはできません。
┣■追い込まれた【ロヒンギャ】が頼ったのが・・・ 『人身売買の組織』
・ゾーミントゥ氏(42) ロヒンギャ難民 (埼玉県桶川市)
いろんな人が死んでいることも情報が入ってきて(知っては)いるんですよ。
それでもしようがない、海の中で死んじゃっても構わない。
ここで死んでも海で死んでも同じこと。
ここで死ぬより、海の中で構わない。
そう思ってロヒンギャ人は逃げているんですよ。
【タイ政府】
“人身売買”による被害者の墓が見つかり、人身売買や密航への取り締まりを強化
→ その結果、ミャンマーを脱出したものの、どこの国にも入れなくなり
人身売買の組織が放り出してしまい、海を漂流する事態となった。
・ゾーミントゥ氏(42) ロヒンギャ難民 (埼玉県桶川市)
この状況を僕もいろいろ情報を24時間見ているんですよ。
心が僕すごく痛くて、そのことは話もできないんですよ。
ビデオを見たら海の中で・・・ 見て下さい。こういう感じになっているんですよ
この人たちもあなたみたいな僕みたいな人間なんですよ。人間なんですよ。
こういう状態になっていることにすごく心が痛くて
話ができないことがあるんですよ。
┗■スタジオにて
・自分たちの国を持たない民族が迫害を受けた。
第二次世界大戦のユダヤ人への迫害を思い起こす。
【ロヒンギャ】
居住:ミャンマー西部など
人口:約80万人(推定)~150万人とも言われる。
宗教:イスラム教
イギリスによる植民地時代に、(現)バングラデシュから(現)ミャンマーに
“労働力”として移住してきた人たち。とされている。
1982年『市民権法』で国籍が剥奪される。
【ミャンマー政府】から
移動・結婚・教育・商業の制限。さらに強制労働、財産(土地)没収、暴行と
絶えず難民が流出する事態となっている。
・宇田有三 フォトジャーナリスト
【ロヒンギャ】の難民キャンプを取材。(キャンプ自体が隔離政策の様相。)
「人間扱いされない」ことが日常的に行われている。
(食糧の支援などは?)
海外から知られていないことが大きく、大きな【国連】や【NGO】からの支援は
あるが、一般からの支援はまずほとんど入ってこないのが実状。
(水、衛生状況は?)
非公式難民キャンプに関しては非常に衛生状態が悪くて
子どもたちが生きるか死ぬかといった状況に置かれている。
(なぜそこまで迫害をされるようになったのか?)
ミャンマーの軍事政権。国際的な非難の目を国内政策上で国民の目を反らすために
弱い少数民族を狙った結果。仏教徒とイスラム教徒の分断政策で人々の不平不満を
反らせた。
【ロヒンギャ】による密航(【国連難民高等弁務官事務所】)
今年2015年だけでも約2万5千人が密航。300人が死亡。
現在4千人~7千人が漂流している。
(【タイ政府】が取り締まりを強化したのは?)
1つは人身売買の規模が大きくなって組織立ったようになったこと。
あとは世界的に人身売買を取り締まる動きが強まったこと。
そこでいきなり取り締まりを強化、表立った。
『人身売買』の実態
身代金 :約2000ドル(約24万円)
農場や企業へ:約5000~5万バーツ(約1万8千円~約18万円)
拘束中は・・・ :連日の暴力、1日1食(少量のまずい米)
屋根なしビニールシートの寝床。
逃亡 → 殺害。
(人身売買はいつ頃から行われているのか?)
【ロヒンギャ】の難民自体は1970年代、90年代、2009年2010年と
20万人、30万人という人たちがミャンマーからバングラデシュに逃れていた。
人身売買自体が行われるようになったのが2009年2010年以降、組織的になってきた
その理由の1つが東南アジアの経済発展がすさまじく、いわゆる3Kのキツい仕事
をやらせるための労働力として、密航組織が受け立って活動し始めたから。
・ミャンマー民主化運動の指導者 アウン・サン・スー・チー氏
“ロヒンギャ問題”への明確な言及を避けている?
・2015年5月20日、マレーシアおよびインドネシアが一時、
漂流するロヒンギャ難民を受け入れることに合意。ミャンマー政府へ努力を促す。
『ロヒンギャ会合』
2015年5月29日バンコクにて、ミャンマーを含む17ヵ国が参加。
日本としては、なぜこのような難民が生まれるのか知る・関心を持つことが大事。
◇感想‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
┣・同地域においてイスラム教徒との対立はかろうじて知ってはいたが少数民族
【ロヒンギャ】の実態を今回自分も初めて知った。親日と呼ばれるミャンマーの
陰の部分を見てしまったわけで、確かに大きなインパクトを受けるが、こと
民族問題に関しては安易に手を差し伸べるのは事態をこじらせるだけで逆に
良くないことだとわきまえたい。うーん、書き進めるだけ批判を浴びそうで
正直言って怖い問題だと思う。
┣・日本でも3Kと呼ばれるキツい仕事は未だに外国人労働者に頼っている有様だ。
今は「奴隷のような扱いはしていない」と思っていたら先日介護施設で奴隷
扱いだと告訴されていた。こんな日本で何を偉そうなことが言えようか。(苦)
┗・極東ロシアや北方四島では、北朝鮮人やウクライナ人が労働力として働いて
いるという。「安い労働力」を世界中どこでも求めているのが実状なのだ。